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家中掃除に使える「食器用洗剤」! 〇〇用洗剤の代用になる!
これ1本で家中きれいになる!そんな洗剤があります(イラスト/室木おすし)
住まいの洗剤と一口に言っても、ホームセンターやドラッグストアなどで眺めていると、そのあまりの種類、多様さに目が回ります。いったいどれを買うべきなの? 何が必要なの? こんなにいっぱい、家のどこに置いたら良いの? ……途方に暮れてしまいますよね。
食器用洗剤なら、どんな家にもあることが多い
「食器用洗剤(台所用洗剤)」とは、CMで「お皿がピカッ」みたいな絵でアピールされている類の商品。ドラッグストアでもコンビニでもスーパーでも100均でも日本全国どこでも買える上、とても安価です。一人暮らしなどの場合でも、他の洗剤はなくてもコレだけはあるという方、多いのではないでしょうか。
床掃除・トイレ掃除・お風呂掃除の代用に……食器用洗剤の使い道
便器は陶器なので、当然食器用洗剤も使えます
■トイレ掃除:便器は原液、床や壁は薄めて
便器に1滴2滴、原液を垂らして、ブラシでゴシゴシ。床や壁は数滴垂らしたバケツの水で拭く。便座も同様です。
■洗面所掃除:スポンジに原液でOK
洗面ボウルには1滴2滴、原液を垂らしてスポンジなどでゴシゴシ。床、壁、その他はトイレ掃除と同様に行いましょう。
■浴室掃除:潤沢な泡で排水口もお手の物!
浴槽はティースプーン1杯程度の原液を垂らしてスポンジでゴシゴシ。潤沢な泡で、洗面器や風呂椅子、洗い場床、排水口などもじゃんじゃん擦り洗いしてしまいましょう。
■キッチン掃除:コンロ周りは薄め液で対処
コンロ周りの汚れは薄め液でゆるめてからスポンジで擦り洗い。シンクも同様。床、壁その他、薄め液で拭き掃除できます。
■リビング、子ども部屋など:窓には薄め液をスプレー
フローリングの床は数滴原液を落としたバケツの水で拭き掃除しましょう。ラグなども雑巾をかたく絞って拭き掃除できます。家具、壁等も同様に。窓は薄め液を入れたスプレーボトルで濡らし、メラミンスポンジなどで擦ってスクイージーで水切りすればスッキリ。
食器用洗剤に様々な使い道があるわけは、界面活性剤にあり!
「食器用洗剤のはずなのに、どうしてそんなに使えるの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。それは食器用洗剤(台所用洗剤)の主成分が「界面活性剤」というものだからです。界面活性剤がナニで、どういう仕組みなのかを説明するのはとても難しいのですが、ものすごく噛み砕いて言うなら……汚れの付いたものを「水で濡らしやすくし」、その汚れを泡などで「浮かせ」、汚れを「細かくして」、「取り(流し)去りやすくする」働きをもつ物質のこと。
ちなみに、あらゆる洗剤(純石けん、合成洗剤を問わず)の主成分はこの界面活性剤なのですが、その中で食器用洗剤(台所用洗剤)をおすすめする理由は安全性の高さにあります。
というのも、実は食器用洗剤(台所用洗剤)はもともと、食器や鍋釜のみならず「野菜を洗う」ことも想定されていたのです。今となってはピンときませんが、野菜作りに当たり前に人肥(うんちなど)を使っていた時代は寄生虫汚染が激しく、そのため農薬も多く使用されていました。安全のため、生野菜や果物などを洗剤で洗浄することが、国を挙げて推奨されていたのです。そこで、野菜洗いに耐えられる、たいへん安全性が高められた状態で市販された洗剤が食器用洗剤なのです。
1本の食器用洗剤から見える住まいの汚れの正体
とはいえ、「食器用」と銘打たれている市販品を、それ以外の用途で使用するのはメーカーの想定外なので、万一のトラブルはあくまで自己責任になりますし、当該記事も責任を負いません。この点はご承知おきください。ただ、このように1つの洗剤を使って応用を利かせることで、住まいそれぞれの箇所の「汚れ」の性質がつぶさに見えてきます。何も考えずに専用洗剤を使っているだけではわからなかったこと。暮らしの中で住まいを汚す「もの」とは何か、これまで使ってきた洗剤とは何だったのか、などなど、1本の食器用洗剤から気づくことは思いのほか多いはず。
買い置きの洗剤がなくて困った時などはチャンスです! ぜひだまされたと思って、家中のお掃除で試してみてください。
イラスト/室木おすし(ホームページ)
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