走ると膝が痛い原因は「筋力とランニング強度の差」?
太ももの前側を伸ばすストレッチは膝への負担を軽減する
運動不足を認識している人は特に下半身の筋力がランニング強度に耐えられなくなったとき、筋肉内に疲労が蓄積し、柔軟性が低下することが原因で、体重のかかる膝や足首などに違和感や痛みを覚えるようになります。こうしたことを予防するためには、ランニングと並行して下半身の筋力を鍛えるスクワットなどのトレーニングや、下半身の柔軟性を高めるストレッチを行うようにしましょう。詳しくは「基礎代謝もアップする!正しいスクワットの方法」をご覧ください。
<目次>
ランニングフォームをきれいにする改善ポイント・チェック法
着地足のポジションが変わるだけでも膝にかかる負担がかわる。ランニングフォームの再確認を。
■膝の前側・内側を痛めやすいランニングフォームと直し方
膝痛にはさまざまな症状がありますが、ランニングをしていると「膝蓋靱帯炎(しつがいじんたいえん)」という膝のお皿である膝蓋骨の下部が痛くなるものや、「鵞足炎(がそくえん)」という膝の内側が痛くなるものなどがみられます。こうしたところが痛くなる原因の一つとして、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を中心とした、太ももの前側の筋肉に大きな負荷がかかるフォームで走っていることが挙げられます。
着地の際に着地する足が体から離れて前方についてしまうことで踵着地になり、上半身が着地足に乗るまでに太ももの前側の筋肉はブレーキがかかるため、大きな負担がかかってしまい、膝痛を誘発しやすくなります。踵着地にならないよう、着地足は体の真下になるように足裏全体で地面をとらえるようにしましょう。また骨盤が進行方向に対して正対せず、体を横降りしながら走るフォームも膝周辺部の筋肉をねじれストレスをかけ、膝を痛めやすくなります。
■膝の外側を痛めやすいランニングフォームと直し方
ランニングでは膝の外側を痛める人も多くみかけます。「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」と呼ばれる膝の外側の痛みは、通称「ランナーズ膝」ともよばれ、ランニングフォームや過度な練習などによる疲労などが原因と言われています。腸脛靭帯炎は足のスイング動作を行う時に腸脛靱帯が前後に移動し、骨との摩擦によって痛みを生じるのですが、強く地面を蹴ろうとすればするほどスイング動作が大きくなり、より大きな負担がかかります。またシューズの裏側を確認し、外側が大きくすり減っている場合も、着地時に体重が拇指球ではなく小指側にかかっているため、膝蓋骨が外側に流されて腸脛靱帯との摩擦を生じるようになります。
強く地面を蹴るのではなく、着地した足が後方に流れないように足の回転数をあげるイメージで走るようにすると、足は自然と前方に移動します。また外側荷重を見直し、足裏全体で地面をとらえることも心がけましょう。
膝が痛くならないランニングシューズの選び方
ランニングに適したシューズであるかどうか、走る前に確認しよう
新しい靴を選ぶ際は踵の位置をまずあわせて試着し、シューズ紐を内側にひねるようにして合わせていきましょう。関連記事として、「お父さん・お母さん必見!子供の運動会で活躍する方法」内の、「シューズの選び方・履き方」もぜひあわせてご覧ください。靴の中で足が遊ばないようにしっかりと踵にホールド感をもたせるようにします。つま先があたってしまうほど窮屈なものは避け、親指で押して少し余裕のあるものがよいとされています。新しい靴で走るときはランニング量を控えめにしながら少しずつ距離や強度をあげていくようにすると、靴擦れなどのトラブル予防にもなります。
膝に負担が高いアスファルト舗装の地面はなるべく避ける
硬い地面を長時間・長距離走ることで膝への負担は大きくなる
膝痛に関するさまざまな要因を挙げましたが、こうしたものを見直しても痛みが改善しない、どんどん痛みが強くなる場合はなるべく早めに整形外科を受診するようにしましょう。こうしたことだけではない別の要因で痛くなっている場合もあり、適切な治療が必要になることも多いからです。
ランニングをすると膝痛はある程度仕方がないと考える人にとっては、筋力やランニングフォーム、シューズ、地面などの問題をまず見直してみることから始めてみましょう。
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