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Wi-Fi(無線LAN)の速度測定する方法とおすすめサービス

Wi-Fiを利用するにあたり、「無線LANルータをどこに置けば最速になるのか?」といった疑問がでてくる。それを解決するのがWi-Fiの速度測定だ。今回は、Wi-Fiの速度を測定するアプリやPCを使った方法について述べよう。

岡田 庄司

執筆者:岡田 庄司

LAN・無線LANガイド

無線LAN・Wi-Fiの速度測定する方法

無線LAN・Wi-Fiの速度測定する方法

Wi-Fiを利用するにあたっては「無線LANルータをどこに置けば最速になるのか?」「離れたところでどの程度速度がでるのだろうか?」「11nと11acでは、現在の環境でどちらが速いのか?」などの疑問がつきもの。

それを解決するのがWi-Fiの速度測定だ。具体的な数字で表示されるので非常に参考になる。今回の記事では、Wi-Fiの速度を測定する方法について述べよう。
   

速度測定方法1:速度測定アプリや測定サイトを利用する

Phoneの「SPEED  TEST」アプリ

iPhoneの「SPEED  TEST」アプリ

手軽にWi-Fiの速度を測定したいのであれば、インターネット上の速度測定サイトやアプリを利用すればよい。検索サイトやApp Store/Google Playで「インターネット速度測定」とキーワードを指定し検索すれば、さまざまなコンテンツがヒットする。

ただし、検索サイトにアプリはどちらも手軽な反面、以下のような欠点もある。
  • 測定値は、インターネットの速度に左右されるので、時間帯や測定サイトによってかなり値が異なる
  • 同じ環境で測定しても測定タイミングによって値の変動幅がある
とは言っても、何も準備することなく測定できるので、アバウトではあるが、気軽に利用できるという点は、大きなメリットと言えよう。

問題は、どの速度測定サイトやアプリを使うかだ。判断の基準としては、一番速度が出るサイトやアプリを利用したい。これは、それだけインターネット自体の速度の影響を受けにくくなるからだ。また、速度が速いということは、利用者が少ないということになり、連続して測定しても変動幅が少なくなる。

ガイドがよく利用するサイトやアプリは以下の通りだが、必ずしも常に最良とはいえない。その時々で一番速度の出るサイトやアプリを利用しよう。
 
Fast.comサイト

Fast.comサイト

■ガイドおすすめの測定サイト
Fast.com
Radish Network Speed Testing
Speedtest.net
速度.jp
 
ドコモスピードテスト

ドコモスピードテスト

■ガイドおすすめの測定アプリ
・Speedtest.net Speed Test(iOS版Android版
・Speedchecker インターネットの速度テスト(iOS版Android版
・RBB SPEED TEST(iOS版Android版
・ドコモスピードテスト(iOS版Android版
・Speedcheck - スピードテスト(iOS版Android版
 

速度測定方法2:「iperf3」をスマホで利用して測定する

フランスにあるiperf3のダウンロード先サイト。

フランスにあるiperf3のダウンロード先サイト。

iperf3は、ネットワークの最大帯域幅、つまり速度を測定するためのベンチマークツールだ。インターネット回線を通さないので、純粋なWi-Fiの速度を測定できる。

測定は、同じ無線LANルータに繋がっているなるべく高速な処理ができるWindowsマシンをサーバとし、iPhoneやAndroidのスマートフォンなどの移動端末をクライアントとして利用する。

以下にその具体的な手順を述べる。

1.iperf.frサイトからWindows 32bit用または64bit用マシンのiPerf 3.1.3をダウンロードする。どちらをダウンロードするかは、「コンピュータ」のプロパティを表示し「~ビットオペレーティングシステム」の~を見れば分かる。

【備考】上級者の方は、LinuxマシンでLinux用のiperf3を利用した方が、システムの負荷が少なく、より正確な値を得られるだろう。

2.ダウンロードしたiperf-3.1.3-win??.zip(??は32または64)を右クリックし「すべて展開」を選択し、展開場所を指定する。

3.展開で解凍されたファイルをC:\Windows\system32にコピーする(管理者権限要)。
Windows10/64bitの場合は、「iperf3.exe(本体ファイル)」「cygwin1.dll(Windows上で擬似Linux環境を作るためのdll)」の2ファイルになる。

4.コマンドプロンプトを表示し、「ipconfig」と入力。すると、以下のような画面表示がされるので、その中からIPv4 アドレス (サーバ側のIPアドレス)を控える。アドレスはそれぞれ異なるので注意。
------------表示例---------------
C:\Windows\system32>ipconfig
Windows IP 構成
イーサネット アダプター ローカル エリア接続:
接続固有の DNS サフィックス . . . : abc.ne.jp
リンクローカル IPv6 アドレス. . . . : fe80::106e:ca9e:4c68:c2cc%10
IPv4 アドレス . . . . . . . . . . : 192.168.11.13  ←このアドレスを控える。
サブネット マスク . . . . . . . . : 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . : 192.168.11.1
-----------------------------------

