「一人で抱え込んで、結局ダウンしてしまう人」になる前に……
1人では抱えられない課題を1人だけで抱えていませんか?
このような大変な時期は誰の人生にもあるものですが、他人に迷惑をかけることや、つらい顔や苦しい顔を見せることに抵抗が強い人は、一人で苦しみを抱えてしまいがちです。
しかし1人で頑張ってしまうと、周囲の人は抱えている苦しみになかなか気づけず、手を貸すことができないものです。結果的に、極限まで一人で頑張りすぎてしまい、心身の健康を崩してダウンしてしまう人が少なくありません。
「迷惑をかける」と思う前に知っておくべき「ヘルパーセラピー原則」
一人で抱え込んで頑張ってしまう人は、周りに対して過剰に心配してしまう傾向があるようです。自分が窮状を訴えたときに助けてくれそうな相手に対し、「迷惑をかけてしまうかも?」「忙しい相手の時間を奪ってしまう」と思って、困っていると伝えるのを躊躇ってしまうことも少なくありません。そんな人にはぜひ、人間には「困っている人を見たら手を貸してあげたい」「誰かのために、自分自身を役立てたい」という本質的な欲求があることを覚えておいていただきたいです。
医療や福祉の領域には、「ヘルパーセラピー原則」という言葉があるのをご存知でしょうか? これは、リースマンが提唱した概念で、「援助をする人が最も多くの援助を受ける」ということを意味します。つまり、誰かを助けようとする人にとっては、困っている人の役に立つことが、とても大きな喜びや充足感につながる行為になるのです。
熊本地震や東日本大震災では、たくさんの人がボランティアとして現地に向かいました。これも、ヘルパーセラピー原則に基づく心理だと考えられます。
では、「上手に他者に頼れる人」になるには、どのようなことを心がけるとよいのでしょう? 次のページでそのヒントをお伝えします。