宅建士になるためには多くの事務手続きが……

宅地建物取引士になるためには、多くの事務手続きが必要。10月に試験がありますが、前後のスケジュールや費用をしっかり把握しましょう。手続きを忘れたり遅れたりすると、宅建試験を受験できないことや不利な条件で受験することになったり、合格してもすぐに宅建士として仕事ができなかったりすることがあります。

【目次】  

宅建試験の学習スタート(4月~5月)

宅建試験受験に向けた学習スタート時期は受験年の4月~5月が一般的です。ただし、はじめて法律を学ぶ方が宅建試験を受験する場合の最低学習時間は300時間程度と言われていますので、この時期からスタートした場合は1日約2時間程度の学習をコンスタントにこなす必要があります。
 

学習スタート時の注意点とは?独学でも合格できるの?

宅建試験は独学でも合格できる試験です。ただし、一昔前のようにテキストを1回読む程度で合格できるほど簡単な試験ではなくなりましたので、お金と時間に余裕があれば、信頼できる講師の講義を受けるほうがよいでしょう。

特に法律をはじめて学ぶという方は、想像以上に最初は苦労すると思いますので、短期合格を考えた場合、独学は避けるべきです。不動産会社にお勤めの方、または内定者の方は、社内研修として講師を招いて研修を実施している場合がありますので、会社に相談してからスクール選びをした方がよいでしょう。

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お勧めのテキストや問題集は?

宅建試験学習で最低限必要なものは、「受験用のテキスト」と「受験用の年度別過去問集」の2つです。テキストと問題集の選び方については、以前私が書いた記事を参照して下さい。不動産会社にお勤めの方、または、内定者の方は、社内研修で使用するテキストと問題集が配布されることがありますので、自分で購入する前に会社に相談した方がよいでしょう。

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学習にかかる費用はどれくらい?

独学の場合
  • テキスト&問題集:5,000円~10,000円
  • 模擬試験:1,000~2,000円

スクールに通学の場合
  • テキスト&問題集:5,000円~10,000円
  • 授業料:50,000円~250,000円
  • 模擬試験:10,000~30,000円

スクールでWeb受講の場合
  • テキスト&問題集:5,000~10,000円
  • 授業料:20,000~100,000円
  • 模擬試験:5,000~30,000円
 

不動産会社にお勤めの方は5問免除講習の申込み(3月~5月)

宅地建物取引業の免許を受けている不動産会社(宅地建物取引業者といいます)に勤務し、会社から発行される「従業者証明書」をお持ちの方は、登録講習(一般に、5点免除講習または5問免除講習と呼ばれているものです)を受講することができます。
 
  • 申込時期:受験年の3月~5月
  • スクーリング時期:5月~7月
  • 学習時間:40時間(通信学習)+10時間(スクーリング)
  • 修了試験:スクーリングの最後に試験があり、70%以上正解で合格
  • 受講料金:10,000円~20,000円

登録講習の修了試験に合格した場合は、修了証が3通交付されますので、宅建試験の受験申込の際に願書とともに「一般財団法人不動産適正取引推進機構」に提出して下さい。

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宅建試験案内(願書)の配布(6月~7月)

試験案内は大きめの書店や各県の宅建協会等に置かれています。また、今はインターネットでも受験申込できるので、試験案内のすべての情報も不動産適正取引推進機構のホームページに掲載されています。
 
宅建試験案内

宅建試験案内の配布は全国書店等で配布しています。また、インターネット上で宅建試験案内を見ることもできます。


郵送による申込みの場合
  • 配布期間:未定
  • 配布場所:各県の宅地建物取引業協会や大手書店で配布しております。

インターネットによる申込みの場合
【関連リンク】  

宅建試験の受験申込(7月中)

かなり早めの受験申込時期になっているので、ついうっかり申し込みを忘れる方が多かったりします。受験する場所は、原則として住民票の住所地の都道府県内で行われる会場を選んで下さい。ただし、大学に通うため上京していたり、一時的な転勤により、住民票の住所地での受験が難しい場合は、現に居住している都道府県で受験することができます。

