本格的なスパブーム到来。
この2、3年にかけて「ホテルだけでなく、路面店にもスパは誕生してくると思う」と、日下部さんは言います。
「新規参入というより(新たなスパが誕生するだけでなく)業態を変更させてスタートしてゆく店も増えるでしょう。つまりエステサロンがちょっとした温浴施設(サウナ、バスなど)を入れる、つまり<エステのスパ化>です」
しかしながら、中途半端なコンセプトのスパ、サロンは淘汰されてゆくと思います。
「儲かりそうだから」と軽い気持でスタートさせても、決して簡単にはいかないのが、スパ業界。私はその理由の一つに、オーナーの色がスタッフを通して消費者に伝わるからであると思います。オーナーの知識が少なかったり、アロマやスパ、ひいては健康に対する意識や興味が少ないと、その店は個性のない箱だけに過ぎない。いくら空間などのハード面を造りこんでも、ソフト(=人材)を充実させなければ決して成功しない。それが常識だと思います。
日下部知世子さんも言います。
「人手はいらない。『人財』が欲しい。オーナーが人手として雇用するのではなく、財産として雇用しなければだめ。オーナーの意識が変わればいいのです。スタッフによってオーナーが教えられるような、それが理想です」
これからのスパ競争社会の中で、勝ち残ってゆくためには、オーナー(経営者)の教育をどうするか、というのがポイントになるでしょう。
人がキーワード。
きめ細やかなサービスを、さりげなくできるスタッフ。クライアントの心にふっと香りと共に、印象に残るようなスタッフのいるスパにもう一度行きたいな、彼女に会いたいなってそう思いませんか?彼女になら自分の心身を任せてもいいかなって思えるから、また行ってみよう・・・と。
今後は消費者の見る目も厳しくなってゆくでしょうから、競争社会の中で、いいスパが生まれ、育ってゆく、いい循環になるでしょう。消費者も常に見極めが大事です。追いかけっこのようですね。いいスパといい消費者の・・・。
最後にスパフリークも増えてゆくことについても触れておきます。
最近では、お金と時間に余裕のある人が、スパフリークになっていろいろなスパを評価するサイトを作ったりしているようです。フリークにとどまらず、自称スパコンサルタントといって活動をスタートする人も増えるかもしれません。
日下部さんも「ベーキングパウダー(BP)みたいなスパコンサルタントを増やさないようにしなくっちゃ」と言いました。「BP=膨らし粉、みたいな人。世の中こんな人だらけ!」と、えせスパコンサルタントに、頭を傾げます。
スパに関わるビジネスは、消費者側にも影響を与えるということなのでしょうか。
これからも、日本におけるスパの発展に期待!
東京都港区高輪3-23-14 シャトー高輪7F。
(株)インターブレイン 代表日下部知世子氏。
TEL:03-3446-4472
http://www.aroma-inst.jp
フランス人調香師アルベール・アルゴー氏との出会いにより、1978年香りと自然学の世界に入る。また、自らもフレグランスの調合をしながら、商業空間の香りのプロデュースを行う。その後、フランス・マダガスカルなどで、アロマテラピー(芳香療法)・フィトテラピー(植物療法)を学び、実践を重ねる。
フランスのアロマテラピーの父と呼ばれる故ジャン・ヴァルネ博士の哲学を学び、長きにわたり後継者マダムティフィーヌに師事。
2001年ヴァルネ夫人より正式な継承者として認められる。
2003年フランス グラース市で行なわれた世界植物芳香療法学会にて、同市の招きにより研究発表を行なう。
ヨーロッパの著名なアロマテラピー研究者たちとの交流も深く、日本で初めてスポーツアロマテラピーを実践し、トップアスリートのフィジカル&メンタルコンディショニングに携わっている。
2006年都内に、日下部知世子総合プロデュースによるスパ「Soins Phytonique(ソワンフィトニック)」をOPEN予定。「植物の力で元気になる」ジャン・ヴァルネ哲学に基づき、オーガニックレストランも併設した滞在型のデイスパ。
それに隣接する実践型スクール「アンスティテュ・ド・スパフィトニック」も開講予定。開講前のスクール説明会は6月から順次行われる。詳細は上記まで。