昔と今では違う?

初めまして

初めまして

昔は「向こう三軒両隣」に引越の挨拶をするのは当然のマナーでした。今でも、たとえば土地家屋を購入して一生住もうと考えるのであれば、近隣への挨拶は必要でしょう。場所によっては通りの角から角までのすべてのお宅に挨拶することもあるかもしれません。

しかし、最近ではマンションなどの集合住宅が増えて、引越の挨拶のあり方にも変化が出てきているようです。分譲マンションを購入した場合はその先の長い期間を考えて「上下左右」の住人に挨拶をする場合もあるようですが、若い人や賃貸で住む人には引越の挨拶をしない人も増えています。

住むとしても契約期間の2年で転居するつもりだったり、学生時代の4年間だけだったり、いずれ結婚して分譲マンションを購入する予定だったりと、永住するわけではない場合がほとんどですから、挨拶は不要と考える人がいてもおかしくないでしょう。ただし、顔を合わせることもありますし、お互いさまの理念や防災などの観点から、いざという時にはお世話になるかもしれないのでやはり挨拶はしておいたほうがいいと考える人も少なくないはずです。


隣人がストーカーに

隣人がストーカーに?

隣人がストーカーに?

親に言われたからとか、挨拶はするのが当たり前と考えている人だけが挨拶をしているのが現状だといえるでしょう。ストーカー事案が多発している昨今では、隣人がストーカーになりかねないというリスクがあるため、若い人では引越挨拶をしない人が多いように見受けます。

【ケース1】会社員のR子さんが引っ越して隣人に挨拶したところ、朝、出勤のために玄関ドアを開けると隣人の玄関ドアが閉まることが続いた。深夜にインターホンが鳴って外を見ても誰もいない。意味不明のことが書かれた紙がドアポストに投げ入れられていた、などがあり、仲介業者と部屋のオーナーに事情を伝えたところ、無職の隣人によるものとの判断で引っ越し代金と敷金の返還があった。

【ケース2】大学に進学したT子さんの一人暮らしが心配で親が一緒に隣人の男性に挨拶をした。その後、何を勘違いしたか、友人が訪ねてくるとじろじろと見るようになり、T子さんが一人でいる時に、「この間来ていた人は学校の友だち? 友だちは選んだ方がいいよ」などと余計な口出しをするようになった。「なにしろ親御さんに頼まれたから」と、鼻息だけが荒い。異常な干渉が続き、T子さんは結局、引越した。


問題は部屋探しから

部屋を探すときは、建物と周囲、そして室内を見て気に入れば決めているでしょう。その前に、隣にどのような人が住んでいるか? を確認しているでしょうか。住み始めたら、騒音が気になる相手かもしれないし、緊急時にはやり取りをすることになるかもしれない隣人ですから、ぜひとも「契約前に」知っておきたいものです。

ところが、ここで案内をしてくれた仲介業者に「隣にはどんな人が住んでいるんですか?」と訊くのは要注意です。部屋探しをしていたある人が気軽にそう尋ねたところ、「は? そんな個人情報を応えられるわけないじゃないですか」と言われたそうです。確かに個人情報に関してはデリケートさが求められる時代ですが、これは少し違うでしょう。安全に暮らすために、「男性か女性か、学生か会社員か」といったおおまかな情報を必要としていただけなのです。

仲介業者もネットに頼る時代ですから、昔のように地域の古くからのおなじみの大家さんのよい物件を紹介する…というのではなく、ネットで検索して客が見たいといえば案内する…という事情がほとんどでしょう。おそらく初めて行く物件でしょうから、隣にどんな人が住んでいるか知らなかった…のが本当のところではないでしょうか。

また、訊く方にも訊き方というのがあります。いきなり「隣はどんな人」と尋ねるよりも、「実は友だちが隣室の人にストーカー被害に遭ったことがあって…契約する前に知っておきたいんですよね」とでも言えば、契約するためには調べておかねば、ということになるでしょう。要は話の持って行き方といえます。


挨拶は必要なの?

引越の挨拶は自己責任

引越の挨拶は自己責任

【ケース1】と【ケース2】のように、隣人がおかしな行動に出るような事態を招くこともあるでしょうが、世の中の大多数はまともな人だと考えれば、それほど心配することもないでしょう。ただし、人と人が隣人として出会って以降のことはどうなるか誰にもわかりません。物語や映画のように恋愛が始まるかもしれないですし、どちらかがストーカーになるかもしれません。こればかりは人間関係の化学反応が起きてみてからでなければ予測がつかないのです。

おおかたの場合は問題なく過ぎていくでしょう。過去に何かトラブルが発生した経験がある人は以後、警戒心を持って部屋探しをするようになるでしょう。実際に賃貸物件に住んでみて、「隣の人と顔を合わせたことがあるか」と訊くと、「ほとんどない」「半年に一度くらい?」と答える人が多いようです。出勤時間に出会う場合は時間をずらすようにするなどして、基本的に他の居住者とは顔を合わせないようです。

【ケース3】アパートの一室に住むフリーターのHさんはある日、玄関のドアノブに小さな袋が下がっているのに気が付いた。中には「初めまして。○○号室に越してきた△△です。引越のご挨拶をと思いましたがお留守でしたので」と書かれたメッセージカードとかわいらしいタオルが入っていた。しかし、2年後に△△さんがまた転居していくまで、結局一度も顔を合わせることはなかった。

このケースのように入居後、退室するまで一度も顔を見ることもない場合もあり得るのです。また、隣人トラブルとして「タバコの煙」「柔軟剤の香り」「騒音」など、生活音や匂いなどが起こりがちですが、直接隣人にかけあうのではなく、管理会社や仲介業者、大家さんなどと上手に解決していきたいものです。

何らかの災害時や緊急事態には隣人同士の相互協力が必要になることもあるでしょう。不安なら大家さんに尋ねてみるのもいいでしょう。余計な人間関係を持ちたくないと考えるのも、どうせいつかは出ていくからと考えるのも、いただき物で趣味が合うものがあった試しがないから人にも差し上げない、と考えるのもいずれもアリなのでしょう。「引越の挨拶は必要か?」と問われれば、結局のところ、当人の考え方次第といえるでしょう。


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