2017年の観劇、皆さんはどんな作品で締めくくりますか? 見応えある作品が続々登場するこの季節、パーティーシーズンでもあり、作品内容を意識した装いで出かけてみるのもおすすめですよ!

【11~12月の注目!ミュージカル】
【注目のミュージカル・映画館上映】
【特別記事】 【AllAboutミュージカルで別途、特集(予定)のミュージカル】
  • 『アダムス・ファミリー』10月28日開幕 出演・昆夏美さんインタビュー観劇レポートを掲載!
  • 『屋根の上のヴァイオリン弾き』12月開幕 出演・神田沙也加さんインタビューを掲載!
  • 『ファン・ホーム』2月開幕 出演・瀬奈じゅんさん、大原櫻子さんインタビューを掲載予定
  • 『メリー・ポピンズ』3月開幕 出演・大貫勇輔さん、山路和弘さんインタビューを掲載予定

きらめく星座

2017年11月5~23日=紀伊國屋サザンシアター、11月30日=えずこホール・大ホール

【見どころ】
『きらめく星座』

『きらめく星座』

太平洋戦争前夜、浅草のレコード店を舞台に、店主の一家と居候たちが繰り広げる悲喜劇。戦前の流行歌をふんだんに盛り込んだ、井上ひさしさんの代表的な音楽劇が3年ぶりに上演されます。『デスノート』の栗山民也さん演出のもと、前回公演で一家の妻・ふじ役が絶賛された秋山菜津子さんほか、木場勝己さん、山西惇さんら、多くのキャストが続投。

“自由”が奪われ、戦争の足音が近づく時代の重苦しい空気のなか、「青空」「一杯のコーヒーから」等、昭和の流行歌が“名もなき人々”の日常を時にユーモラス、時にしっとりと彩ります。前回は怪我のため途中降板を余儀なくされた田代万里生さんの“再挑戦”も見逃せません。

【正一(一家の長男で逃亡兵)役・田代万里生さんインタビュー】
田代万里生undefined84年長崎県出身。3歳からピアノ、15歳から声楽を学ぶ。東京藝大で声楽を専攻、在学中にオペラデビュー。09年に『マルグリット』アルマン役でミュージカル・デビュー。以来『ブラッド・ブラザーズ』『スクルージ』『ラブ・ネバー・ダイ』『エリザベート』『CHESS THE MUSICAL』など様々な舞台で活躍している。(C)Marino Matsushima

田代万里生 84年長崎県出身。3歳からピアノ、15歳から声楽を学ぶ。東京藝大で声楽を専攻、在学中にオペラデビュー。09年に『マルグリット』アルマン役でミュージカル・デビュー。以来『ブラッド・ブラザーズ』『スクルージ』『ラブ・ネバー・ダイ』『エリザベート』『CHESS THE MUSICAL』など様々な舞台で活躍している。(C)Marino Matsushima

――ミュージカルで活躍されている方たちにはこまつ座に出演される方が少なくありませんが、仲間うちで“こまつ座、イイね”といったお話をされていたりするのでしょうか?

「僕の場合、かつては表現としてつい音楽に逃げちゃう部分が自分の中にありまして、今回ご一緒している木場勝己さんと『ボニー&クライド』でご一緒させていただいた時、(演技に)一味違うものがあるとひしひし感じ、あんなふうにお芝居が出来たら楽しいだろうなぁと思っていました。また井上芳雄さんはじめ、こまつ座さんを経験した役者さんと(ミュージカルで)ご一緒すると、何かが違うと感じていたんです。

音楽がありつつも、より芝居が求められる要素が大きいこまつ座さんにはぜひ出させていただきたいと思っていたら、ぴったりの役がありますとお話をいただいたのが、3年前の『きらめく星座』でした」

――いざ取り組まれてみて、いかがでしたか?

