大人には理解不能?「うんち」に大ウケする子どもの気持ち

絵本を読む親子

「うんち」の絵本を読ませると子どもたちは大喜び。大人には理解しがたい幼子の心理とは?

2~4歳くらいの子どもたちの口からしょっちゅう飛び出す言葉に、「うんち」があります。「うんち」という言葉が出てくるお話に大喜びしたり、「ママってうんち~!」と意味の分からない冗談を言っては大笑いしたり、多くの幼子たちがこの単語に特別な反応をするようです。
 
実際に、うんちをテーマにした本は今も昔も大ヒットを続けています。たとえば、巻末にうんちのシールの付録が付いた『うんこダスマン』(ほるぷ出版)から、大御所作家である五味太郎さんの『みんなうんち』(福音館書店)。さらにはうんちをテーマに楽しく勉強できると近年ヒットしている『うんこドリル』(文響社)などなど、うんちが登場するたくさんのロングセラー、ベストセラーが子どもたちに親しまれています。
 
しかし、「そもそもなぜ、子どもはこんなにもうんちが好きなの?」と首をひねっている大人も多いことでしょう。

「大声で“うんち”を連発して、お行儀が悪い!」
「何度注意してもやめてくれない。何が面白いんだろう?」
「うんちの本ばかり並んで、おしゃれなリビングが台無し」
 
そんな風に苦々しく思っている大人も多いのではないでしょうか? 大人には共感しがたい、子どもの「うんち」への過剰なまでの関心とその理由について、心理学的な視点から解説したいと思います。
 

排泄コントロールと共に進む、子どもの「うんち」への関心

ピーマンにかぶりつく男の子

子どもの目線に立つと、食べたものがうんちなって出てくるなんて、ほんとうに不思議!

多くの子どもには、「うんち」という言葉を、過剰なまでに連呼する時期があるものです。おおよそ2~4歳くらいの幼児がこれほど「うんち」にこだわるのは、自分が生み出した排泄物に特別な愛着を感じているからだと考えられています。「うんちに愛着」というのも大人にはなかなか理解しがたいかもしれませんので、少し詳しく解説しましょう。

まず、子どもは2歳くらいになると肛門括約筋が発達し、自分の意思で徐々に排泄をコントロールできるようになります。すると、徐々にトイレトレーニングへと導けるようになります。
 
こうして排泄コントロールが進むと共に、子どもは排泄という生理機能、うんちという排泄物に対して、特別な感情を覚えるようになります。自分の体の中から生み出される、柔らかくてねっとりした物体。出そうだけどなかなか出なくて、出すとすっきりする快感。自分の体から出たものだからこそ感じる、独特のいいにおい。食べたものがこんな物体になるなんて……とっても不思議!
 
このようにして、子どもたちは自分が頑張って生み出したうんちを見てワクワクし、愛着を寄せるようになるようです。
 

「肛門期」という心の成長期に挑戦するトイレトレーニング

原っぱで遊ぶ子どもたち

トイレでの排泄を通じて子どもは自信をつけていく。そのプロセスを温かくサポートしていこう


幼子がトイレトレーニングに取り組む2~4歳頃の年齢は、精神分析では「肛門期」と呼ばれています。
 
肛門期の子どもたちは、「排泄はトイレでする」という一定のルールに従って生理機能をセルフコントロールできるようになると、自律性と自信が身につくようになります。同時に、「ためたものを出す」という排泄の快感も大いに味わうことができます。一方で、排泄が失敗することへの不安、失敗して感じる恥ずかしさも知るようになります。
 
したがって、この肛門期にトイレトレーニングを厳しくしすぎると、子どもは自信をなくしたり、失敗を恐れて挑戦できなくなったり、素直な気持ちを出せずに意固地になってしまうことがあります。「どうしてもらすの? ダメね」と叱ったり、「どうせ失敗するから、まだおむつの中にしていなさい」などと挑戦の機会を奪ったりしてはいけない、と言われているのもこのためです。
 
幼児のトイレ動作はうまくいかないこと、失敗することの連続です。おしっこはトイレでするのに、うんちをおむつの中ですることにこだわる子もたくさんいます。しかし、こうした日々を繰り返すうちに、いずれはどの子もトイレで排泄ができるようになるので、焦らないことが大切です。
 
うまくいったら「うんち出たね! よかったね!」と一緒に喜び、うまくいかなかったときには「大丈夫。次はうまくいくよ」と安心させてあげるとよいでしょう。
 

子どもの「うんちへの思い」にポジティブに共感しよう!

抱き合う親子

うんちにこだわる子どもの気持ちにポジティブに共感して、心の成長をうながしていこう


このように、この時期の子どもはうんちに対して特別な愛着を抱いているため、言葉だけでなく本当のうんちにも、「汚い」「くさい」「早く流しなさい」とネガティブに反応しないことが、とても大切です。
 
たとえば「うんち出たね。いいうんちだね」と、子どもが出した“すてきなうんち”を一緒に喜んでみましょう。そして「うんちが出たら手をピカピカにしよう」と手洗いに誘って、他の遊びに意識を向けさせてあげるとよいでしょう。こうして子どもが遊びに夢中になってから、そっとトイレの水を流すのがお勧めです。
 
ぜひ、この時期の子どもたちのうんちに対する愛着の気持ちに寄り添い、ポジティブに共感してみてください。もう少し成長すれば、トイレも上手にできるようになります。うんちが登場する絵本や、うんちという言葉を交えた冗談で大笑いするのも、この時期特有の傾向です。うんちへのこだわりからは年齢とともに自然に卒業していくので、成長の一過程だと受け止めましょう。
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