新たな用途地域の創設とインスペクションが出題される!

平成30年度(2018年度)の宅建士試験における法改正の目玉は、
  • 生産緑地法の改正による田園住居地域の創設
  • 中古物件の流通を促すためのインスペクション制度
の創設の2つです。ただ、2つといっても、多くの法令・条項に影響を与える改正点となりますので、改正前から学習されている方は注意して下さい。

■宅建試験
  • 生産緑地地区内で直売所やレストラン等の設置が可能に
  • 新たに田園住居地域という用途地域が仲間入り
  • 空家対策は喫緊の課題
  • 既存建物取引時の情報提供が充実(宅地建物取引業法の改正)
  • 宅建業者による媒介・代理契約締結時のインスペクション
  • 宅建業者による重要事項説明時のインスペクション
  • 宅建業者による売買契約締結時のインスペクション
  • 自宅に居ながら重要事項説明が受けられるように
  • 空家の売買等に関しては調査費用も含めて報酬請求可能に
  • 税法の改正点
  • 独立行政法人住宅金融支援機構法の改正
 

生産緑地地区内で直売所やレストラン等の設置が可能に

これまで、生産緑地地区内では、設置可能な建築物を農業用施設に厳しく限定していましたが、農業団体等から直売所等の設置を可能とする要望があり、国家戦略特区会議にて農家レストランの設置検討についてとりまとめ改正されました。

改正前の生産緑地地区内に設置可能な施設は、農林漁業を営むために必要で、生活環境の悪化をもたらすおそれがないものに限定されていましたが、改正後は、営農継続の観点から、新鮮な農産物等への需要に応え、農業者の収益性を高める以下の施設が追加されました。

【追加する施設】
  1. 生産緑地内で生産された農産物等を主たる原材料とする製造・加工施設
  2. 生産緑地内で生産された農産物等又は1で製造・加工されたものを販売する施設
  3. 生産緑地内で生産された農産物等を主たる材料とするレストラン

※生産緑地の保全に無関係な施設(単なるスーパーやファミレス等)の立地や過大な施設を防ぐため、省令で下記基準を設けています。
  • 残る農地面積が地区指定の面積要件以上
  • 施設の規模が全体面積の20%以下
  • 施設設置者が当該生産緑地の主たる従事者
  • 食材は、主に生産緑地及びその周辺地域(当該市町村又は都市計画区域)で生産

《田中謙次の出題予想》
生産緑地法の出題は2001年以来ありません。その2001年の時の出題は生産緑地法8条から出題されています。今回の改正は、その8条が大幅に変更されたということなので、出題の可能性は十分あり得るということになります。前記の、新たに追加された施設を暗記しておきましょう。

なお、以下のような出題が予想されます。

【予想問題】
生産緑地法によれば、生産緑地地区内において生産された農産物等を主たる原材料として使用する製造又は加工の用に供する施設を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。

⇒×都道府県知事ではなく市町村長です。
 

新たに田園住居地域という用途地域が仲間入り

住宅と農地が混在し、両者が調和して良好な居住環境と営農環境を形成している地域を、あるべき市街地像として都市計画に位置付け、開発・建築規制を通じてその実現を図ることを目的に、新たに田園住居地域という用途地域が創設されました。

1.都市計画法の定義規定に追加
以下の規定が追加されました。

「田園住居地域は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする」(都市計画法9条8項)

田園住居地域内の都市計画の内容は、ほぼ低層住居専用地域と同様です。建ぺい率、外壁の後退距離(1.5m又は1mのうち都市計画で定めたもの)、建築物の高さの限度(12m又は10mのうち都市計画で定めたもの)等が低層住居専用地域と同じ基準となります。なお、建ぺい率は「建蔽率」と漢字表記となりました。

2.田園住居地域内における建築等の規制
都市計画法に、新たに、「第一節の二」という節が設けられ、田園住居地域内の建築等の規制が定められました。田園住居地域内の農地(耕作の目的に供される土地)の区域内において、土地の形質の変更、建築物の建築その他工作物の建設又は土石その他の政令で定める物件の堆積を行おうとする者は、原則として、市町村長の許可を受けなければなりません。