5.コマンドプロンプトを表示し「iperf3 -s」(「-s」は run in server modeを示す)と入力する。そして「enter」キーを押すと、以下のように表示され待機状態になる。

【備考】下図の「5201」は利用するポート番号。環境によって異なることがある。
 
サーバー待機状態

サーバ待機状態


6.スマホ側でiperf3を起動し、速度を測定する。

【移動端末がiPhoneの場合 その1】
1.
App Storeで「iPerf 3 Wifi Speed Test」で検索しインストールして起動する。料金は必要ない。
 
iPerf 3 speed test

iPerf 3 speed test

2.先ほど調べたサーバーのIPアドレス「(例)192.168.11.13」を入力する。
「192.168.11.13」は、例なので、先に控えたIPアドレスを入力すること。

3.[Start]ボタンを押す。
これで結果が表示される。
 
iPerf 3 speed test 利用

iPerf 3 speed test 利用

【移動端末がiPhoneの場合 その2】
iPerf3 - Bandwidth and Performance Test Tool

iPerf3 - Bandwidth and Performance Test Tool


1.App Storeで「iPerf3 - Bandwidth and Performance Test Tool(有料)」をインストールして起動する。上ですでに測定しているが、ここでは別の方法を紹介している。

2.「Client_Default_Profile」をタップする。

3.「-c - -client」オプションをタップする。

4.先ほど調べたサーバーのIPアドレス「(例)192.168.11.13」を入力し、[Apply]ボタン→「< back」をタップする。このとき、Server portがサーバー側に表示された「5201」になっているか確認する。

5.右上の「Reviw And Start Client」をタップする。

6.右上の「Launch」をタップする。

7.[Start]をタップする。

これで測定が始まる。以下の値は10回調査した平均値が図の赤枠の位置に表示される。
 
iPhoneでiperf3を起動し測定undefined11n

iPhoneでiperf3を起動し測定 11n 赤枠が測定結果

【移動端末がAndroidの場合】
Magic iPerf including iPerf3

Magic iPerf including iPerf3

1.Google Playストアで「Magic iPerf including iPerf3(無料)」をインストールする。

2.Magic iPerf including iPerf3を起動する。

3.左上で「iperf3」を選択する(iperf2とiperf3の選択)。

4.青線のコマンドラインにたとえば「-c 192.168.11.13」と入力する。192.168.11.13は、先ほど調べたサーバーのIPアドレスなので個々に異なる。

5.淡色の「Stopped」を右にスライドし「Started」にする。

これで10回計測が行われる。赤枠は、その平均値。
 
赤枠が速度となる。

赤枠が速度となる。

 

速度測定方法3:「iperf3」をノートPCで利用して測定する

ノートパソコンでの速度調査

ノートパソコンでの速度調査

移動端末としてノートパソコンを利用することもできる。処理速度にもよるが、スマホより実際に近い数値がでることが多い。

ノートパソコンをクライアントとして通信速度を計測するには、以下のように操作する。なお、サーバは、「測定方法2:「iperf3」をスマホで利用して測定する」の時と同様に、デスクトップPCなど処理速度の高いコンピュータを利用する。

1.ノートパソコンにiperf3をインストールする。方法は、前述と同じ。

2.サーバのIPアドレスを調査する。方法は、前述と同じ。

3.サーバ側のコマンドプロンプトを起動し「iperf3 -s」と入力する。

4.ノートパソコンのコマンドプロンプトを起動し、「iperf3 -c (サーバのIPアドレス)」または「 iperf3 -c (サーバのIPアドレス) -u」と入力する。

以下は実行例だ。赤枠が測定結果になる。
 
ノートパソコンのiperf3測定結果

ノートパソコンのiperf3測定結果

やはりマシンが高速なので、通信速度も上がる。本例の場合、前述のiPhone SEが57.9Mbpsに対し、ノートパソコンが3桁の116Mbpsと高速になっている。共に11nでの測定結果だ。
 

実際の無線LAN速度測定例

ここで測定の実例を挙げよう。いままでは11nで接続していたが、11acで接続すると、どの程度高速になるかをiPhone SEで試してみた。

前述のように11n接続で接続した場合、57.9Mbpsだった。ここで、iPhoneの「設定」→「Wi-Fi」で11acのSSIDを選択し、同様に測定した結果を挙げよう。
 
iPhoneでiperf3を起動し測定undefined11ac

iPhoneでiperf3を起動し測定 11ac 赤枠が測定結果

実に294Mbits/secと5倍近い値が出ている。このようにして、目的にあった測定をしてみよう。

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