栄養管理

しっかり食べても太らない秘訣…バランスと順番が鍵!

ダイエットというと「食べない」イメージをもつ人が、いまだに多いようです。しかし絶食系ダイエットは健康的とはいえません。健康的にやせるためには、栄養バランスを意識して「食べ方」も工夫することが大切。体にムリのない食習慣を身につけましょう。

執筆者:All About 編集部

炭水化物は悪者ではありません

白米

健康に過ごすために、炭水化物は欠かせません

まず知っておきたいのは、炭水化物は、ダイエットをする人々がいうほど悪者ではないということです。ダイエットというと、とにかく食べなければよいと考えている人も少なくないようですが、よほどの過食が習慣化している人なら別ですが、話題になった「炭水化物抜き」のような極端な食事制限はおすすめできません。

ダイエットでは悪者のように扱われる炭水化物も、私たちが生活するうえで欠かせない栄養素のひとつです。炭水化物は、体内でブドウ糖に分解されます。ブドウ糖は脳が活動するための唯一のエネルギー源であり、体が活動するために必要なエネルギーの約6割は炭水化物から得ているのです。この大切な栄養素の摂取を制限してしまうと、健康な体は保ちにくくなります。炭水化物の多い食べ物には、乳製品、雑穀類、豆類、果物、芋類などがあり、ビタミン・ミネラル・食物繊維を十分に摂取しにくくなります。

適切な食事バランスの考え方

「食事は栄養バランスのよいものを」と思っていても、実際には好きな食材や料理を選ぶことが多くなっていませんか? 食品から摂取できる栄養には、体の活動に欠かせないエネルギー源になるもののほか、成長や生命維持に必要なもの、不足すると体調に影響するものなどがあります。体に活力を与え、エネルギーを消費するにはビタミンやミネラルも必要です。

バランスのよい食事をとるには、いろいろな食材を食べることが大切です。とはいえ、食事のたびに個々の食材の栄養素をチェックして、1食の栄養バランスを考えるのは、かなり面倒なことです。神経質になりすぎて、せっかくの食事が楽しめなくなってしまっては、かえって体によくありません。

そこで活用したいのが、栄養素ではなく、「何を」「どのくらい」食べたらよいかが直感的にわかる「食事バランスガイド」です。これは生活習慣病の予防を目的に、厚生労働省と農林水産省が共同で作成したものです。料理を5つのグループに分けて、必要な分量と組み合わせがイラストで示されています。

このガイドでは、食べるべき分量を「つ(SV)」という単位で数えます。SVは料理の単位を意味するサービングの略です。1日分の食事の量は、必要となるカロリー数を元に計算されているため、年齢や生活スタイルによって異なります。

たとえば、デスクワークが中心の成人男性の場合。主食(ごはん、パン、麺)が5~7つ、副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)が5~6、主菜(肉、魚、卵、大豆料理)が3~5、牛乳・乳製品は2、果物は2が1日の量になります。

主菜・副菜は、1単位を1皿と考えればわかりやすいでしょう。また、それぞれのグループの単位を入れ替えることはできません。ちなみに、お菓子やアルコールなどの嗜好品は1日200kcalを目安とすることが推奨されています。これは、どら焼きなら1個分、ポテトチップスなら1/2袋にあたります。

最初は、食事を食べたあとでバランスガイドに当てはめ、自分の食生活を振り返ることから始めます。何日か続けていると、だんだんと自分のパターンが見えてきます。同じメニューに偏っていると感じたら、不足しがちなものを補うように意識すれば、おのずとバランスを整えられるようになります。

食事は食べる順序を考えて時間をかけること

しっかり食べても太らないためには、食べ方にもコツがあります。数年前、料理を食べる順序を変えるダイエットが話題になりました。これは時間栄養学の考えを活用したもので、食事をとる順序や速度によって、消化・吸収を内臓のベストな時間に行わせるというもの。内臓にはそれぞれ、はたらきが活発になる時間と休息する時間があるため、活発な時間に合わせて食事をとるようにするのです。

たとえば、血糖値の急激な上昇を防ぐためには、炭水化物よりも先に野菜を食べることがポイントです。血糖値の上昇がゆるやかであればインスリンの分泌が抑えられ、体重が増えにくくなると言われています。

また、よく噛んで、ゆっくりと時間をかけてとることで、食べ過ぎが防止できます。よく噛むことで脳の満腹中枢が刺激され、食べ過ぎる前に満腹感を得ることができるのです。噛む回数は、ひと口で30回以上が理想ですが、慣れないうちは、いつもより長く噛むことから始めてもいいでしょう。

過食にならないために、早食いは厳禁。料理の味や素材のうまさをゆっくり味わいながら、時間をかけて食べることを心がけましょう。(監修:管理栄養士・一政 晶子
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