ただし、次の行為は許可不要です。
  1. 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
  2. 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
  3. 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為

なお、国又は地方公共団体が行うものについても許可不要ですが、その国の機関又は地方公共団体は、その行為をしようとする場合は、あらかじめ、市町村長に協議しなければなりません。
上記に違反すると50万円以下の罰金に処せられます。

3.田園住居地域の新設に伴い建築基準法にも条文が追加されました
田園住居地域内においては、特定行政庁が農業の利便及び田園住居地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合を除き、以下の建築物(建築基準法別表第二(ち)項)以外は建築できません。

1.第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物(以下のもの)
  • 住宅
  • 住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるもののうち政令で定めるもの
  • 共同住宅、寄宿舎又は下宿
  • 学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く。)、図書館その他これらに類するもの
  • 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
  • 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの
  • 公衆浴場(個室付浴場業を除く)
  • 診療所
  • 巡査派出所、公衆電話所その他これらに類する政令で定める公益上必要な建築物

2.農産物の生産、集荷、処理又は貯蔵に供するもの(政令で定めるものを除く)

3.農業の生産資材の貯蔵に供するもの

4.地域で生産された農産物の販売を主たる目的とする店舗その他の農業の利便を増進するために必要な店舗、飲食店その他これらに類する用途に供するもののうち政令で定めるものでその用途に供する部分の床面積の合計が500平方メートル以内のもの(3階以上の部分をその用途に供するものを除く)

5.に掲げるもののほか、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供するもののうち政令で定めるものでその用途に供する部分の床面積の合計が150平方メートル以内のもの(3階以上の部分をその用途に供するものを除く)

6.1~5の建築物に附属するもの(政令で定めるものを除く)

4.容積率・建蔽率・外壁の後退距離にも条文が追加
用途地域に田園住居地域が追加されたことにより以下の規定について低層住居専用地域と同様の規制が追加されました。
  • 容積率(52条)
  • 建蔽率(54条)
  • 10m又は12mの都市計画による高さ制限(55条)
  • 北側斜線制限(56条)

《田中謙次の出題予想》
用途地域内の規制は、都市計画法だけでなく建築基準法でもよく出題されています。その中でも、低層住居専用地域内の規制は頻出だったので、それと同様の規制となる田園住居地域も出題が予想されます。

なお、以下のような出題が予想されます。

【予想問題】
田園住居地域に指定されている区域内の土地においては、建築物を建築しようとする際、当該建築物に対する建築基準法第56条第1項第3号のいわゆる北側斜線制限の適用はない。ただし、特定行政庁の許可については考慮しないものとする。

⇒×田園住居地域にも北側斜線制限の適用があります。
 

空家対策は喫緊の課題

少子高齢化等から派生する、家賃滞納、孤独死、子どもの事故・騒音等への不安から入居拒否等の社会問題が生じています。また、総人口が減少する中で公営住宅の大幅増は見込めず、かつ、民間の空き家・空き室は増加傾向にあります。

そこで、空き家等を住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として賃貸人が都道府県等に登録する制度が創設されました。この登録制度が適用される住宅は、構造・設備、床面積等の登録基準への適合が要件となり、都道府県等は登録住宅の情報開示を行うとともに要配慮者の入居に関し賃貸人を指導監督することになります。

《田中謙次の出題予想》
新たな制度なので過去に出題されたことはありません。社会問題となっている空家対策に関連する改正点ですが、おそらく宅建士試験で出題するのは難しいと思います。余裕のある方だけ制度に目を通しておきましょう。

住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の改正
 

既存建物取引時の情報提供が充実(宅地建物取引業法の改正)

我が国の既存住宅流通シェアは、欧米諸国(約70~90%)と比較して極めて低い水準(14.7%)となっており、既存住宅の流通促進が、既存住宅市場の拡大による経済効果、ライフステージに応じた住替え等による豊かな住生活の実現等に役立つと思われています。

