防犯

“密室”の電車内で相次ぐ「通り魔」事件から身を守る!今すぐ、誰にでもできる6つの「防犯対策」(2ページ目)

相次いだ電車内「無差別」刺傷事件。遭遇したら命に関わるかもしれない犯行から各人が身を守るために知っておきたいヒントを、危機管理のスペシャリストがお伝えします。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

 

今すぐできる防犯対策2. スマホに夢中=自分を弱化する行為と認識

通り魔や火災、地震をはじめとする自然災害など、緊急事態はいつ発生するかわかりません。

電車に限らず、外出時にはいつでも「どこに逃げるべきか」を考えて行動すると、目や耳からの情報がいかに大切かわかってくるものです。人ごみに流されて歩いているだけ、“ながらスマホ”や下を見て歩くだけでは周囲の状況もわからず、緊急時にどうすべきかすぐにわからないでしょう。

イヤホンやヘッドホンは耳からの情報を遮断します。電車内でスマホゲームや動画、漫画などに熱中していると周囲の音も聞こえていません。車内アナウンスも聞こえず乗り過ごすこともあるほどですから、“何かに夢中になっている”と音や声が聞こえていない状態になっているのです。

つまり、騒ぎや爆発音などの異常音や状況把握までのタイムラグが発生し、緊急事態に気づくのが遅れてしまう=自分で自分を弱化する行為と認識しておきましょう。

犯罪を企図している人物が犯行に及ぶ際には不審な動きがあるはずです。誰か(自分の場合も……?)に向かってやってくる、何かを取り出す、液体を撒く、火をつけるなど、危害を加える何らかの動作が言うなれば通り魔“犯行の始まり”になるのですから、車両内で怪しい行動をする人にはいち早く気がつくようにしたいものです。
 
そのためには、居眠りなどはもってのほか、たとえスマホや本などを見ていたとしても、視界の中に不審な動きが認められおかしいと感じればそちらをしっかり見て状況を確認し、すべき行動について急いで思考をめぐらせましょう。明らかにおかしな行動と判断できれば、「危ない!」「やめろ!」と大声を上げることで周囲の人たちにも注意を促せるでしょう。

また「無差別襲撃」といっても、実際には、彼らは「自分が確実に襲える相手」を選んでいることは、既にご存じの方も多いでしょう。
 

今すぐできる防犯対策3. 周囲と比較した「自分の見え方」を意識する

電車内で周囲の人たちと比較して自分はどう見えるかをよく考えて、ターゲットに選ばれないように警戒心を持ち、ターゲットにされそうになったとしてもすぐに気がついて避難できるように機敏さと早い逃げ足を持っていたいものです。

襲撃者からすれば、例えば格闘技やラグビー、アメフトなどのぶつかる競技系の選手のような体格のよい人が、眼光鋭く姿勢をただしていたら、すぐに反撃されてしまいそうな雰囲気を感じて避けるでしょう。それとは真逆の人、見た目に落差がある人(狙われやすい条件は下記)ほど狙われやすいと推測されます。ただし、居眠りで熟睡していれば体格に関わらず無防備です。

・狙われやすい条件1:居眠り。熟睡していれば体格・体力差は関係なく襲撃可能
・狙われやすい条件2:イヤホンをしている、スマホに集中。直前まで気づかれにくく、反撃される前に襲撃可能
・狙われやすい条件3:高齢者、女性、子ども、体格が小柄・細身。体格差があり、反撃力が弱い印象


小動物が天敵の襲来に備えて保護色を身にまとい、伏せたり隠れたりして全集中ですぐさま安全な場所に避難するように、自分自身を守るためにフルに五感を使い、できることややるべきことをしましょう。不審者に目を付けられるより、こちらが先に不審者を見つけるくらいの気持ちでさりげなく周囲を見回しておきましょう。

もしも電車内で「火災」が起きたらどうする?
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます