敗北感を伴う「都落ち」、語源・注意したい使い方

「都落ち」の語源・由来からネガティブなイメージが伴うので、使い方に要注意

「都落ち」は語源・由来からネガティブなイメージが伴うので、使い方に要注意

「都落ち」という言葉をよく見聞きしますが、どんな意味なのでしょう? 都落ちには敗北感があるため、使い方に注意が必要です。由来を知ると理解しやすいので、語源となった『平家物語』で解説します。また、トランプゲーム「大富豪」の都落ちルールについても紹介します。
 
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「都落ち」の語源・由来は、平家の栄華や没落を描いた『平家物語』に

「都落ち」の語源は、鎌倉時代の平家の栄華や没落などが書かれた『平家物語』にあります。
 
大黒柱の平清盛が病に倒れ求心力を失った平家に対し、源氏軍が打倒平家を目指して次々と挙兵。平家軍は次々に敗れました。ついに倶利伽羅峠(くりからとうげ)の戦い(1183年)で、木曽義仲(源義仲)に大敗し、その大群が猛烈な勢いで平家一門が暮らす京の都に迫ると、平家一門は拠点であった西国に逃れ、再起を図ることを決意。三種の神器を帯し、安徳天皇を奉じて京の都から離れました。
 
これを「都落ち」といいます。「落ちる」には、元いた場所から離れるという意味があり、平家が京の都を離れることを「都落ち」といいました。『平家物語』巻第七の「維盛都落」「忠度都落」「経正都落」「福原落」でその様子が詳しく語られています。

 

「都落ち」の意味、敗北感を伴うため注意したい使い方

「都落ち」は都会で頑張っていたものの、夢破れて地方へ逃げるように行く時などに使います

「都落ち」にはどこか敗北感が伴います

「都落ち」の本来の意味は、「都にいられなくなって、地方へ逃げて行くこと」です。多くの辞書(※)で「平家の都落ち」を例にあげています。やがて、意味が広くなり、「都会を離れて、地方に転勤・転居などをすること」も意味するようになりました。
 
「都落ち」は、東京、大阪などの都会で頑張っていたものの、夢破れて地方へ逃げるように戻る(行く)時などに使います。基本的には、他者からの指示ではなく、自発的に行動する際に使います。ただ、本社から左遷されて地方の支社に転勤する際など、受動的な意味合いで使われることもあります。いずれにしても、どこか敗北感が伴うので注意してください。

 

トランプゲーム「大富豪」の都落ちルールとは?

トランプゲームの「大富豪」に「都落ち」というルールがあります

トランプゲームの「大富豪」に都落ちというルールがあります

トランプゲームの「大富豪」に、都落ちというルールがあります。これは、最も階級の高い大富豪が次のゲームで最初にあがれなかった場合、そのプレーヤーは最も階級の低い大貧民に転落し、手持ちのカードを放棄するというルールです。異なる解釈やローカルルールもありますが、「都落ち」のニュアンスを表したネーミングです。
 
 ※参考文献:広辞苑、大辞林、大辞泉、新辞林、明鏡国語辞典、新明鏡国語辞典

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