しかし、既存建物の取引の際、購入者は、住宅の質に対する不安を抱えています。また、既存建物は個人間で売買されることが多く、一般消費者である売主に広く情報提供や瑕疵担保の責任を負わせることは困難です。 そこで、不動産取引のプロである宅建業者が専門家による建物状況調査(インスペクション)(※)の活用を促すことで、契約当事者が安心して取引ができる市場環境が整備されました。

※建物状況調査(インスペクション)って何?
建物の基礎、外壁等に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化事象・不具合事象の状況を目視、計測等により調査するものです。
 

宅建業者による媒介・代理契約締結時のインスペクション

インスペクションを知らなかった消費者のサービス利用を促進するため、宅建業者がインスペクション業者のあっせんの可否を示し、媒介・代理の依頼者の意向に応じてあっせんします。
 
平成30年度(2018年度)宅建士試験用の改正点資料(宅地建物取引業法の改正・媒介・代理契約締結時の情報提供)

インスペクション 媒介・代理契約締結時の情報提供


具体的には、媒介・代理契約書面に、「建物状況調査を実施する者のあっせんの有無」について記載しなければなりません。なお、依頼者が建物状況調査について認識した上で既存住宅の取引を行えるよう、宅建業者は依頼者に対して、建物状況調査に関して説明を行うことが望ましいとされていますが、法的な義務はなく、取引士が説明する必要もありません。

また、購入希望の依頼者(交換により既存住宅を取得しようとする依頼者を含む。)が建物状況調査を実施する場合には、あらかじめ物件所有者の同意が必要です。さらに、建物状況調査を実施する者のあっせんは、媒介・代理業務の一環であるため、宅建業者は、依頼者に対し建物状況調査を実施する者をあっせんした場合において、報酬とは別にあっせんに係る料金を受領することはできません

《田中謙次の出題予想》
媒介代理契約は毎年必ず1~2問出題されている超頻出分野です。その点についてインスペクションの実施のあっせんについて追加されたので、かなり高い確率で出題が予想されます。最低限、上記の内容を暗記しておきましょう。

なお、以下のような出題が予想されます。

【予想問題】
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の既存建物の売却に係る媒介を依頼された。当該契約が専任媒介契約である場合は、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を、当該契約書面に記載する必要があるが、一般媒介契約にはそのような義務はない。

⇒×一般媒介契約にも記載する必要があります。
 

宅建業者による重要事項説明時のインスペクション

建物の質を踏まえた購入判断や交渉を可能にすることと、インスペクション結果を活用した既存住宅売買瑕疵保険の加入を促進することを目的として、インスペクションの実施の有無と実施した場合の結果の概要が重要事項説明の対象となりました。
 
平成30年度(2018年度)宅建士試験用の改正点資料(宅地建物取引業法の改正・重要事項説明時の情報提供)

インスペクションの実施の有無と実施した場合の結果の概要が、重要事項説明の対象となりました。


具体的には、建物状況調査が過去1年以内に実施されている場合には、建物状況調査を実施した者が作成した「建物状況調査の結果の概要」に基づき、劣化事象等の有無を説明しなければなりません。

建物の建築及び維持保全の状況に関する書類(宅地建物取引業法施行規則16条の2の3)の保存の状況に関して説明する必要がありますが、原則として、その書類の有無を説明すればよく、その書類に記載されている内容の説明までは義務付けられていません。

《田中謙次の出題予想》
重要事項説明は毎年必ず2~4問出題されている超頻出分野です。その点についてインスペクションの結果の概要が追加されたので、かなり高い確率で出題が予想されます。ただ、詳細な内容までは出題されないと思われるので、貸借の場合も記載が必要である点や、1年以内に実施されたものに限ることや、建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存状況についてはその内容までは説明する必要がない点を覚えておけば十分でしょう。

なお、以下のような出題が予想されます。

【予想問題】
宅地建物取引業者が既存建物の媒介を行うに際して、当該建物が3カ月前に物件状況調査を実施していた場合、その結果の概要を、購入希望者に対しては宅地建物取引業法第35条に定める重要事項説明書面に記載する必要があるが、賃借を希望する者に対してはその必要がない。

