パルスに寄生するノイズが原因ではないか?
最初に結論を述べると、デジタルデータを送る矩形状のパルスに寄生するノイズやパルスの乱れが、出力音を生み出すアナログ回路に影響を与えているのではないだろうか。ただし、本当のところは分からない。あくまでも推測に過ぎない。
デジタルデータ搬送の仕組み
LANの規格であるBASEバンドは、電圧の高低を持つ矩形波で0と1を送信する。矩形波で0と1を表現する。
中央の線は、スレッショルド(threshold)といい、日本語に直すと「しきい値」となる。つまり、しきいとなる中央の線より電圧が上なら1、下なら0という訳だ。
とはいっても、電圧が、しきい値付近にある場合、電圧が少しでも揺らぐと1として解釈されたり0と解釈されたりするので、実際にはしきい値に幅を持たせて、「?V以下なら0」「?V以上なら1」というように上限と下限が規定されている。
以上のような仕組みでデジタルデータが搬送されるのだが、以下のように多少ノイズが混じって矩形波が乱れても、しきい値から外れなければ0が1に変わってしまうようなことはない。これがデジタルデータを搬送するときの利点で、ノイズはデータ自体に影響を及ぼさない。
しきい値の仕組みがあるので多少ノイズがあってもデータは変わらない。
矩形波パルスにノイズが混入する事例
さて、デジタルデータを表す矩形波が下図のように奇麗であれば、問題はない。問題のない波形
しかし、実際の矩形波は、ノイズが混じる。ノイズが混じってもデジタルデータ自体に影響はないが、ノイズがアナログ回路に影響を及ぼすのではないだろうか。
ノイズの乗った例
このような矩形波をDAC(digital to analog converter デジタル-アナログ変換回路)でアナログ信号に直す時、何らかの影響が出ないのだろうか。
オーバーシュートとアンダーシュートの例
立ち上がりで角が取れてしまった。
まとめ
このように推測ではあるが、矩形波というパルスに寄生するノイズやパルス自身の乱れがデジタル回路を通り過ぎ、アナログ回路に影響を与えるのではないかと思う。高級なオーディオ用NASは、高級な部品を用い、さらに洗練された回路で奇麗な矩形波を出すように設計されていることが、高音質に繋がっているのではないかと思う。
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