<目次>
裏技1:文書ファイルの拡張子を「zip」にして画像を取り出す
裏技2:データを先に入力してから表に変換する
裏技3:文書をパスワードで保護する
裏技4:離れた位置にある複数の文字を選択する
裏技5:サンプルの文書を一発で入力する
裏技1:文書ファイルの拡張子を「zip」にして画像を取り出す
Word(ワード)の文書には、画像やイラストを貼り付けることができます。では、貼り付けられている画像やイラストだけを独立したファイルとして抽出したいときは、どうしたらいいでしょうか。画像を右クリックして、メニューの[図として保存]を選択すれば、1つずつ画像ファイルとして保存できますが、画像の数が多いと手間が大変です。
そんなとき使える裏技があります。文書ファイルの拡張子「.docx」を「.zip」に変更し、解凍するのです。すると、なぜかzipファイルが解凍されて、解凍でできた「word/media」フォルダに、文書中のすべての画像ファイルが保存されています。実際の手順は次のようになります。
▼元のWord文書です。文書中に画像を貼り付けています。この画像ファイルだけを抽出してみます。 ▼エクスプローラでWordの文書ファイルを選択したら、[F2]キーを押して名前を変更できる状態にし、拡張子を「.zip」に書き換えます。 ▼確認のメッセージが表示されたら[はい]をクリックします。 ▼拡張子が「.zip」になったら解凍します。他に解凍ツールを使っているなら、それで解凍してもかまいません。 ▼解凍でできた「word」フォルダの下の「media」フォルダを見ると、文書中に貼り付けられている画像ファイルが保存されています。これらのファイルをコピーすれば、画像ファイルだけを取り出せます。ZIPファイルは拡張子の「.zip」を「.docx」に戻せば、再びWordで読み込めます。 なんだか不思議ですが、実はWordの文書ファイルは、もともとがZIP形式で複数のファイルをまとめたファイルなのです(「書庫ファイル」と呼びます)。文書ファイルから画像を取り出すときは、ぜひ活用してください。
なお、これが可能なのは拡張子が「.docx」の文書ファイルだけです。古い形式である「.doc」の文書ファイルではできないので注意してください。
裏技2:データを先に入力してから表に変換する
Word(ワード)で次のようなシンプルな表を作りたいときは、どうすればいいでしょうか。最もオーソドックスなのは、3行×3列の表を先に作って、各マス目に文字を入力する方法ですよね。▼3行×3列の表。このようなシンプルな表はどうやって作ると効率的でしょうか? その方法でもいいのですが、こういったシンプルな表は、先にデータを入力してから作ったほうがスピーディーです。方法は次の通りです。
▼表にするデータを1行ごとに入力します。1行分のデータは「2021/03/10 (TAB) 井上 (TAB) 2000円」のように、[Tab]キーで区切って入力します。 ▼入力したデータを選択したら、[挿入]タブの[表]ボタンをクリックし、メニューの[表の挿入]を選択します。 ▼表が作成されました。 このように、先にデータを[Tab]で区切って入力しておけば、簡単に表に変換できます。シンプルな表が必要なときは、この方法がおすすめです。なお、データを区切るのは、半角のカンマ(,)でもかまいません。
裏技3:文書をパスワードで保護する
人に見られると困るプライベートな情報、会社の機密情報などが含まれた文書は、パスワードで保護することをおすすめします。パスワードを設定した文書は、読み込み時にパスワードが要求され、正しいパスワードを入力しないと読み込むことはできません。パスワードを設定する方法は次の通りです。▼[ファイル]タブの[情報]を選択したら、[文書の保護]をクリックしてメニューを開き、[パスワードを使用して暗号化]を選択します。 ▼パスワードを入力して[OK]をクリックします。なお、パスワードではアルファベットの大文字・小文字が区別されます。 ▼もう一度、同じパスワードを入力して[OK]をクリックします。このあと文書を保存すれば、パスワード付き文書のできあがりです。 パスワードで保護した文書は、Wordに読み込むとき、次のようにパスワードの入力を求められます。正しいパスワードを入力すれば、文書が読み込まれます。
▼読み込むときにパスワードの入力を求められます。 なお、設定したパスワードを解除するには、同じ手順でパスワード設定の画面を表示し、パスワード欄を空欄にして上書き保存してください。
裏技4:離れた位置にある複数の文字を選択する
Word(ワード)で文書を編集しているとき「この文字とこの文字を太字にしたい」とか「この段落とこの段落のフォントサイズを大きくしたい」というように、複数の文字に書式を設定したいことがあると思います。そのような場合、皆さんはどうやって設定しているでしょうか。もし文字を選択して太字にし、別の文字を選択して太字にし……と1つ1つ設定しているなら、ぜひ[Ctrl]キーを使って複数の文字を選択する方法を試してみてください。手順は次の通りです。
▼最初の文字をマウスをドラッグして選択します。 ▼次の文字は[Ctrl]キーを押しながらドラッグして選択します。すると、複数の飛び飛びの文字を選択できます。 ▼同様にして[Ctrl]キーを押しながらドラッグして複数の文字を選択したら、最後に[ホーム]タブの[太字]ボタンをクリックします。 ▼選択した文字に太字が一括設定されます。 このように、[Ctrl]キーを押しながらドラッグすることで、離れた位置にある複数の文字を選択できます。
なお、この方法は複数の図形や画像を選択するときも使えます。具体的には、最初の図形・画像だけクリックして選択し、以降は[Ctrl]キーを押しながらクリックしてください。
裏技5:サンプルの文書を一発で入力する
最後はちょっと変わった裏技を紹介します。まずは、Word(ワード)文書の行先頭に「=rand()」という文字を半角で入力して[Enter]キーを押してみてください。すると、次のような不思議なことが起きます。▼行頭に「=rand()」と入力して[Enter]キーを押します。 ▼日本語の文章が挿入されました。 これはサンプル文書を入力する機能です。Wordには、書式設定や文字飾りなど、文字がないと確認できない機能があります。また、適当な文章を入力してレイアウトを確認したいこともあると思います。
このようなとき、適当な文章があると便利ですよね。これは、その適当な文章を入力する機能なのです。操作方法は、行頭に「=rand()」と入力して[Enter]キーを押すだけです。
では、英語の文章が必要なときは? 安心してください。行頭に「=lorem()」と入力して[Enter]キーを押せば、英語の文章が入力されます。
▼行頭に「=lorem()」と入力して[Enter]キーを押すと…… ▼英語のサンプル文章が入力されます。 なお、「=rand(5,8)」「=lorem(10,10)」のようにパラメータを指定することで、入力する文章の量を変えることも可能です。興味があったら調べてみてください。
ちなみに、この機能、知らない人の前で実演すると、けっこうびっくりされます。何もない状態から、いきなり文章が現れるからでしょうね。試してみます?