寄附金控除の仕組みのなかで新型コロナウイルスへの医療対策支援ができます。ひとつはふるさと納税の仕組みを活用したもの、もうひとつは中止したイベント等にかかるチケットの払い戻しを受けない、というものです。代表的なケースと節税の仕組みを整理してみました。
 

ふるさと納税の仕組みを活用した医療対策支援

ふるさと納税の仕組みを活用した医療対策支援として代表的なものはふるさと納税ポータルサイト さとふる が運営しているもので、4月24日に開設した「新型コロナウイルス医療対策支援寄付サイト」を通じた寄附で2021年3月31日まで受け付けることが発表されています。
 
ふるさと納税とは、住民税の納付先を任意に選べるのではなく、とある地方自治体に寄附をした場合、寄附金控除の仕組みを通じて、寄附年の所得税と寄附年の翌年の住民税が減額されるという仕組みとなっています。

このようなポータルサイトを利用した寄附の場合、地方自治体からポータルサイトの運営会社に決済手数料が支払われるのが通常なのですが、この仕組みを利用した場合は、寄附決済手数料が地方自治体から(株)さとふる側へ支払われることはなく、全額、地方自治体へ寄附されることになります。

一方、通常のふるさと納税の場合には、返礼品がありますが、この「新型コロナウイルス医療対策支援寄付サイト」を通じた寄附では返礼品は発生しません。
 

参加自治体と寄附金の使途は

一口に「医療対策支援」といっても、もっぱら、医療従事者や医療機関の活動支援など医療提供体制の整備を目的に活用されるのか、あるいは、検査体制の強化など感染拡大防止を目的とした事業に活用されるのか、中小・小規模事業者への支援など県経済の回復及び活性化を目的とした事業に活用されるのかは各地方自治体ごとによって異なりますので、それぞれに自治体に問い合わせるのがいいと考えます。
 
医療従事者や医療機関の活動支援など医療対策支援を目的として参加を表明しているのが
大阪府、愛知県、福岡県など7県、検査体制の強化など感染拡大防止や経済の回復など医療対策支援およびその他の支援を目的として参加を表明しているのが、神奈川県、埼玉県、京都府など7県1府となっています。

現状、最も多くの寄附が集まっているのが大阪府で2020年7月23日現在で、3億を超えています。

控除適用条件、上限額等はふるさと納税と同様なので、風水害や地震が発生したときにも緊急募金は行われますが、それの「新型コロナウイルス」版ととらえるといいのではないでしょうか。
 

イベントや講演が中止になった場合節税ができる?!

新型コロナウイルスの影響を受け、さまざまな文化芸術講演、あるいはスポーツイベントが中止になっています。

このような事態に対応するため、中止された文化芸術、スポーツイベントについてチケットの払い戻しを受けないことを選択した場合には、そのチケット代金を「寄附」をしたものとみなし、寄附金控除を受けられる制度が創設されたことが、文化庁とスポーツ庁から発表されています。
 
どのような仕組みで節税につながるのか流れをみていきましょう。
 
寄付金控除を受けるまでの具体的な流れ (出典:文化庁・スポーツ庁ホームページより)

寄附金控除を受けるまでの具体的な流れ (出典:文化庁・スポーツ庁ホームページより)


 
■STEP1:主催者などがイベントの指定を受けた旨を公表
・・・この制度は主催者がイベントの指定を受けることが前提となっています。文化庁、スポーツ庁ホームページでも申請中、指定済みのイベントリストを確認することができますが、逆にいえばすべてのイベントが対象となっているとは限りません。
 
■STEP2:主催者に払い戻しを受けない旨を連絡し、所定の証明書をもらう
・・・所定の証明書とは「指定行事証明書」と「払戻請求権放棄証明書」です。なお、その際、お手元のチケット(電子チケットやQRコードでもOK)が必要な場合もあることから、必ず保管することをパンフレットでも注意喚起されています。
 
■STEP3:確定申告で寄附金控除を受け、所得税と住民税の減額を行う
・・・「寄附金控除」は「医療費控除」や「雑損控除」と同様、年末調整では処理できません。したがって、必ず確定申告にて処理することとなります。またその際、「指定行事証明書」と「払戻請求権放棄証明書」が必要になるので、大切に保管しておいてください。
上限は年間合計20万円までとされています。
 

指定されたイベントはどこで確認できる??

「仮申請されたイベント及び主催者の一覧」および「文部科学大臣による指定を受けたイベント及び主催者等の一覧」は順次更新されています。最新のものは文化庁ホームページやスポーツ庁ホームページで公表されているので、そこで行事の名称や行事の主催者が確認できたら、上記STEP2にすすむこととなります。
 
なお、すでに払い戻しを受けていたとしても、その後、主催者に対して、その払戻分を寄附することを連絡し、その後、実際に寄附を行えば、対象となることも発表されていますし、
このチケット代金の負担した者が寄附金控除の対象者ですので、たとえば、親がチケット購入者の場合、親の確定申告に含めて節税を図ることができます。
 
対象となるイベントの開催期間は「令和2年2月1日から令和3年1月31日までに日本国内で開催予定だったもの」とされています。この期間に該当するイベントで上記ホームページに掲載されているものであれば、この税制度の優遇を受けることができるので、検討してみてはいかがでしょうか。
 
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