キッチン家電は多種多様。それぞれのスペース・定位置を確保
人気の対面キッチンに多くみられる、背面キャビネットに家電を収納するプラン。[ミッテ] TOTO
新築やリフォームの際には、これらの使い勝手、使用頻度なども考慮してキッチンプランを進めることが大切です。それぞれのスペースを確保しておくことで、使いやすく、すっきりとしたキッチンが実現するもの。せっかくデザイン性の高い家電商品を選んでも、納めるスペース、定位置を設けなければ、雑然としてしまうこともあるので注意が必要です。
【目次】
Point1 収納する家電をリストアップする
Point2 日々使用する家電はキッチンレイアウトと同時に配置
Point3 壁面の収納やカウンター、間仕切りなどを上手に活用する
Point4 使用頻度の低い家電はパントリーなどを利用しても
Point5 必要なコンセントの設置、放熱などにも配慮しておく
Point6 キッチン家電は隠す?見せる?リビングからの見え方にも注意する
Point7 将来の買い替え、購入も検討しておきたい
Point8 システムキッチンの家電収納も充実。ショールームで確認を
Point1 収納したいキッチン家電をリストアップする
オープンなキッチンでは、家電をまとめて納めてすっきりと。 [リシェルSI] LIXIL
家電だけに限りませんが、収納プランを計画する際には、まず、収納するもの(したいもの)をリストアップすることが基本です。
新しい住まいのキッチンに置きたい、収納したい家電製品の種類、サイズをまとめておくことから。手持ちのモノは、写真に撮りサイズを記入しておくと分かりやすいでしょう。買い替えたり、新たに購入する予定がある製品は、カタログやホームページでサイズの確認を。電子レンジやオーブン、トースター、炊飯器など、放熱スペースが必要な家電もあるので、しっかりと確認するようにしましょう。
Point2 日々使用する家電はキッチンレイアウトと同時に配置
家電製品をピックアップしたら、日常的に使用するものか、時々使用するのもかに分類してみましょう。日常的に使用するもの(電子レンジや炊飯器、電気ポットなど)は、キッチンのレイアウトを検討する際に、同時に配置を考えておくこと。キッチンスペース内に収納するのか、ダイニング近くに置くのか、家族構成や食事のスタイルなどによって異なるので、新しい住まいでの暮らし方をイメージしながら検討することが大切です。
たとえば、ご飯をよそったりお茶を入れるのは、ダイニング近くの方が便利な場合もありますし、お手伝いがしやすいことも。家族で一緒にキッチンに立つのであれば、すべてがキッチンスペース内に納まっていた方がいいかもしれません。日々の動線を考慮して、配置計画を立てることがポイント。家族みんなが使いやすいか、幼い子供が誤って操作しないか、なども配慮しておきましょう。
対面キッチンのダイニング側にコーヒーメーカーなどのスペースを確保しても。対面キッチンユニット サポートカウンタータイプ。[アレスタ] LIXIL
Point3 壁面の収納やカウンター、間仕切りなどを上手に活用する
壁面収納やカウンターなどをレイアウトするキッチンプランは多くみられます。システムキッチンには、さまざまなキャビネットが提案されていますし、造作するケースも。置き家具でも多様なタイプがみられます。いずれも、家電だけでなく、食器やカトラリーなどの収納も含めて検討することが大切でしょう。■壁面の収納やカウンターを利用する
家電の設置場所として多くみられるのが壁面に設けられた収納スペース。II列型キッチンであれば、背面部分の収納やカウンターなどを利用するプランが定番でしょう。カウンター部分を利用する場合は、家電を置くスペースだけでなく、作業ができる空間を確保しておくと使い勝手がいいものです。
ダイニングとキッチンの間にカウンターキャビネットを設けて、日々使用する家電を収納したプラン。[Lクラスキッチン] パナソニック
■間仕切りユニットやダイニングの食器棚を利用する
ダイニングとの間仕切りを兼ねるようなカウンターキャビネットに、家電スペースを確保する方法もあるでしょう。キッチン側から使用できるようにしておくことで、ダイニング側はすっきりとするものです。また、ダイニング近くに設けられた食器棚などに納める方法も。コーヒーメーカーなど、ダイニングでも利用することも多い家電などは、使い勝手がいいでしょう。
Point4 使用頻度の低い家電はパントリーなどを利用しても
キッチンにパントリーを隣接させることで、キッチンスペースはすっきりと。 [Lクラスキッチン] パナソニック
Point5 コンセントの設置を忘れずに。放熱などにも配慮を
蒸気排出ユニット付きのユニットも揃っている。 [リシェルSI] LIXIL
