「六本木ヒルズレジデンス」隅々にいきわたる希少性
「六本木ヒルズレジデンス」が都心のどこからも目立つのには、3つの理由がある。まず、高台に位置すること。西新宿の超高層ビル群にも同様の特性がある。次に、周囲の(とくに南方向の)街並みは低層地区の割合が高いから。見通しの良さと豊富な緑地は眺望の魅力も引き上げる。最後にデザインである。テラコッタタイルとライムストーンで構成された外観はあまりに個性的で、いまや「東京のアイコンのひとつ」とさえいえるだろう。
立地、周辺環境、外観デザイン。いずれをとっても希少性の高い条件を有する「六本木ヒルズレジデンス」だが、その住空間も他に類を見ない高質な設計、内装が施されている。今回は高層階メゾネット住戸を例に、その隅々にいきわたる希少価値を解説しよう。
2Bedroom+Studyroom 164.45m2
マンションのメゾネット自体が珍しいことは言うに及ばないが、立体空間ならではの「開放感を最大化」する空間づくりが特長だ。
南側の開口部という、最も経済効率性の高いポジションにあえて階段を設け、さらには吹き抜けを作り、二層分のダイナミックな空間を上下から体感できる。およそ未体験のプランニングである。
図面からは、玄関扉を開けた瞬間から「空間の広がりを感じる」ことが想像できる。キッチンのコンロも眺望向きに設定。階段を下りる際の目の前の光景、上階スタディルームから下方を見る眺めなどは他のタワーでは得られない角度であり、じつに印象的である。
個性を演出しやすいインテリア
森ビルが企画・運営するレジデンスの多くに採用されるひとつがバルコニーに設置された自動給水機能付プランター。「住戸の広がり」を享受できる開放的なバルコニーと「緑とプライバシーの確保」を両立するプランターの共存は住むほどにその効果を実感できる設備だ。とくに、ベッドルームとプランター付バルコニーの組み合わせは居室内での落ち着きをもたらす以外に、カーテン等で眺めの分断を余儀なくされる機会を最小限に抑える働きがあるだろう。
さらに、「六本木ヒルズレジデンス」の特徴でもある「造作棚」は住み手の個性を表現するのに有効なインテリアといえる。階段を映した画像の左側、スタディルームの画像の同じく左側、上の主寝室の右側。壁に埋め込むように、あるいは壁面一面に、そして間接照明を組み合わせる等で棚そのものが浮き立つような演出している点にも注目。
内廊下のマンションやタワーマンションでは、一戸建て住宅に比べ壁の割合がどうしても高くなる。その特性をプラスに振り替えるアイデアとして、壁面の活用は参考になる。一般的なクロスを貼っただけの壁で同じだけのディスプレイを再現しようとすると相当な量の特注棚を必要とするだろう。
記念のフォトや旅の思い出が詰まった小さなオブジェ等。様々な希少性を有した住空間の仕上げは「住み手の個性そのもの」というわけだ。
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