気がつけば「なぜ?」と原因を深掘りしていませんか?
「なぜこうなったのだろう?」「どうして〇〇できなかったのだろう?」と問題の原因ばかりぐるぐると考えていませんか?
問題の原因を追究し、不足していることに焦点を当てて考えることを「問題志向」と呼びます。私たちは気がつけばこの問題志向にはまり、過去の原因ばかりを追究して進むべき道を見失っていることがあります。
たとえば、受験に失敗して志望校に入れなかったとき、本人は「どうしてあのときもっと勉強しなかったのだろう?」と考え、受験生を支える親も「なぜあのときもっとサポートできなかったのだろう?」と考え、落ち込んでしまうことが多いものです。または、恋人に振られたとき本人は「なぜあの人は去ってしまったの?」とぐるぐる考え、家族や友人も「何が悪かったんだろうね」と一緒になって考え込んでしまうことが少なくありません。
しかし、このように問題志向で原因を考え続けることで、果たして現状が改善すると言えるでしょうか?
原因探しに終始すると、具体的な次の行動の足かせになる
原因の分析をすれば、行動を振り返り、失敗を繰り返さないようにすることができます。しかし、原因にばかり注意を向けていると、その後の行動の足かせになってしまいます。受験失敗の原因は、ある程度振り返ればわかります(勉強不足、計画性のなさ等)。しかし、その原因をさらに掘り下げることで(そもそも根性がない、家庭環境が悪い等)、次の行動へのやる気が起きるでしょうか? 失恋の原因もある程度振り返ればわかります(すれ違い、性格の不一致等)。しかし、原因をさらに掘り下げることで(コミュニケーション力のなさ、なぜこの性格なのか等)、次の行動へのやる気が起きるでしょうか?
原因探しのループにはまると、自分や他人のいたらなさを責めて、落ち込んだり恨んだりする一方です。
あなたが目指す「本当のゴール」である夢は何ですか?
目先のゴールにとらわれるより、「本当のゴール」(夢)をまず明確にしよう
「志望校合格」をゴールだと思っている人は、本当はその先に目指したい未来像があるはず。たとえば、なりたい職業ややりたい研究に従事している自分の姿。つまり、「合格」から広がる自分らしい未来ではないでしょうか。「恋愛」をゴールだと考える人も、本当に目指したい未来像がその先にあるはず。たとえば、生涯のパートナーとの出会い、結婚や家庭、つまり「恋愛」から広がる愛情あふれた未来ではないでしょうか。
解決志向では、目先のゴールではなく、自分が目指したい「本当のゴール」(夢)を先にイメージします。そして、「さて、これからどうする?」と現地点からの具体的な行動を考えるのです。
「資源」を使って「今すぐにできること」を見つける
具体的な行動を考える際には、まず自分が持つ「資源」を洗い出します。志望校に落ちても、知識、挫折経験、合格できた学校、若さ、スポンサー(親)など、たくさんの資源に囲まれているはずです。恋人に振られた人にも、恋愛経験、失恋経験、支えてくれる人、出会いのチャンスなどさまざまな資源があるでしょう。こうした資源を使ってどのように本当のゴールに近づいていくか、解決志向ではその具体的な方法を考えます。その一つが、それらの資源を使って「今すぐにできること」を見つけることです。
志望校に落ちた人に「将来は〇〇の仕事をする」という本当のゴールがあるなら、今すぐにできることは何でしょう? 恋人に振られた人に「幸せな結婚生活」という本当のゴールがあるなら、今すぐにできることは何でしょう? 自分の内外にある資源を使って、今すぐにできることを考えてみましょう。
具体的な行動が決まったら、それを実行に移してみましょう。ある人は、受験の失敗から気持ちを切り替えて、将来の職業に向けて勉強を始めることかもしれません。またある人は、生涯のパートナーと巡り合うために、出会いのチャンスを見つけていくことかもしれません。
失敗に直面した時にいつまでも「問題志向」で原因探しに終始してしまう人は、ぜひ「解決志向」で目指すべき本当のゴールを明確にし、自分の内外にあるたくさんの資源を使って具体的な行動を起こしてみませんか? きっとよりよい変化が起こるはずです。