また、時々使用する家電を、実際に使う場所にもコンセントを設けておくことも忘れずに。フードプロセッサーやジューサーミキサーなど、調理に使用するなら、調理スペースの近くに。IH卓上コンロなど、ダイニングテーブルで使用するなら、ダイニング付近に。使い方をイメージして、コードが邪魔にならないような場所に設けておくことが大切です。
Point6 キッチン家電は隠す?見せる?リビングからの見え方にも注意
デザイン的におしゃれな家電製品であれば、「見せる」収納も考えられますが、一般的には、家電製品は、リビングなどのくつろぎの場から見えないような工夫をしておきたいものです。キッチンプランにもよりますが、最近多くみられるオープンなLDKの場合には、リビングからキッチンの見え方には配慮が必要でしょう。壁面のカウンターに家電スペースを確保。リビングからの眺めに配慮した高さの対面カウンター。[ザ・クラッソ] TOTO
多く取り入れられる対面式のキッチンであれば、対面カウンター部分を高めにしておくことで、視線を遮るのもひとつの方法です。ダイニングチェアやリビングソファに座った時にキッチン内が見えにくくなるような高さを確保しておくようにしましょう。
■扉付きの壁面収納を利用する
使用しない時には家電を隠すことができるように、扉を閉めることができるような収納プランとしておいても。引き戸を取り入れるなど、扉は開いていても作業の邪魔にならないような配慮も必要でしょう。
電子レンジなどを納めることができる大容量の収納キャビネットを組み込んだプラン。引き戸タイプの壁面収納であれば、作業もしやすくすっきりとしたイメージにも。[ザ・クラッソ] TOTO
Point7 将来の買い替え、購入も検討しておきたい
家電製品は、ある程度の期間で買い替えをするものです。プランニングの基本は、現在使用しているものの数、形状やサイズに適するスペースや使い勝手を考慮すべきですが、機器によっては、もしくは今後購入したいと思っているものがあるのであれば、ある程度の余裕をもって計画することも必要かもしれません。子供が成長したり、家族が増えるなど、将来の変化を予測して検討するようにしましょう。Point8 システムキッチンの家電収納も充実。ショールームで確認を
システムキッチンは、フロアキャビネット部分と周辺ユニット部分に分かれますが、家電収納として多くの提案がみられるのが周辺ユニットです。周辺ユニットにも、壁面に設置するタイプと間仕切りを兼ねるようなカウンターのタイプなどがあり、いずれも、適するスペースの確保、使用する時には引き出すことができたり、コンセントがついたもの、蒸気を排出できるような工夫があるものなどが多くみられます。組み合わせも多様なので、使い方やプランに合わせてコーディネートできるでしょう。
キッチンのプランニングを進める際には、冷蔵庫など大きめの家電製品は配慮しても、細かな家電製品に関しては、考える余裕がない場合もあるものです。できるかぎり、日頃のキッチンでの作業を振り返り、適する場所に収納するスペースを確保すること。ショールームでは、LDKの空間展示も多くみられるので、収納方法の参考にしても。引出しや扉など、実際に動かして使い勝手を確認するようにしましょう。
【関連記事】
- システムキッチン商品の種類と特徴&最新トレンド
- キッチンプランの考え方と注意点
- キッチンのフロアキャビネット収納の特徴と選び方
- ウォールキャビネット収納の種類&選び方のポイント
- キッチン周辺ユニットの選び方/食器棚、家電収納etc.
- サービスヤード・ストックヤードを設けて家事ラクに
- 勝手口のプランニングと扉選びのポイント
- ビルトインガスコンロの特徴と傾向&選び方
- キッチン換気扇(レンジフード)の種類と特徴&選び方
- キッチン機器の種類と特徴/コンロ、IH、換気扇etc.
- IHクッキングヒーターの種類と特徴&選び方のコツ
- キッチンシンクの種類と特徴&選び方のポイント
- キッチンの水栓金具の種類と特徴&選び方のポイント
- システムキッチンの取っ手と扉材の種類&特徴
- インテリアを左右する キッチン扉と取っ手の種類と特徴
- キッチン壁材の種類と特徴/キッチンパネル、タイル
- タイル、フローリングetc.キッチンの床材の種類と特徴
- パントリー(食品庫)のプランニングの考え方と注意点
- キッチンのゴミ箱 上手な収納場所の考え方
- 家庭用生ゴミ処理機の基礎知識
- 対面キッチンのメリットデメリット&あると便利な設備
- キッチンショールームを有効活用する7つのポイント
- 小さな家での暮らしのエッセイ ~対面キッチン わが家の場合~
- 小さな家での暮らしのエッセイ ~「見える」収納