イグアス国立公園
イグアス最大の見所、悪魔の喉笛。最大300にもなる滝の中でもずば抜けた迫力を見せる。写真はブラジル側からの景色で、滝の上はアルゼンチン ©牧哲雄
アルゼンチンとブラジルにまたがる世界最大の滝で、両国の国立公園が別々に世界遺産登録されている。その規模は圧倒的で、水量は雨季で毎分36億リットルとナイアガラの20倍以上、川幅は2.7kmでこちらは3倍弱にもなる。滝によって舞い上がった水分は豊かな熱帯雨林を育み、川の近くはシダやツル植物が繁茂し、周囲は深い森に覆われている。500種以上が生息する「蝶の楽園」であるほか、イグアナ、ピューマ、アナグマ、オオリクイなど、数多くの動物が生息している。
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ガラパゴス諸島
南米大陸から西へ1,000kmほどの位置にあるガラパゴス。写真はサボテンを食べることで知られるガラパゴスリクイグアナ
1835年にダーウィンが訪れ、進化論着想のヒントを得たことで知られる諸島。火山活動でできた100以上の島からなり、他の陸地から隔絶されている環境から動植物が独自の進化を遂げている。ガラパゴスゾウガメ、ガラパゴスペンギン、ガラパゴスオットセイなど、ガラパゴスを冠する名前が多いことがそれを物語る。南米の動植物と似ており、また同種でも島ごとの環境に適応して特徴を変えていたりすることから、ダーウィンが自然選択説にたどり着いたといわれる。
サルバドール・デ・バイア歴史地区
サルバドールは「音楽の都」。サンバやアシェ発祥の地といわれ、音楽であり格闘技でもあるカポエイラの中心地であり、テクノやトランスの先端地としても知られる
1500年にポルトガル人カブラルが現在のブラジルに大陸を確認すると、ポルトガルは領有を宣言。1549年にはサルバドール・デ・バイア(諸聖人の湾)に街を造って総督府を置き、以来1763年までブラジルの首都となる。16~17世紀にはサトウキビ・プランテーションや奴隷市場の拠点として大いに繁栄した。サルバドールには当時の建築物が多く残るほか、インディヘナ文化、ヨーロッパ文化、アフリカ文化が融合した特有の文化を見ることができる。
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ブラジリア
ブラジル、1987年、文化遺産(i)(iv)1956年、ブラジル大統領クビチェクは新首都の建設と遷都を宣言。ブラジルの都市は沿岸部に集中しているため、内陸部の開発を目的に草原が広がるセラードを切り拓き、わずか3年半でこの未来都市を出現させた。都市中心部の形はしばしば飛行機や鳥にたとえられ、縦軸上に公共施設や産業・宿泊施設を集め、横軸の羽状の地域に住宅地が広がっている。全体の都市計画は建築家ルシオ・コスタが担当し、大統領府や国会議事堂、カテドラル、国立劇場等のモダンで奇抜なビル群は主にオスカー・ニーマイヤーが設計した。
中央アマゾン保全地域群
写真のように川岸にはシダやツル植物が繁茂するが、ジャングルの中は背の高い木々に覆われており、思いのほか歩きやすい
世界最大の流域面積と水量を誇るアマゾン川は、世界最大の広大なジャングルを育んでいるが、近年温暖化や伐採の影響で大幅に面積を減らしているといわれ、森林面積の減少や焼き畑がさらなる温暖化を招く負の連鎖が懸念されている。アマゾンの重要性は世界中が知るところとなり、2000年に世界遺産登録、2003年には範囲が拡大された。中心はジャウー国立公園で、ジャガー、ナマケモノ、デンキウナギ、ピラルクなどの貴重な動植物が多数生息している。