なかなかはっきりしなかった平成23年度の税制改正ですが、6月22日に成立のうえ、6月30日に公布・施行されています。当初の予定から変わった部分もあって少し分かりづらいのですが、住宅関連ではどのような改正があったのか、主なものを整理しておきましょう。


税制改正までの経緯は異例の展開に

平成23年度の税制改正に関する「所得税法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、国会に提出されたのは1月25日。ここまではほぼ例年どおりのスケジュールだったのですが、衆参のねじれ状態によってもともとスムーズな国会運営が困難だったところに東日本大震災が発生し、混乱に拍車をかけることとなりました。

3月31日までに税制改正法案を成立させることができなかったため、「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律」(つなぎ法案)が4月1日に施行され、これによって、住宅関連では「住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の特例措置」と「工事請負契約書および不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置」の2件について、適用期限が6月30日まで3か月間延長されました。

そして、つなぎ法案の失効を目前にした6月22日に、与野党の合意項目だけを切り離して当初の法案を大幅に修正した「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」(ややこしい!)がようやく成立し、6月30日に公布・施行されています。

ちなみに、閣議決定された内容どおりに可決・成立することが慣例となっている税制改正法案が修正されたのは、細川護煕政権当時の平成6年(1994年)以来、17年ぶりとのことです。


住宅売却時の確定申告には要注意!

当初の改正案の内容を全体的にみると課税強化、罰則強化の色合いが強く、住宅関係の項目ではもともと目立った施策はありませんでした。今回成立した税制改正では罰則強化が先行したのに対し、それに組み合わせるべき納税者の権利明文化などは先送りとなっています。

「確定申告書等をその提出期限までに提出しないことにより所得税を免れた者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとする」という、故意の申告書不提出による「ほ脱犯」が創設されました。

住宅ローン控除など所得税の還付を受けるときには関係ありませんが、住宅など不動産を売却して所得税が課せられるとき、翌年の確定申告をうっかり忘れると大変なことになりそうです。


登録免許税の軽減措置、印紙税の特例措置は2年延長

住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の軽減措置(所有権の保存登記、所有権の移転登記、抵当権の設定登記)、工事請負契約書および不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置の2件については、当初の予定どおり適用期限がそれぞれ平成25年3月31日まで延長されました。


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