転職のノウハウ/内定・入社・退職手続き

退職時に引き止められたら?上手な退職交渉のやり方

退職時に引き止められたら、希望の会社から内定をゲットできたとしても、転職活動は終わりではありません。退職交渉は最後の関門。退職を引き止められた場合は上手に対応したいもの。退職理由はどこまで話せばよいのかなど、退職時の心得をお伝えします。

末永 雄大

執筆者:末永 雄大

20代・30代のキャリアデザインガイド

退職交渉で引き止められないための「伝え方」のポイントとは

退職時に引き止められたら?上手な退職交渉のやり方

退職するときの注意点

転職活動がスムーズに進み、納得感の持てる転職先企業から内定をもらう事ができた! 非常にハッピーな状態だと思います。ただ、そのすぐ後に待っているのが。気の重い現職への退職交渉……。

出会いがあれば別れがあるもの、今回は、退職交渉をスムーズに進める方法についてお話したいと思います。
   

退職交渉はいつ・誰に・どうするか

■内定受諾の週内に
次の会社への内定の承諾をしたら、同じ週中には、伝えましょう。
報告するタイミングが遅くなればなるほど、次の会社へも迷惑をかけてしまいますし、現職も引き継ぎを開始できず、結果的に迷惑をかけてしまいます。

■直属の上司に
退職交渉の相手は、直属上司です。直属の上司が責任回避のために逃げてしまう、といったケースでは、その上の上司や人事部門の担当者に相談しましょう。

■口頭で伝え、書面を用意

退職の意思は直接口頭で伝えましょう。上司と退職日をすり合わせたあとに「退職願」または「退職届」を提出します。

 

退職理由、何をどこまで伝えるべき?

転職理由は必ず聞かれるでしょう。ここであやふやにしていたり、モジモジしてしまうと、隙を突かれます。論理的に、わかりやすく伝えましょう。

退職理由は情緒的なものではなく、物理的なもの、変えられないことを挙げましょう。「◯◯さんと合わない」といった情緒的なものだと、調停や異動で対応すればいいのか、となるので、「◯◯業界で挑戦したい」「◯◯の立場で仕事がしたい」といった現職では実現不可能なことを挙げれば、上司も諦めがつき、さらに上の役職者に説明しやすくなるでしょう。
 

退職の際、転職先の会社名は伝えるべき?

転職先を聞かれることも多いでしょうが、特段知らせたい場合を除いて、伝える必要はありません。自然に知られることも多いでしょうが、
退職交渉時には、業界や職種程度に留めるのがよいでしょう。
 

退職時に会社から「引き止め」にあったらどうする?

大企業では、管理職研修のなかで、退職交渉の対応方法や慰留方法についてのレクチャーを受けさせることが多くあります。また、経験の長い管理職であれば、過去に退職交渉の経験も豊富でしょう。「上司は引き止めのプロである」という認識で、覚悟を持って臨む必要があります。
 

引き止め時によく使われるのが

  • 給与アップ
  • 花形部署への異動
  • 新規事業へチャレンジ
という3つです。ですが、これは、基本的に信用しない方が良いでしょう。

私が見聞きした例でも、引き止めを受け入れて会社に残っても、約束を反故にされるケースが多く、結果的にやはり退職する、となるケースが多くありました。

会社は組織であり、ルールがあります。全体最適で考えていますので、あなたがどんなに優秀でも、一人のために組織を動かすことは至難の業ですし、周囲にあつれきを生むもとになります。

運良く約束が実現しても、一度退職を切り出した手前、出世が望めなくなったり、社内で居づらくなったりすることも多いのです。

上記3点はわかりやすく魅力的なオファーですが、そもそもの転職理由や本質的な課題・不満が解決するわけではないことが多く、時間が経過するにつれ、また転職の欲求が高まってくるでしょう。
 

退職の引き止めのプロは「アメ」と「ムチ」を使う

退職とそれに伴う引き止めに慣れている組織には、さまざまな「引き止め策」を使ってきます。

例えば、「アメ」と「ムチ」。

直属の上司は、転職を優しく受け入れ「応援するよ!」というスタンスを貫く一方で、さらに上の上司は、「しっかり責任を果たせ!」と激怒する、といった演出をするのです。

そうすることで、転職者は叱責されて疲れ、直属の上司の優しさにほだされて「現状維持でもいいかな……」と流されてしまうのです。

こんな搦め手を使う会社はそうはないでしょうが、こうしたオプションもあり得るんだ、と知っておけば、いざという時に冷静に対応できるでしょう。
 

退職交渉は、「相談」ではなく「事後報告」

そうした「引き止めのプロ」を前にする際、注意すべきポイントとして、退職交渉は「相談」ではなく「事後報告」という意識を持つことです。

退職を引け目に感じ、「辞めたいと思っているのですが……」といった相談スタンスで切り出しがちですが、そうすると上司に「交渉の余地がある」と誤解させてしまいます。

そうした隙を与えず、最初の切り出しから「退職を決めたので、ご報告させていただきます」と、「相談」ではなく「事後報告」というスタンスで話をしましょう。

【退職時のマナーまとめ】
・【退職時のマナー】仕事を辞める時の正しい報告の仕方

【退職2ヶ月~3ヶ月前にやること】
□退職を申し出る
・退職願を提出した後、何日で退職できるか?
・退職時に引き止めにあったら?
□退職願・退職届を出す
・退職願の書き方【封筒・用紙は?手書きは必須?】
□引き継ぎをする
・業務引継書の書き方と完璧な残務整理のコツ6

【退職2週間~1ヶ月前にやること】
□社外・取引先へ退職挨拶メールを送る
・惜しまれる!社外への退職挨拶メールの書き方と文例

【最終出社日にやること】
□退職の挨拶・スピーチをする
・退職挨拶に使える一言・スピーチ【理由別の文例付き】
・印象に残る!お別れの挨拶・お別れの言葉
□社内への退職挨拶メールを出す

【退職後にやること】
□送別会・プレゼント等のお礼をする
・スマートに伝える!贈り物のお礼メール

【円満退社のための注意点】
・退職時にやってはいけないNGマナー7連発
【編集部おすすめの購入サイト】
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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