「静かだなあ、というのが稽古場の第一印象でした(笑)。ミュージカルだと稽古が始まる前もピアノの音色や歌声が響いていたり、カウントをとってダンスしている人がいたりしますが、『きらめく星座』の稽古場では皆さん淡々と準備されている。そして、お稽古が始まるとスイッチが入ったかのように皆さん集中されます。稽古が始まってからは、それまで経験したことがない台詞量で、無我夢中でしたが、他の出演作とはけた違いに違う感触がありました。

ミュージカルって夢を見させてくれる作品が多いけれど、『きらめく星座』は何か、お客さんが考える余白を残す作品。カーテンコールまでたどり着いたときに湧き上がった自分自身の感情と、ミュージカルの派手なカーテンコールとは違う、無音からおこる重みのある拍手が新感覚でした」

――歌がたくさん出て来る演目ですが、ミュージカルではなく“音楽劇”ということで、稽古場の雰囲気もずいぶん違ったのですね。
『きらめく星座』写真提供:こまつ座

『きらめく星座』写真提供:こまつ座

「ミュージカルだと、気がついたら台詞が音楽に乗って歌になっていたというのが理想ですが、『きらめく星座』だと既存の曲があって、あの曲を歌おうよと言う感じで歌になっていくんです。もちろん歌稽古もありますが、歌を純粋に音楽稽古するというより、演じる役の人物が歌うとどういう歌になるか、がポイントになってきます」

――田代さんが演じる正一はレコード店一家の長男で、音楽学校を中退して志願兵になったものの、演習中に脱走し憲兵から追われているという設定ですが、この人物が歌うとどういう歌唱になってくるのでしょうか?

「それが、3年前と今回ではちょっと変わりまして、前回はクラシックの発声ではなく、音楽の大好きな普通の青年が歌っているようにという演出だったので、キーも敢えて低めにして、鼻歌のような感じで歌っていました。それが今回は数日前に、“そこは(ホセ・)カレーラス風にテノールで”と言われまして、キーを3度上げて練習してみたら、“それがいい”と言ってくださったんです。西洋音楽を勉強をしていた正一の、他の人とは違う音楽ルーツを際立たせるということなのだろう、と解釈しています。

このことで(自分の演じ方について)見えて来た部分もあります。彼が音楽学校で何を専攻していたかは台本には書かれていませんが、中途退学してまで剣道や柔道に励み、体を鍛えて兵隊になろうとしていて、いかに時代に翻弄されていたかが伝わってきます。」

――音楽は本質的に博愛的なものだと思いますが、その音楽を愛した正一が軍国主義にというのは、やはり時代の影響でしょうか?
『きらめく星座』稽古よりundefined写真提供:こまつ座

『きらめく星座』稽古より 写真提供:こまつ座

「当時ならではの心情でしょうね。僕自身祖母から、当時はピアノを弾くだけで非国民と言われたと聞いたことがあります。祖母の家でピアノを練習していたら、“万里生はいいね、思い切りピアノを弾けて。あの頃はピアノを弾くと家のガラスを割られてしまったんだよ”と言われました。大昔のことではないんだな、とリアルに感じますね」

――太平洋戦争直前、時代がどんどん息苦しい方向に進んでいったことが、本作では音楽の規制を通して描かれていきます。

「僕は“こういう音楽は聴いてはいけない”と禁じられた経験がないので、全く想像もつかない世界です。でも、本作の登場人物たちは憲兵がやってきても歌ったりしていて、作者の井上ひさしさんは当時の人々が、決してその状況に納得していたんじゃないんだよと伝えたかったのかなと感じますね」

――逃亡中にちょこちょこ実家に立ち寄っては、場をかき混ぜたり和ませたりしてゆく正一。なかでも家に人が入ってくる度、電蓄(電気蓄音機)の中に隠れてレコードになりきって歌うシーンは、楽しい見せ場になりそうですね。

「3年前はかなり“レコードなりきり”でしたが、今回は明らかに、正一が悪戯をしている風に演じています。前回は、ガラガラっと扉の音がすると、すぐ電蓄の中に逃げ込んで歌い、歌をやめる時にはレコードの針があがる感じを出していましたが、今回は、例えば義母のふじさんが目の前を通り過ぎてから、にやっとしながら電蓄に入って、“僕だよお母さん、帰ってきたよ、わかる?”と茶目っ気たっぷりに歌っています。家族の繋がりがより強く感じられるかもしれません」

