目標を決めても毎回挫折……最初のモチベーションが下がるのはなぜ?
やる気が出ない原因は、間違った目標のせいかもしれません。モチベーションを保つ上手な目標の立て方とは?
目標を立てた人には「なまけよう」「大口をたたこう」といった気持ちはないはずです。「ゴールを目指して頑張ろう!」とまじめに思っていたはずなのに、なぜやる気がなくなってしまうのか……。今回は心理学的な観点から、その原因と上手な対処法を解説します。
モチベーション低下の原因は? やる気を削ぐ4つの問題
自分で目標を立ててもやる気が続かない場合、目標を立てる段階で、次の4点のいずれかに問題があるケースが多いです。1. 小目標の設定漏れ・小目標のステップが高すぎる
「ゴールは高く、ステップは低く」。これが目標設定の基本です。しかし、ゴール(大目標)だけ設定し、目の前の小目標の設定をしていない場合、具体的に取り組むべきことが分からず、やる気がなくなってしまうことが少なくありません。あるいは、設定した小目標のステップが高すぎて取り組みにくいことも、モチベーションが続かない原因の一つです。
2. 多すぎる課題とハードスケジュール
同時にたくさんの課題に手を出したり、スケジュールがハードすぎたりすると、負担が多くなりすぎて、モチベーションを保つのが難しくなります。あれもこれもやろうとしたり、休養を加味せずにスケジュールを詰めたりすることが、モチベーション低下の原因になります。
3. ゴールと小目標のリミット設定の問題
ゴールにリミットがない、小目標のリミットが遠すぎる。こうした場合、途中で気が緩んでしまいます。たとえば、漠然と「結婚する」という目標を立てるより、「○歳までに結婚する」とゴールに明確なリミットを設定した方がモチベーションは保ちやすくなります。そして、小目標のリミットは「今年中に恋人を見つける」というように、遠すぎず近すぎない日にちで設定しましょう。
4. コーチ、伴走者、仲間がいない
一人だけでゴールを目指すのはしんどいもの。自分の目標を支えてくれる人(指導者か伴走者、仲間)の存在が必要です。コーチは困難課題への具体的なアドバイスをしてくれる人。伴走者(パートナーやカウンセラーなど)は気持ちに寄り添ってくれる人。仲間は共にゴールを目指し、切磋琢磨しあえる人です。このいずれかの人にサポートしてもらうことで、モチベーションは持続しやすくなります。
無理なくモチベーションをあげる! やる気を保つ3つのコツ
高いゴールを目指す場合、「根性、我慢」だけでモチベーションは保てません。数カ月程度の短期的な課題に取り組む場合には有効ですが、年単位の長期的目標にトライする場合、必ずといっていいほど挫折してしまいます。ゴールへの道のりがつらすぎてしまうからです。そのため、「やらなければ!」「やるんだ!」と自分を鼓舞しても無意識に抵抗が生じ、目標への前進を拒みます。やりたいのに体が動かない、頭が動かない。気がつけば何も手をつけられずに期日を迎えてしまう。こうした場合は、無意識の抵抗によって行動が抑制されている可能性が高いです。
したがって、高いゴールを目指す場合には、下記3つのような工夫が必要です。
1. ゴール設定時には小目標を設け、小目標達成のリミットを設定する
2. 小目標へのステップを低くし(目の前の課題は少なめ、スケジュールを詰めすぎない等)、小目標達成への課題のクリアを数多く重ねていく(「スーパーマリオ」方式)
3. サポートしてくれる人を見つける(コーチ、パートナー、カウンセラー、仲間等)
モチベーションが途切れそうなときは別の工夫を試すチャンス!
モチベーションが途切れそうになるときは、誰にでも訪れます。その多くは「変化」を求めるサインなのです。今までのやり方にこだわらず別の方法を試す。休息の取り方を見直す。小目標やステップの設定をし直す。このような工夫を凝らすことで、ゆるんだ気持ちを締め直すことができます。繰り返しますが「根性、我慢」では高いゴールは達成できません。ぜひ、創造的な工夫を凝らしながら、ゴールに向けて前進していきましょう。