18歳成人により、親の同意なく様々な契約を結ぶことができるが……

18歳成人により、親の同意なく様々な契約を結ぶことができるようになるが……

2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。先進国に限らず海外では、成人年齢を18歳とする国が大半を占めていることからすると、日本も世界標準に合わせたということでしょうか。

成人年齢が18歳となる最大の関心事が「親の同意なく様々な契約を結ぶことができる」という点でしょう。携帯電話やアパートの賃貸契約、あるいはお金の貸し借り(金銭消費貸借契約)などです。日本学生支援機構の奨学金も「保護者(親権者)の同意が必要」でしたが、今後どうなるのでしょうか。

奨学金アドバイザー久米忠史が、給付型奨学金の採用者が進学後に気を付ける点などについて、高校生向けに新たに導入される金融教育の必要性とともに解説します。
 

貸金業者の4社に1社が「18歳に貸し付ける」と回答

日本貸金業協会がおこなった「若年層の顧客に対する貸付方針・取組状況等に関する調査結果(2021年10月15日)」によると、加盟業者の25%が18~19歳の一般顧客への貸付、12.4%が学生顧客への貸付をおこなう方針と回答しています。
 
50代以上の方ならば記憶にあるはずですが、80年代半ばには「サラ金地獄」という言葉が流行し、暴力的な取り立てによる一家離散、自殺などが日々報じられて大きな社会問題となりました。大手貸金業者のテレビCMが頻繁に流れ、企業相手に高利で貸し付け、暴力団まがいの取り立てをおこなう最大手の商工ローン企業が人気の報道番組のスポンサーとなり、毎週社名を目にする状況でした。
 
法律改正によるグレーゾーン金利の撤廃や罰則の強化などにより、サラ金問題は消滅したかのようにみえます。しかし忘れてはならないのが、当時の大手高利貸し企業の多くが、今では大手銀行の子会社となり存続しているという事実です。
 

18歳で信用情報に「金融事故者」として履歴が残ってしまう可能性が

先の日本貸金業協会の報告で若年層への貸付方針を示した金融業者は少数派でしたが、それらの企業の業績次第では、同方針へシフトする同業者が増加していくことが容易に想像できます。
 
少子高齢化社会で肝心の高齢者世代がお金を使わない中、若年世代を新たなターゲット市場として取り組む企業が現れることはビジネス論的には当然のことかもしれません。
 
しかもネット社会となった現在では、カードローンなどは対面ではなくWeb申し込みが主流です。今後はスマホで簡単に借りられる「小口金融」がさらに増えてくるでしょう。
 
例えば、今回の新型コロナのような感染拡大の影響により、アルバイトができなくなったため5万円を借りたとします。仮に月々3000円の返済だとしても、滞納すれば18歳で信用情報に「金融事故者」として履歴が残ってしまうという事態が起こり得るのです。
 

18歳成人で奨学金はどうなる?

日本学生支援機構の奨学金には、高校3年生の春に申し込む「予約採用」と進学後に申し込む「在学採用」の2つの方法があります。

18歳成人になることにより、予約採用で申し込む高校3年生には未成年(17歳)と成年(18歳)が混在することになり、入学直後の4月におこなわれる在学採用での申請者は、成人として奨学金を申し込むことになりますが、
 
奨学金申請の際に必要な2021年度版の「確認書兼同意書」の欄には次のように記されています。

あなた(あなたが未成年(20歳未満)の場合は、あなたと親権者または未成年後見人)は、「確認書兼同意書」に記載されている次の内容を確認・承認したうえで、署名した「確認書兼同意書」を提出しましたか。

(日本学生支援機構 2021年度スカラネット下書き用紙①より) 

今年からはこれが「18歳未満」に書き換えられるのでしょうが、成年と未成年が混在する高校3年生は同級生の間でも取り扱いが異なってくるため、多少困惑するかもしれません。
 
なお奨学金ではありませんが、文科省が「成人年齢に達した生徒の在学手続きの留意事項Q&A」を公開しています。ここでは授業料等の徴収や中途退学に関する取り扱いに多くが割かれていますが、「保護者」を「保護者等」に書き換えたり、保護者の誓約書を必要とするなど、極力保護者の関与を求めようとする姿勢が見てとれます。

>>>18歳成人で気を付けるべきは、給付型奨学金の採用者