スキンケア

美容皮膚科医が教える! 鼻のかみすぎで小鼻が赤いときの対策って?

花粉症の季節は、鼻のかみすぎで「小鼻の赤み」ができてしまうことも多いですよね。肌に赤みが出ている場合というのは、すでに皮膚炎の状態。放っておくと更なるトラブルを引き起こすことも……。自分でできる「小鼻の赤み対策」についてご紹介します。

吉田 貴子

執筆者:吉田 貴子

スキンケアガイド

鼻のかみすぎで小鼻が赤いときの対策

鼻のかみすぎで小鼻が赤いときの対策

小鼻の赤みの原因は

「花粉症などで何度も鼻をかんでいるうちに、小鼻が赤くなってしまった……」、そんな経験はありませんか? 小鼻の赤みの正体は、ティッシュの摩擦による皮膚炎。花粉症で肌が荒れヒリヒリとした痛みが起こった状態、つまり「花粉症皮膚炎」と同じような肌トラブルを自主的に起こしている状態といえます。そのままにしておくと、更なるトラブルを引き起こしてしまう可能性もあるので早めのケアが必要です。
 
<目次>
 

小鼻の赤み対策1:保湿系ティッシュなどで「肌への刺激」を最小限に

まずは、鼻をかむティッシュは肌あたりの優しいものを選ぶと良いでしょう。普通のティッシュだと肌の表面を強く擦ってしまいます。ティッシュの刺激は、肌のバリア機能を低下させ、ほかの肌トラブルを起こしやすくしてしまいます。できるだけ刺激を避けるよう、ローションが染み込んだ保湿系ティッシュや、肌あたりの優しいカシミアティッシュなどを選ぶようにしましょう。
 

小鼻の赤み対策2:鼻の周りに保湿剤を塗ってから鼻をかむ

鼻をかむ前に、保湿剤を鼻の周りに塗るのも赤みを軽減するのに効果的です。赤みが出ている肌には、とにかく刺激を与えないことが重要。そこで、ティッシュで鼻をかむ前に、軟膏やクリームなどを塗るのがおすすめです。肌が保護され、バリア機能を強化することにつながり、赤みを軽減することができます。ちなみにバリア機能とは、肌の角質層がもつ機能のことで、体内の水分蒸発を防ぐ保湿の役割や、外的刺激から肌を守る、保護する役割があります。
 
とはいえ、保湿剤の塗りすぎは毛穴詰まりにつながる恐れもあります。毛穴を詰まらせると、毛穴開きを助長してしまい、違うトラブルに繋がることもあるので気をつけましょう。特に、油分の高いクリームは毛穴詰まりを起こしやすいので注意が必要です。
 

小鼻の赤みが出ている場合は、「軟膏」と「クリーム」どっちがいい?

小鼻の赤みの保湿ケアには、軟膏とクリーム、どちらを選べばいいのでしょうか? そもそも、軟膏とクリームについて、どんな違いがあるのかを先に解説します。
 
■ 軟膏とクリームの違い 
  • 軟膏:油脂を主体としたべたつきのあるもの、刺激が少なく、皮膚を柔軟にする効果に優れている。糜爛(びらん)、つまり肌の状態が傷ついている場合は積極的に使用する
  • クリーム:界面活性剤を使って水と油を両方入れて乳化したもの。軟膏と比べてべたつきが少なく、衣服などにもつきにくい。肌への浸透性が軟膏よりも高い。糜爛している状態にはクリームは使用しない (※1)
軟膏とクリームの違いを簡単にいうと、「油分の量」の差です。油分が多いのが軟膏。クリームは、油分と界面活性剤を混ぜたものです。ゆえに、クリームの方が肌への刺激が強いため、トラブルを抱えている肌には軟膏がおすすめです。実際に皮膚科では患者さんに、赤みのある肌に塗る保湿剤として刺激の少ない「軟膏」を処方することが多いです。

ただ、近年の花粉症による肌トラブルは、マスクが必須の生活により、例年のような小鼻の赤みを気にする患者さんは減少傾向といえます。代わりに、目の周りや首、鎖骨に、花粉の肌トラブルを起こしている人が多くみられます。いつもと違う肌荒れに戸惑っているとき、肌荒れの症状ひどいときには、自己判断せず病院に行って医師の判断を仰ぐようにしましょう。

※1 出典:『皮膚科診療プラクティス 5 スキンケアの実際』 著書:宮地 良樹・瀧川 雅浩(常任編集)、田上 八朗(ゲスト編集)文光堂 / 1999年

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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