住宅ローン控除などにおける適用要件の一部緩和

適用者の多い住宅ローン控除制度ですが、これまで「取得時点で居住者(国内に居住する者)であること」が一つの要件となっており、海外赴任者が帰国前に住宅を購入するようなケースでは適用されませんでした。

平成28年度の税制改正ではこの点が改められ、「非居住者」であっても、その他の要件を満たせば次の特例が適用されることになりました。「取得後6か月以内に入居すること」などは求められますが、従来よりは柔軟性が増したといえるでしょう。

住宅ローン控除以外にも、いくつかの特例などで同様の対応がとられています。

緩和の対象となるのは次の特例措置などです。
□ 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(住宅ローン控除)
□ 特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例
□ 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除
□ 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除
□ 認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除
□ 東日本大震災の被災者等に対する一定の特例措置

なお、この改正は平成28年4月1日以降の新築、購入、増改築などが対象です。


その他、適用期限の延長など

新築住宅にかかる固定資産税の減額措置(一般の一戸建て住宅などは3年間、マンションなどは5年間)の適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までとなります。

また、認定長期優良住宅にかかる登録免許税、不動産取得税、固定資産税の特例措置も適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までとなります。認定低炭素住宅にかかる登録免許税の軽減措置も同様に2年延長され、平成30年3月31日までとなります。

さらに、買取再販事業者が耐震、省エネ、バリアフリーなど「一定の質の向上を図るための改修工事をした既存住宅」を購入した買主にかかる登録免許税を軽減する特例措置の適用期限も、同じく2年延長され、平成30年3月31日までとなります。

耐震改修をした既存住宅にかかる固定資産税の減額措置は2年3か月延長、バリアフリーまたは省エネ改修をした既存住宅にかかる固定資産税の減額措置は2年延長され、適用期限がそれぞれ平成30年3月31日までとなります。内容により異なっていた期限を揃えたものでしょう。

なお、バリアフリー改修をした住宅の固定資産税軽減措置については、これまで平成19年1月1日以前に建築された住宅が対象となっていましたが、「築後10年を経過した住宅」が対象に追加されると同時に、床面積要件(改修後の床面積が50平方メートル以上)も加えられました。

省エネ改修をした住宅の固定資産税軽減措置についても、同様に床面積要件(改修後の床面積が50平方メートル以上)が追加されています。

居住用財産の買換えなどにかかる特例措置(利益があった場合の買換え特例、損失があった場合の損益通算および繰越控除の特例)については、いずれも適用期限が2年延長され、平成29年12月31日までとなっています。

不動産取得税について、一定の住宅用地にかかる減額措置の期間要件を緩和する特例措置、宅地建物取引業者が取得する新築住宅の取得日に関する特例措置についても、それぞれ適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までとなります。

適用期限を迎えた特例措置などの大半がおおむね2年延長された一方で、省エネ改修工事にかかる住宅ローン控除において「改修後の住宅全体の省エネ性能または断熱等性能が改修前から一段階以上あがると認められる工事内容であること」とする要件を緩和する措置は、期限(平成27年12月31日)の到来をもって廃止されました。


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