個別指導なら子どもが理解するスピードに合せて、着実に説明を進めてもらうことができます。
塾の形態には「集団授業」と「個別指導」があります。それぞれにメリットがあり、どちらが優れているというものではありません。
ただ、子どものタイプによって、向き不向きがあります。合わないタイプの塾を選択してしまうと、成績が上がらないだけでなく、勉強嫌いになってしまいかねません。今回は、個別指導に向いている子どもの傾向をご紹介します。
個別指導のメリット・向いている子の特徴
■極端な苦手科目がある極端な苦手科目がある子どもは個別指導が向いています。多くの集団授業の塾は単科受講ができません。個別指導であれば、苦手科目のみの授業を多く受講できるので、短期間で克服することが可能です。
また、集団授業の塾のクラス分けは「科目トータルの成績」で決められます。したがって、得意科目の授業はちょっと簡単過ぎるものの、苦手科目の授業は難しくてついていくのが困難……、ということになりがちです。
すべての科目がある程度バランスよくできていれば集団授業で問題ありません。得意不得意がはっきりしている場合は、個別指導の塾を検討することをおススメします。
■学校の授業についていけていない
学校の授業についていくのが困難な場合も個別指導向きです。学校の授業で理解が不十分であれば、塾の集団授業でも「消化不良」を起こすことが予想できます。個別指導なら子どもが理解するスピードに合わせて、着実に説明を進めることができます。
■非常に高い学力がある
近所の集団授業塾のレベルでは物足りない高い学力を持った子どもも個別指導向きです。子どもに合った高度な学習内容も扱ってもらえるので、入試までの「伸び残し」が少なくなります。
■習い事・部活に打ち込んでいる
習い事に熱心な小学生や、ハードな部活やクラブチームに所属している中高生も個別指導向きです。集団授業の曜日と時間は固定されています。遅刻や欠席をしても、授業は進んでしまいます。受けられなかった分は次の講師への質問や自習で追いつく必要があります。
一方、個別指導では、習い事や部活などで忙しい子どもでも無理なく受講できるように、授業時間が幅広く設定されています。スケジュールに合わせて選択することが可能です。
個別指導塾を選択した子どもの成功例
ここで個別指導塾を選択した子どもの成功例を紹介したいと思います。中3の9月から個別指導の塾に通い、偏差値を15以上アップさせて第一志望に合格したAさんです。Aさんは中学に進学したことをきっかけに、集団授業の塾に入塾します。吹奏楽部の活動と勉強を両立させようとするものの、塾の授業に間に合わず、度々遅刻していました。
夏期講習も部活の練習と重なり、ほとんど出席できずに夏が終了。気づいたころには数学と英語が学校の定期試験の平均点を下回っていました。「このままではマズい」と悟り、思い切って個別指導の塾に転塾。数学・英語の二科目を集中的に受講しました。どちらの科目も中1の2学期から理解が怪しくなっていたので、そこまで戻ってみてもらうことにしました。
最初は理解するのに時間がかかったものの、徐々に理解のスピードが上がり、苦手だった英語は得意科目といっていいくらいの成績になります。数学も足を引っ張るほどではなくなり、受験は地元の難関公立高校を選択。見事合格を果たします。
最大の勝因は「わからなくなったところまで戻って勉強した」ことです。なかなか理解できなくてもマンツーマンで粘り強く教えてくれた講師に巡り会えたことも幸いしました。
これらは個別指導だからこそ実現できたことだといえます。集団授業の塾に通い続けていたら、第一志望校の合格はなかったかもしれません。
Aさんにとっては個別指導塾の選択が正解でしたが、このようなケースは珍しいことではありません。
さて、いかかでしたでしょうか。塾選びは成績の伸びだけでなく、今後の勉強に対する姿勢にも影響します。ぜひ、子どもに合った塾を選んでください。
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