⇒×貸借の媒介においても記載する必要があります。
 

宅建業者による売買契約締結時のインスペクション

既存建物の瑕疵をめぐった物件引渡し後のトラブルを防止するため、基礎、外壁等の現況を契約当事者(売主と買主)が相互に確認し、その内容を宅建業者から売主・買主に書面で交付することが義務付けられました。貸借の場合は義務ではありません
 
平成30年度(2018年度)宅建士試験用の改正点資料(宅地建物取引業法の改正・売買契約締結時の情報提供)

既存建物の瑕疵をめぐった物件引渡し後のトラブルを防止するため、基礎、外壁等の現況を契約当事者(売主と買主)が相互に確認し、その内容を宅建業者から売主・買主に書面で交付することが義務付けられました。


契約当事者が相互に確認する内容は、原則として、建物状況調査等、既存住宅について専門的な第三者による調査が行われ、その調査結果の概要を重要事項として宅建業者が説明した上で契約締結に至った場合のその「調査結果の概要」をいいます。これを37条書面(契約書)に記載します。確認した事項がない場合は、ない旨を記載します。

《田中謙次の出題予想》
37条書面はほぼ毎年1問程度出題されている重要分野です。その点についてインスペクションの結果の概要が追加されたので、かなり高い確率で出題が予想されます。重要事項説明とは異なり、既存建物の貸借の場合は記載が義務付けられていないので注意が必要です。

なお、以下のような出題が予想されます。

【予想問題】
宅地建物取引業者であるAは、既存建物の貸借の媒介に際して、3カ月前に実施された物件状況調査の結果の概要を、宅地建物取引業法第35条に定める重要事項として賃借を希望するBに説明する必要があるが、当該調査結果の概要について契約当事者の双方が確認した事項を同法第37条に定める書面には記載する必要がない。

⇒〇
 

自宅に居ながら重要事項説明が受けられるように

宅地又は建物の貸借の代理又は媒介に係る重要事項の説明にテレビ会議等のITを活用するにあたっては、次に掲げるすべての事項を満たしている場合に限り、対面による重要事項の説明と同様に扱われます。
 
  1. 取引士と重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していること。
  2. 取引士により記名押印された重要事項説明書及び添付書類を、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ送付していること。
  3. 重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあること、ならびに映像及び音声の状況について、取引士が重要事項の説明を開始する前に確認していること。
  4. 取引士が、取引士証を提示し、重要事項の説明を受けようとする者が、その取引士証を画面上で視認できたことを確認していること。

《田中謙次の出題予想》
これはインスペクションとは関係ない改正点です。平成26年に宅地建物取引主任者から宅地建物取引士に格上げされた理由がこの改正点に関係しています。お客様が店舗に顔を出さなくても重要事項説明を受けられるようにしたことで、急な転勤でも転勤先に何度も足を運ぶことなく物件を確保しやすくなりました。

なお、以下のような出題が予想されます。

【予想問題】
宅地建物取引業者は、購入希望者の承諾があれば、インターネット上の回線を利用して宅地建物取引業法第 35 条に規定する説明を行うことができる。なお、重要事項説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

⇒×IT重要事項説明は貸借でのみ認められています。
 

空家の売買等に関しては調査費用も含めて報酬請求可能に

長らく空家となっている物件を売却・交換する場合、通常よりも現地調査等の費用がかかることが多いにもかかわらず、物件の傷み具合によっては代金や評価額が安くなり、通常の計算方法による報酬額では割に合わないことがあります。そこで、一定の空家の売買・交換の媒介・代理の場合には特例が認められました。

1.空家等の要件
代金または交換に係る宅地もしくは建物の価額(消費税を含まない。)が400万円以下のもの

2.適用の要件
通常よりも現地調査等の費用を要すること。

3.媒介の場合
空家等の売主または交換を行う者が依頼者であった場合は、その者から受領できる報酬の額(消費税等相当額を含む)は、通常の計算方法により算出した金額と、その現地調査等に要する費用に相当する額を合計した金額となります。ただし、その依頼者から受ける報酬の額は18万円の1.08倍に相当する金額を超えることができません。
 
