防犯

“密室”の電車内で相次ぐ「通り魔」事件から身を守る!今すぐ、誰にでもできる6つの「防犯対策」

相次いだ電車内「無差別」刺傷事件。遭遇したら命に関わるかもしれない犯行から各人が身を守るために知っておきたいヒントを、危機管理のスペシャリストがお伝えします。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

相次ぐ、電車内での「通り魔」事件

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京王線刺傷事件は、街がハロウィンでにぎわう10月31日夜に発生した

今年8月には「幸せそうな女性を殺したかった」「勝ち組の典型に見えた」などを理由に走行中の小田急線車内で刺傷事件が発生。また10月には京王線車内にはハロウィンの仮装をした男が刺傷・放火におよび「死刑になりたかった」と供述するなど、相次ぐ電車内での通り魔・襲撃事件が世間を騒然とさせています。

・京王線刺傷事件
2021年10月31日20時ごろ、京王線上り特急(調布駅発車後)車内で発生。24歳の男が逮捕される

・小田急線刺傷事件
2021年8月6日20時半ごろ、小田急線上り快速急行(成城学園前駅 - 祖師ヶ谷大蔵駅間)車内で発生。36歳の男が逮捕される

・東海道新幹線車内殺傷事件
2018年6月9日21時45分ごろ、東海道新幹線の東京発新大阪行き(新横浜駅 - 小田原駅間)走行中に発生。22歳の男が逮捕される

「無差別襲撃となれば、個人で対策できるだろうか……」と絶望するしかないのでしょうか? 一連の事件から「駅間距離の長い特急列車が危ない」ことは意識にインプットされているとしても、それ以外なら安全だと保障されているわけではありません。

安全生活アドバイザーの筆者が、自分の身を守るために誰にでもできる防犯対策についてお伝えします。
 

今すぐできる防犯対策1. イメージトレーニングを活かす

自分が乗る電車の非常停止ボタン、非常用ドアコック、消火器等の設置場所、避難経路を意識したことはあるでしょうか。それらを把握した上で、既に起きた事件のような緊急事態発生時に「自分だったらどう行動するか」を想像してみることです。

一般的に「イメージトレーニング」は試合や勝負などで自分が勝つシーンを頭に描いておくと勝利に有効だといわれますが、それは万一何らかの事件事故に遭遇した際にもアドバンテージとなり、自分を守る行動にスピード感をもって移行できると考えています。

自分が被害に遭うとしたら、自分の行動範囲内でのことです。特によく利用する駅や電車についての情報とともに、自分を主人公にした動画を具体的かつ客観的にイメージしておくと“弱点”が見え、現実の場面で行動がしやすくなるでしょう。

何らかの緊急事態が発生した場合でも、心の準備をしていた人のほうが避難行動は早いはずです。“運”もあるかもしれませんが、運頼みよりは「心構えと備え」、「機敏な行動」が大切です。看護師などの医療従事者が緊急事態発生時に居合わせたとき、救護活動に迷いがないのは、日々患者さんの生命を守るという業務に従事しているからでしょう。同じ条件下にいても、備えるという意識や覚悟の差でリスクにも違いがあるのです。

そして電車内や駅に限らず、映画館や劇場、ホールなどの大きな建物やビル内にいたら、緑色の避難口誘導灯や非常口、非常階段を確認すること、地下街等では歩きながら一番近い地上への出口や非常口を意識して探すことを習慣づけましょう。旅先では宿泊する部屋から実際に非常口まで歩いておくと、万一の際、右か左かわからず時間をロスするよりは体で覚えている分、避難が速やかになるでしょう。

電車内で「自分を弱化する」NG行動に注意


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