――本作に登場する流行歌は、藤山一郎さんや淡谷のり子さんら、音楽学校、今の音楽大学出身の方が歌っているものが多いですね。

「そうですね、今、流行っているJ-POPはビートの音楽が主流ですが、昔の流行歌はリズムが揺れているものが多いので、クラシカルな歌い方の方が合うと思います。今回登場する中でも好きなのは、(内容的には)もちろん(クライマックスで登場する)「青空」ですが、ほっこりするのは「一杯のコーヒーから」ですね。僕が歌う歌ではないのですが、メロディにしても歌詞にしてもいいなあと思います。いずれも、古い名曲を歌うのではなく、当時の最新の曲を歌っている感じを大事にしたいと思っています」

――現代の観客に、これらの曲の楽しみ方をアドバイスいただくとしたら?

「古き日本の歌、と思いきや実は1920年代などのアメリカのポピュラーソングなものも多く、さらに当時ならではの日本語歌詞が面白いです。「一杯のコーヒーから」なんて、コーヒーの香りについて(こだわって)言及していたり、角砂糖二ついれましょうかという歌詞などは、配給品である角砂糖を二つも入れるという表現が当時どういう意味をなすのかなど、現代では想像がつかない歌詞がたくさん出てきます。そういう歴史的背景を意識して聴くと、より深く味わえると思います」

――正一が歌う『きらめく星座』も、男性の視点の歌ですが恋愛とはまた違ったロマンがあって、何を指しているのか、興味深いです。

「いくつかの歌詞を当時の隠語と考えてみると、実はいくらでも深読みできる歌かも知れないですよね」

――前回は開幕から8日目で骨折のため無念の降板でした。
『きらめく星座』稽古よりundefined写真提供:こまつ座

『きらめく星座』稽古より 写真提供:こまつ座

「一公演、一公演燃え尽きていたので、そういう意味で毎公演ごとに正一の人生を全うしていたと思いますが、役者としては最後まで務めるのが義務ですので、本当に申し訳なかったです。今回またお声をかけていただいて、二度とそういうことのないよう、“大丈夫かな”ではなく“絶対に大丈夫”という準備を踏まえて臨んでいます。

メンバーが前回とほぼ同じということもあって、みなさん前回の経験プラス、新たに準備したり、感じたこと、栗山さんからのリクエストもたくさん加わって、芝居はすごくパワーアップしています。

ミュージカルの稽古だと普通、通し稽古をやった後に3,4時間、振りや歌の稽古をやったりしますが、この作品は短時間集中型で、今日も一幕を通したら、ダメ出しをして終わりなんです。栗山さんが感じたもの、ヒントを置いていかれて“じゃあ”とお帰りになってしまう。こちらは次の稽古まで“あれはどういう意味なんだろう”と考えるという感じで、うっかり失敗するともう次回の通しまでやるチャンスがないので、毎日本番のよう。夕方には終わるのに、みんなへとへとになっています(笑)」

――正一役に一番大切なものは何だと思っていらっしゃいますか?

「20数年前に正一を演じていらっしゃった木場さんが、この前、僕があるシーンで悩んでいるのを見て、正一は外の世界を見てきているから、(大きく分けて)5つの出番の度に顔つきが違う、いろんなことを学んで、大人になって思想が変わっていく過程や成長が、もっと見えるといいよとおっしゃってくださったんです。正一はこういう人、と決めてしまうのではなく、成長していきながらも一場面ごとになにか印象の違う正一が見せられたらと思いますね」

――基本的にはフットワークの軽い青年が、だんだん重いものを背負わされて行くようなイメージでしょうか?

「そうかもしれないですね。すばしっこい、忍者みたいなところがありますけど、前半では何かと隙間を見つけて乗り越えていくのが、どんどんできなくなって身動きがとれなくなる、それは視覚的にも内面的にもそうかもしれないですね」

――この作品を今、上演する意義を含めて、今回の『きらめく星座』がどんな舞台になったらいいと思いますか?