平成30年度(2018年度)宅建士試験用の改正点資料(宅地建物取引業法の改正・空家等における報酬額の計算)

空家等の売買の媒介における報酬額の計算


4.代理の場合
空家等の売主または交換を行う者が依頼者であった場合は、その者から受領できる報酬の額(消費税等相当額を含む)は、媒介における通常の計算方法により算出した金額と、空家等の媒介における特別の計算方法により算出した金額を合計した金額となります。

ただし、宅建業者がその売買または交換の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が、媒介における通常の計算方法により算出した金額と、空家等の媒介における特別の計算方法により算出した金額を合計した金額を超えてはなりません。
 
平成30年度(2018年度)宅建士試験用の改正点資料(宅地建物取引業法の改正・空家等における報酬額の計算)

空家等の売買の代理における報酬額の計算


《田中謙次の出題予想》
人口減少の影響で都心部においても空家が目立つ状況となり宅建業法も改正されました。報酬額の計算は毎年1問出題される超頻出分野です。出題の可能性は高いと予測されます。一度は必ず自分で計算しておきましょう。

なお、以下のような出題が予想されます。

【予想問題】
宅地建物取引業者A社(消費税課税事業者)は売主Bから空家物件の売買の代理の依頼を受け、BとCの間で売買契約を成立させた。A社は、Bから通常の媒介報酬の計算による限度額まで受領できるほかに、現地調査にかかった費用の全額を常に受領することができる。

⇒×常に全額の請求ができるわけではありません。
 

税法の改正点

1.新築住宅に係る税額の減額措置の延長(固定資産税)
住宅取得者の初期負担の軽減を通じて、良質な住宅の建設を促進し、居住水準の向上及び良質な住宅ストックの形成を図るため、新築住宅に係る固定資産税の減額措置が2年間延長されました。

【特例措置の内容】
新築住宅に係る税額の減額措置
一般の住宅:3年間…税額1/2減額
マンション:5年間…税額1/2減額

【結果】
現行の措置を2年間(平成30年4月1日~平成32年3月31日)延長。

2.認定長期優良住宅に係る特例措置の延長(登録免許税・不動産取得税・固定資産税)
耐久性等に優れ、適切な維持保全が確保される住宅の普及を促進するため、認定長期優良住宅に係る登録免許税、不動産取得税、固定資産税の特例措置が2年間延長されました。

【特例措置の内容】
・登録免許税
税率を一般住宅特例より引き下げ
所有権保存登記:一般住宅特例0.15%→0.1%
所有権移転登記:一般住宅特例0.3%→戸建て:0.2%
→マンション:0.1%

・不動産取得税
課税標準からの控除額を一般住宅特例より増額
一般住宅特例1,200万円→1,300万円

・固定資産税
一般住宅特例(1/2減額)の適用期間を延長
戸建て:3年→5年
マンション:5年→7年

【結果】
現行の措置を2年間(平成30年4月1日~平成32年3月31日)延長。

3.買取再販で扱われる住宅の取得等に係る特例措置の延長・拡充(登録免許税・不動産取得税)
既存住宅流通・リフォーム市場の活性化を図るため、一定の質の向上が図られた既存住宅を取得した場合の登録免許税の特例措置が2年間延長されました。併せて、買取再販事業者が既存住宅を取得し、一定のリフォームを行った場合、敷地に係る不動産取得税を減額する特例措置が講じられました。

【特例措置の内容】
登録免許税(買主)…税率を一般住宅特例より引き下げ
不動産取得税(事業者)…築年数に応じ一定額を減額
 
平成30年度(2018年度)宅建士試験用の改正点資料(税法の改正・買取再販)

買取再販で扱われる住宅の取得等に係る特例措置の延長・拡充(登録免許税・不動産取得税)


【結果】
  • 登録免許税(買主):現行の措置を2年間(平成30年4月1日~平成32年3月31日)延長。
  • 不動産取得税(事業者):一定の場合(※1)に特例措置の対象を敷地部分に拡充(敷地に係る不動産取得税を減額(※2))。

