会社へのマイナンバー提出は「利用目的」を確認してから

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マイナンバーの提出
 


2016年から始まったマイナンバー(個人番号)制度では「社会保障、税、災害対策」の3分野に限って、国がマイナンバーを利用することができます。このうち社会保障と税について、会社は従業員の届出など以下の事務を行っています。
 
  • 税:所得税、住民税に関する事務
  • 社会保障:労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険、国民年金第三号に関する事務

例えば、会社は所得税と住民税を給与から天引きしていますし、毎年12月には年末調整を行って、従業員一人一人の年間の所得税を確定・清算してくれています。

また、労災保険料は会社が全額を支払っているため給与明細には見えませんが、雇用保険料、健康保険料(介護保険料含む)、厚生年金保険料は、税金同様に毎月の給与から天引きし、会社がまとめて役所へ納付しています。その他、社会保障としての失業保険や出産手当金、老齢年金などの事務を、会社が従業員に代わってしてくれることもあります。

会社は、これらの事務を行うときに限って、従業員からマイナンバーを受け取ることができます。また、マイナンバーの提出を依頼するときには、会社は「利用目的」を示さなければなりません。示された利用目的に、これらの事務と異なる内容があれば、その部分については拒否することができます。
 

会社へのマイナンバー提出は拒否できない

会社は、従業員の給与から税や保険料の天引きを行い、従業員に代わって保険給付などの届出を行っています。マイナンバー制度がスタートしたことにより、それぞれの届出様式にはマイナンバーを記載することとなりました。つまり、家族を扶養に入れるなどの手続きを会社にしてもらうためには、マイナンバーを会社へ提出し、届出様式に記載してもらわなければ手続きができないことになります。

マイナンバーを会社へ提出することは、手続きに関する法律で決められた義務であり、従業員は拒否することはできません。しかし、日本年金機構などの情報流出事件が相次いでいることもあって、「国のセキュリティーを信用できない」「個人情報が漏れてしまうかも…」という不安を持つ人は少なくありません。
 

職場へのマイナンバー提出を拒否したい場合

会社は「提出を依頼したが拒否された」という記録を残しておく必要があるため、どうしても提出したくないときは、文書で伝えましょう。会社によっては、提出拒否の文書を用意していることがあります。その文書に理由を書き、署名をして提出すればOKです。提出拒否の理由としては、「面倒だから」「マイナンバー通知をなくしてしまったから」では認められないでしょう。

なお、「マイナンバー欄の空白」を理由に役所が書類を受理しないことはありませんが、確認のための問合せが入ったりすることで手続きが遅れる可能性はあります。また、どんな理由であれ、就業規則で提出書類と定められているマイナンバーを提出しないことは、「会社のルールを守らない人」との印象を与えてしまうデメリットも考えましょう。
 

会社へのマイナンバー提出方法とは

会社へのマイナンバー提出は拒否できるのか

マイナンバーだけではダメ?


税や社会保障の届出に間違ったマイナンバーを記載してしまうと、マイナンバー制度の目的が達成できなくなってしまいます。そのため、会社が従業員からマイナンバーを回収するときには、公的な書類を使って以下を確認することとされています。
 
  • 番号確認:通知カードまたは住民票(マイナンバー記載あり)
  • 身元確認:運転免許証、パスポートなどの写真付きの身分証

会社によってマイナンバーの回収方法は様々であり、一般的に以下の方法が多いようです。マイナンバーの提出を言われたときには、提出方法を会社に確認しましょう。
 
  • 会社へ本人が確認書類のコピーを持参して手渡し
  • 封筒に確認書類のコピーを入れて郵送
  • 確認書類をスマホで写真に撮って送信

「なりすまし」など不正にマイナンバーが利用されることで、従業員が何らかの被害にあったり、税金の減額や社会保障の給付を受けるときに不利益が生じたりする可能性があります。マイナンバーを提出するときは、会社から指示された身分証明書等を合わせて提出しましょう。

なお、家族を扶養に入れる場合でも、従業員本人が家族分の「番号確認」「身分確認」を行えば、家族分の身分証明書を会社に提出する必要はありませんが、扶養に入れる家族のマイナンバーは会社に伝えなければ手続きができません。
 

週2~3日の短期アルバイトでもマイナンバーの提出義務あり

雇用保険に加入しない程度の短期アルバイトだったら、マイナンバーを提出しなくてもいいのでは?と考えてしまいますが、マイナンバーの利用範囲には「税」があり、会社が給与を支払うときには、所得税を天引きしなければならないルールです。

短期アルバイトでも、給与の金額が一定以上(一般的に、月額88,000円超)になったときは、所得税が天引きされます。会社が天引きした所得税を本人に代わって税務署へ納付してくれるため、マイナンバーを提出しなければならないのです。

また、労災保険は働く人すべてが対象になります。働いているときに万一の事故があれば、マイナンバーを提出して補償を受けることになります。
 

マイナンバーを会社に提出すると副業がばれてしまう?

会社は、従業員から提出されたマイナンバーを各種手続きの様式に記載して、役所へ提出します。従業員が退職するときであれば、雇用保険の離職票にマイナンバーを記載してハローワークへ、源泉徴収票にマイナンバーを記載して税務署へ提出します。

ハローワークや税務署では、それぞれの役所内でのみマイナンバーを管理する「分散管理」を行っています。マイナンバー制度を導入している他の国では、全国民のマイナンバーを「一元管理」するところもありますが、日本では、情報漏洩の危険性を考えて「分散管理」としているようです。

そのため、市区町村が住民税の手続きのためにある人の給与額を知りたいと思っても、税務署が持っている源泉徴収票の給与額を知るためには、個別に問合せをしなければなりません。問合せをしたとしても、役所間でやり取りができる情報は法律で決められていて、簡単に開示されるワケではないようです。つまり、会社がマイナンバーを記載して手続きを行うことで、国が一人一人の国民の所得を確認することはできたとしても、会社がその情報を得ることはできないのです。

なお、住民税の金額には、前年の収入すべてが反映される仕組みとなっています。副業先からの給与も合わせた金額に税率がかかるため、会社の担当者が見れば「あれ?うちの給与額だけにしては住民税額が高いな?」と気づくかもしれません。これは、マイナンバー提出の有無に関係ありませんので、ご注意ください。
 

マイナンバー制度でどんなメリットがあるの?

制度スタートの平成28年には、全国民宛に一斉に通知カードが送られてきました。以降は、子供が生まれて届出たときや外国人が日本に住民登録をしたときなどタイミングで、通知カードが郵送されてきます。

通知カードと一緒に顔写真を持参して、市区町村の窓口で手続きをすれば、「マイナンバー(個人番号)カード」を発行してもらうことができます。ICチップが内蔵されていて、公的な身分証明書として利用することができるうえ、今後は、ICチップを活用して税金の電子申請などの電子証明書としても利用できるようになります。

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