なお、車いす使用等歩行困難で低層階での試験室を希望する方や、体幹機能や視聴覚等の障がいがあり通常の試験方法による受験に支障がある方は、受験申込みの際の申出により、一定の配慮がされます。詳細は不動産適正取引推進機構にお問い合わせください。
 

郵送による申込みの場合

申込期間:未定
  • 都道府県によっては、希望試験会場を選択することができるところがあります(先着順)。※顔写真が必要となります(縦4.5cm、横3.5cm、頭頂からあごまでが長さ3.2cm以上3.6cm以下のもの)。
  • 簡易書留郵便で、上記の期間中の消印で送付されたものだけが有効です。
  • 試験案内に綴じ込んである払込取扱票(郵便局〈ゆうちょ銀行〉)又は振込依頼書(銀行)により、窓口で振り込みます。振替払込受付証明書(郵便局〈ゆうちょ銀行〉)又は銀行振込受付証明書(銀行)を、受験申込書の所定欄に貼付します。
 

インターネットによる申込みの場合

申込期間:未定
  • インターネット申込みは24時間利用可能です。
  • 複数の試験会場がある都道府県の場合は申込み時に試験会場を選択することができます(先着順)。
  • 受験申込時に、不動産適正取引推進機構により指定されたクレジットカードによる支払または同機構が指定したコンビニエンスストアにおける振込みのいずれかを選択した上で、支払または振込みをします。
 

登録講習修了者(5問免除講習を修了した方)の注意事項

登録講習修了者が試験の一部免除を受けられるのは、修了試験合格後3年以内に行われる宅建試験が対象になります。期限が切れていないか確かめて下さい。
 

インターネット申込みの場合の注意点

「登録講習修了者証明書」に記載された修了番号等を入力してください。ただし、以下の場合はインターネットでの申し込みはできません。
  • 婚姻等による改姓等のため受験申込みの時点で「登録講習修了者証明書」の氏名と異なる場合
  • 登録講習修了者証明書の氏名が戸籍上の氏名(フリガナ)と異なる場合
  • 最終スクーリングの時期が6月中旬以降の場合
 

郵送申込みの場合の注意点

受験申込書に、所定の事項(登録講習修了試験合格年月日、修了番号、登録番号)を記入するとともに、登録講習機関の発行する「登録講習修了者証明書」を添付します(ホチキス留めします)。

なお、婚姻等による改姓等のため受験申込みの時点で「登録講習修了者証明書」の氏名と異なる場合は、戸籍抄本など改姓等の事実を証する書類も添付して下さい(ホチキス留めをします)。
 

宅建試験の受験地と受験票が送られてきます(9月~)

まずは、受験地と注意事項についてのハガキがご自宅に送られてきます。受験票はかなりギリギリになってから郵送されるので、少し焦ります。

なお、受験申込後の受験会場の変更は一切認められていません。また、受験票を紛失してしまった場合は、試験当日に、試験会場の入口付近に「相談係」が設けられていますので、氏名・生年月日を申し出て、受験票の再発行を受けましょう。
 

宅建試験の受験(10月)

試験日:2019年10月20日(日)(未定)
試験時間:13時から15時まで(2時間)

※ただし、登録講習修了者は、13時10分から15時まで(1時間50分)。

当日は、12時30分から受験に際しての注意事項の説明がはじまります。それまでに着席しておきましょう。なお、試験時間中の途中退出はできません。 途中退出された方は棄権又は不正受験とみなされ不合格となります。
 
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宅建試験の会場には早めに到着しましょう。受験票を紛失した方は試験会場に設置されている相談窓口で再発行手続を行います。

 

宅建試験の解答速報(10月)