※1:対象住宅が「安心R住宅」である場合または既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入する場合
※2:「45,000円」「土地1平方メートルあたり評価額×1/2×住宅の床面積の2倍(上限200平方メートル)×3%」のいずれか多い方を減額

4.既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームに係る特例措置の延長(固定資産税)
既存住宅の耐震化・バリアフリー化・省エネ化・長寿命化を進め、住宅ストックの性能向上を図るため、住宅リフォーム(耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォーム)をした場合の特例措置が2年間延長されました。

【特例措置の内容】
工事翌年の固定資産税の一定割合を減額
 
宅建,改正,法改正,宅建試験,2018,宅建2018法改正,宅建士,改正点

既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームに係る特例措置の延長(固定資産税)


※耐震改修又は省エネ改修を行った住宅が認定長期優良住宅に該当することとなった場合

【結果】
現行の措置を2年間(平成30年4月1日~平成32年3月31日)延長。

5.居住用財産の買換え等に係る特例措置の延長(所得税・個人住民税)
国民一人一人が、それぞれのライフステージに応じた住宅を無理のない負担で円滑に取得できる住宅市場を実現するため、居住用財産の買換え等に係る特例措置が2年間延長されました。

【特例措置の内容】
《譲渡損が生じた場合》
  • 住宅の住替え(買換え)で譲渡損失が生じた場合であって、買換資産に係る住宅ローン残高がある場合は、譲渡損失額を所得金額の計算上控除(以降3年間繰越控除)
  • 住宅を譲渡した際に譲渡損失が生じた場合であって、譲渡資産に係る住宅ローン残高が残る場合は、住宅ローン残高から譲渡額を控除した額を限度に、所得金額の計算上控除(以降3年間繰越控除)

《譲渡益が生じた場合》
・住宅の住替え(買換え)で、譲渡による収入金額が買換資産の取得額以下の場合は、譲渡がなかったものとして、譲渡による収入金額が買換資産の取得額以上の場合は、その差額分について譲渡があったものとして課税

【結果】
現行の措置を2年間(平成30年1月1日~平成31年12月31日)延長。

6.都市農地の保全のための制度充実に伴う所要の措置(相続税・固定資産税等)
都市農業振興基本計画(平成28年5月閣議決定)や改正生産緑地法・都市計画法を踏まえ、都市農業の多様な機能の発揮や都市農地の保全・活用を推進するために必要な税制上の所要の措置が講じられました。

《固定資産税等》
・特定生産緑地に指定された生産緑地に対して、農地評価・農地課税を適用

※特定生産緑地に指定されない生産緑地に対して、急激な税額上昇を抑制するため、5年間の激変緩和措置を適用

田園住居地域内の農地(300平方メートルを超える部分)に対して、評価額を1/2に軽減する特例措置を適用

《相続税・贈与税等》
・特定生産緑地に指定された生産緑地に対して、納税猶予を適用

※特定生産緑地に指定されない生産緑地に対して、既に納税猶予を受けている場合、当代に限り、猶予を継続する経過措置を適用
※別途、生産緑地を貸借した場合でも、相続税の納税猶予を適用

・田園住居地域内の農地に対して、納税猶予を適用

7.土地等に係る不動産取得税の特例措置の延長(不動産取得税)
土地等の流動化・有効利用の促進等を図るため、以下の特例措置が3年間延長されました。

【特例措置の内容】
  • 宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例措置(1/2控除)
  • 土地等の取得に係る不動産取得税の税率の特例措置(特例3%、本則4%)

【結果】
現行の措置を3年間(平成30年4月1日~平成33年3月31日)延長。
 

独立行政法人住宅金融支援機構法の改正

機構が行う業務の範囲を定めた法13条に以下の2つが追加されました。
  • 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律19条の規定による貸付けを行うこと
  • 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律20条1項の規定による保険を行うこと

《田中謙次の出題予想》
税法の改正は実施的にはないに等しいです。買取再販については創設された際にも出題がないので、今回の改正も出題の可能性は低いといえます。
また、住宅金融支援機構法の改正は超重要です。いわゆる5点免除講習を受講されていない方はしっかりと暗記しておきましょう。

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。