「栗山さんがこの前、みさを(正一の妹)の台詞で、“世の中に腹を立てちゃいけない”というのがあるけど、実は井上さんはこの台詞は(逆説的で)、世の中に腹を立てなくちゃいけないと意図したのだと思う、とおっしゃっていました。時代や周囲に流されず、自分で考えて選択してゆくことも大事だと言っている作品なのだと思います。

また、今の時代って何でも揃っているけれど、選択肢のなかった昔は、家族に対してもモノに対しても、現代とは比べ物にならないほど人の思いが強かった。それを知っておかないと、僕らの感覚はどんどんマヒしていってしまいます。一杯のコーヒーが年に一度飲めるかどうかという感覚を大切にしたいし、平和な時代を大切にしてもらえる作品になったらと思いますね。

もう一つ、栗山さんが“希望も食べ物もない時代に人が最も求めるのは、芸術だ”とおっしゃっていて、確かに震災後に「花は咲く」を合唱することで元気が出たという方もいらっしゃいました。正一の“歌は活力の源です”という台詞も、本当に心をこめて発したいなと思っています」

*『きらめく星座』以外の最近、今後の出演作についての田代さんへのインタビューはこちら

【観劇レポート
ホームドラマの形を借り、“歌”をテーマに
人間の自由と尊厳を問う音楽劇】

『きらめく星座』撮影:夛留見彩

『きらめく星座』撮影:夛留見彩

昭和15年、秋の深まる頃。浅草田島町のレコード店、オデオン堂には店主の信吉・ふじ夫妻とその娘、二人の居候が住んでいる。長男の正一は自ら志願して入隊していたがなぜか逃亡、今は憲兵に追われる身。政府は“浅草にはレコード店がありすぎる”との理由で、オデオン堂を“整理”しようとしている。長女のみさをが傷痍軍人の源次郎と結婚、一家は何とか面目を保つが、世間の空気は次第にオデオン堂を、そして“好きな音楽を好きな時に口ずさむ”自由を脅かしてゆく……。

ひたひたと戦争が近づく気配を感じながらも、つとめて“普通に”、明るく生きる人々の姿を描く『きらめく星座』。太陽のようなふじ(秋山菜津子さん)と柔和な信吉(久保酎吉さん)、物静かだが、人命が疎かにされそうになると懸命に言葉を紡ぎ、助けようとする広告文案家の居候・竹田(木場勝己さん)、時に滑稽に見えるほど生真面目な源次郎(山西惇さん)ら、それぞれに愛すべき人々が日々を過ごすなか、度々ふらりと現れては物語を展開させるのが、正一というキャラクターです。
『きらめく星座』撮影:夛留見彩

『きらめく星座』撮影:夛留見彩

演じる田代万里生さんは、清潔・無垢な持ち味に(以前『マルグリット』で見せた)野性的なバイタリティを掛け合わせ、魅力溢れる青年を体現。流行歌の歌唱は思い切り鼻歌風に崩したり、音楽学校で学んだ正一らしい美声を響かせたりと自由自在で、その実に幸せそうな表情が、人間にとって歌うという行為が本能的な欲求であり、それが何者にも制限されるはずでないものであることを印象付けます。
『きらめく星座』撮影:夛留見彩

『きらめく星座』撮影:夛留見彩

小さな危機をその都度乗り越えてゆく一家も時代の波には抗えず、思いがけない結末を迎えることに。ただ善良に生きようとしているにも関わらず降りかかる不条理を、彼らは穏やかに受け入れ、“どうなるかわからない明日”へと向かってゆきます。その姿は一見もどかしくもありますが、終盤、出征の決まった若者たちのため、ふじが「青空」を歌い始めると、場内に響くのは、2幕冒頭で流れていたレコードの市川春代の甘い歌声とは似ても似つかぬ、厳しく、切々たる歌声。観客はその時代、人々が秘めざるをえなかった“怒り”に気づかされつつ、行き先の見えない不透明感という意味での当時と”今“との相似性に、何か空恐ろしいものを感じずにはいられないことでしょう。