多くの予備校等が宅建試験当日の夜に解答速報を行っています。ただ、各社大急ぎで解答を発表しようとするので、間違えることも多々あるので、夜8時以降くらいに見るのがお勧めです。解答速報に力を入れている機関の一部をご紹介します。  

宅建試験の合格発表(11月下旬~12月上旬)

合格発表日:(未定)

合格者にだけ、不動産適正取引推進機構から簡易書留で合格証書及びその後の手続の案内が送られてきます。不合格者へは通知がされません。
また、不動産適正取引推進機構のホームページにも、合格者受験番号、合否判定基準、試験問題の正解番号が掲示されます。

【関連サイト】

 

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宅建試験に合格した方だけに、自宅に合格証書とその後の手続についての詳細が送られてきます。

 

宅建業の実務経験2年以上ない方は登録実務講習を(1月~)

宅建試験に合格しただけでは、宅地建物取引士としての仕事はできません。都道府県知事に対して資格登録をする必要があります。その際、過去10年以内に宅地建物取引業に関連する実務経験が2年以上なければなりません。この要件は厳格です。宅地建物取引業者に勤務していても、人事、経理、総務等に勤務している場合は実務経験とはなりませんので注意しましょう。

ただ、2年以上の実務経験がない場合は、合格証書に同封されている案内に記載されている登録実務講習実施機関で50時間の講習を受講し、修了試験に合格すると資格登録ができます。登録実務講習実施機関は国土交通省のホームページに掲載されています。

【関連サイト】  

宅建試験受験場所の都道府県で登録手続を(1月~)

実務経験が2年以上あるか、登録実務講習を受講して修了試験に合格した場合は、宅地建物取引士として資格登録ができます。なお、受験した都道府県庁以外では受け付けてもらえませんので注意しましょう。

また、身分証明書は本籍地の役所でないと発行してくれないので注意です。さらに、登記されていないことの証明書(成年被後見人および被保佐人ではない旨の証明)は本局の法務局でないと発行してくれません。東京都だと九段下まで行く必要があります。

登録手数料:37,000円(現金のみ)

東京都で受験した場合の登録手続の詳細(東京都都市整備局)

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念願の宅地建物取引士証の交付(2月~)

無事に宅地建物取引士の資格登録が完了すると、約30日から40日後に、自宅に登録が完了した旨の通知が送られてきます。その通知をもって、再度都道府県庁に足を運び、宅地建物取引士証の交付申請を行います。
原則として、本人以外は申請手続ができません。約30分ほどで発行してもらえます。

交付手数料:4,500円(現金のみ)
 

さらなるスキルアップを目指す

宅建試験に合格すると、その余力でさらなるスキルアップを目指したくなるものです。しかも、宅建試験で学んだ知識は、他の多くの法律系の国家資格試験に役立ちます。

■不動産鑑定士
民法、宅地建物取引業法、不動産鑑定評価基準、法令上の制限が、試験範囲が重なります。不動産鑑定士の仕事には興味がない方でも、その肩書と知識で不動産投資ビジネスの専門家としてコンサルタント業務や、セミナー講師、大学講師、宅建法定講習・実務講習の講師として高額な報酬で講演活動もできるようになります。

■賃貸不動産経営管理士
住宅用の賃貸物件の管理(賃料等の受領、更新事務、原状回復等の終了事務)に関わる資格です。投資物件等のオーナーに対する重要事項説明や契約を行う重要な役割を担います。宅建試験の範囲と重なる部分も多く、ダブル受験がお勧めです。

■マンション管理士・管理業務主任者
不動産業界にお勤めの方は、併願する方がとても多い資格です。マンション管理部門のほうが不動産媒介部門よりも残業が少ないという利点もあったりします。

■FP、相続診断士
不動産投資ビジネスの部門で働くと世界中の富裕層が取引先となります。税金等の知識を含むお金の知識は必須です。資産運用の場面では相続税等の対策も重要となるので、FPと相続診断士の資格は両方取得しておくべきです。

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