パソコンやスマホは私たちの生活に欠かせないツールですが、使いすぎると頭痛や肩凝り、腰痛など辛い痛みの原因になってしまいます。
今回は、ガチガチに固まった体をほぐす、座ったままできる簡単ストレッチを紹介します。
ポイントは「肩甲骨」と「僧帽筋」
首、肩、腰などの辛い痛みを改善させるには、肩甲骨(けんこうこつ)を動かし、僧帽筋(そうぼうきん)をほぐすことがポイントです。
「僧帽筋」は上記の図のように首の付け根から背中上部までついている筋肉です。その下に「肩甲骨」があります。肩甲骨は、体幹 (胴体)と上肢(腕と手)をつないでいて、腕の上げ下げや腕を回す運動に連動して自在に動きます。「天使の羽」と言われるように、肋骨の上に浮いている骨なので動ける範囲が大きい(可動域が広い)のです。下記のように6つの方向に動かせます。
- 肩と耳を近づける動き=挙上
- 肩と耳を遠ざける動き=下制
- 肩甲骨を背骨に引き寄せるように胸を開く動き=内転
- 肩甲骨を背骨から離し背中を開く動き=外転
- 腕を脇腹横から上に伸ばす動き=上方回旋
- 上げた腕を脇腹横まで下げる動き=下方回旋
- 首、肩、腰、背中が凝る
- 猫背になりやすい
- 顎が前に突き出た姿勢になりやすい
- 肩甲骨が埋もれて、老けた印象の背中になってしまう
- 背中にムダ肉がつく
- 背中が丸まり、ポッコリおなかになりやすい
- バストラインの下垂
ガチガチ背中・首が劇的にラクになる!3分隙間時間ストレッチ
今回紹介するストレッチは、連続した動きで首、肩、背中、腰をほぐしてくれます。大切なのは、「今どの部分が伸びている」「ほぐれている」「温かくなってきた」といった体の声を聞く感覚を育てること。体の声が聞こえる感度が上がれば、「もうダメ……」となる前に休息を取ったり、ストレッチをすることができるようになり、症状を悪化させることも減ってきます。隙間時間を使い、習慣にしてみてくださいね。
■期待できる効果:首・肩・背中の凝りと痛みの改善、目の疲れ・頭痛・冷えの改善、呼吸が深くなることによる全身リフレッシュ
■注意する点:首や肩、肘を痛めている人、運動制限のある人は、無理のないように実践してください。
■実践回数&期間:疲れやストレスを感じたときに自分の体の調子にあわせた回数で実践してください。
1. 両肘を胸の前で付ける
顎を軽く引き、背骨を伸ばして姿勢を整えます。肩が上がらないように注意しましょう。
2. 吸う息とともに両肘を顔の前に引き上げ、吐きながら戻す
なるべく肘が離れない位置までで大丈夫です。二の腕で肘を上に押し上げる意識で、肩に力が入り過ぎないように注意しましょう。吐く息とともに肘を元の位置まで戻し、3回ほど動作を繰り返します。
3. 大きな円を何回か描くように腕を伸ばす
つまっているものを開放するようなイメージで、脇腹を引き上げると同時に腕を天井方向に伸ばします。
4. 肘を胸から離すイメージで肩を下げる
伸ばした腕を横に開きながら肘を胸から遠く離すイメージで肩甲骨を動かし、胸や背中、首筋をほぐします。そのまま肘を体の前に動かし、左右をできる範囲で近づけたら、再び腕を上に伸ばし大きく内側から外側に回す動作を3回ほど繰り返します。
5. 腕を伸ばし、手のひらを頭上で重ねる
なるべく肘を耳の横か後ろにして腕を上に伸ばし、重ねた手のひらを前に向けて胸を伸ばします。
6. 両腕を左右に揺らして脇腹を伸ばす
上半身をユラユラと左右に揺らしながら、脇腹、脇の下などを伸ばします。肩が痛い人は無理のないところまで肘を緩めます。
7. 両腕を前に伸ばし、上半身を時計回りに回す
背骨を中心にゆっくり大きな円を描きます。詰まった感じがする箇所は行ったり来たりして徐々にこわばりを解きながら、滑らかな円を描いてください。
8. 吸う息で肩と耳を近づける
脇の下で肩を上に押しあげるイメージを持つと、肩に力が入りすぎず楽に耳と近づけられます。
9. フーッと息を吐いて肩を下げる
何度か動作を繰り返しながら、徐々に腕の重みを感じるように肩の力を抜きましょう。肩がストンと下がり、首、肩周りのこわばりが解消されます。
いかがですか? とてもシンプルな動きですが、ポイントを抑えて動作すると、コリが気持ちよく解消されます。ぜひ、仕事の合間に実践してみてくださいね。