笑いを交えたわかりやすいホームドラマ形式で、“歌”をテーマに人間の自由と尊厳を問う音楽劇。胸にとどめておきたい歌声、台詞のちりばめられた舞台です。

デパート

2017年11月1~7日=三越劇場

【見どころ】

『デパート』

『デパート』

とある老舗デパートのバックステージ・ストーリーを、本物の老舗百貨店である日本橋三越内の劇場で上演するという、“ありそうでなかった”ミュージカルが誕生しました。『ミス・サイゴン』等で活躍する俳優・原田優一さんが演出を勤め、登米裕一さん(『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』)が脚本、伊藤靖浩さん(『Color of Life』)が作曲を担当。ベテランの浜畑賢吉さんに実力派のシルビア・グラブさん、宝塚出身の愛加あゆさん、若手ホープの太田基裕さんら、多彩なキャストも魅力です。

わがままな常連客に、成長しない若手社員、人の話を聞かない上司……。どこの世界にもある(かもしれない)トラブルに登場人物たちがどう立ち向かうか、興味津々のミュージカルです。

【観劇レポート】
『デパート!』撮影:石塚康之undefined(C)ショウビズ

『デパート!』撮影:石塚康之 (C)ショウビズ

開店前の慌ただしさを象徴するようなメトロノーム的機械音のなかキャストが登場、“ここには出会いがある”とデパートの魅力を歌うナンバー「ようこそスクエアデパートへ」で舞台は開幕。

『デパート!』撮影:石塚康之undefined(C)ショウビズ

『デパート!』撮影:石塚康之 (C)ショウビズ

装置を最小限に絞り、観客のイマジネーションにディテールを委ねたステージ上では、目の前のことにはよく気が付くのに商才に乏しい社長の息子を起点に、うまくいっていない上司と部下、役者の夢を追い仕事には身が入らないバイト警備員、数十年来のお得意様である老夫婦ら、立場を異にする人々が関わり合い、それぞれのドラマを紡いで行きます。

『デパート!』撮影:石塚康之undefined(C)ショウビズ

『デパート!』撮影:石塚康之 (C)ショウビズ

いわゆる『グランド・ホテル』形式の群像劇にふんだんに“笑い”をまぶした舞台は、1幕はおおむねコミカルに進行しますが、二幕ではぐっとシリアス要素が前面に。

『デパート!』撮影:石塚康之undefined(C)ショウビズ

『デパート!』撮影:石塚康之 (C)ショウビズ

一人一人の“味”を引き出し、全員に見せ場を設けた原田優一さんの愛ある、そしてサービス精神たっぷりの演出のもと、キャストも生き生きと演じていますが、中でも老夫婦役・浜畑賢吉さん、出雲愛さんの気品としみじみとした人間味に溢れたデート・シーン、また親に遠く及ばない自分の技量に絶望する心中を歌う若い職人役・橋本真一さん(染谷洸太さんとwキャスト)のくだりが特筆に値します。

『デパート!』撮影:石塚康之undefined(C)ショウビズ

『デパート!』撮影:石塚康之 (C)ショウビズ

またソロ・ナンバーで登場するなり、その溌溂として美しい所作と歌、茶目っ気で観客を魅了するエレベーターガール役・愛加あゆさんも好演。伊藤靖浩さんの躍動感溢れる音楽もフレッシュです。

『デパート!』撮影:石塚康之undefined(C)ショウビズ

『デパート!』撮影:石塚康之 (C)ショウビズ

新作ということで、観ていて“別の方法もあったのでは”と感じられる部分が無いわけではありませんが(例えば従業員の客に対するスタンス等、極めて日本的な内容に見えるが登場人物の名前はほぼ全員が外国人、つまりこのデパートは日本ではないどこかにあるという設定など)、オリジナル・ミュージカルを成功させようというスタッフ・キャストの気迫は、ほどよい大きさの三越劇場を包み込んで余りあります。

三越本店がそのままモデルという作品ではないものの、鑑賞後通り抜ける三越の売り場のあちこちが、それまでとはどこか違って見える、特別な観劇体験となることでしょう。


*次頁で『ロッキー・ホラー・ショー』以降の作品をご紹介します!