平成25年度の税制改正では、住宅ローン控除の延長および拡充、相続税の課税強化などが大きく取り上げられています。しかし、住宅ローン控除の拡充は消費増税に合わせて来年(平成26年、2014年)4月から、相続税の改正は再来年(平成27年、2015年)1月から実施されるものです。通常の流れであれば、来年度あるいは再来年度の税制改正によるべきものが先取りして盛り込まれたため、今年の税制改正内容がやや分かりづらくなっている面も否めません。今年(平成25年、2013年)の住宅税制がどうなったのか、しっかりと確認しておくようにしましょう。


今年の住宅ローン控除は従来の予定どおり

今年12月31日までに入居した場合における住宅ローン控除は、平成21年度の税制改正で定められた内容のままで、特別な変更事項はありません。ただし、既存住宅売買瑕疵保険に加入した一定の中古住宅を適用対象に加えること、および転勤などに伴う再居住の適用要件緩和、認定低炭素住宅の適用対象拡大(平成25年6月1日以降の居住にかぎる)が今年から実施されます。


来年からの住宅ローン控除は?

今年12月31日までの予定だった住宅ローン控除の適用期限が平成29年(2017年)12月31日まで4年間延長されるとともに、来年4月に予定される消費増税に合わせて最大控除額が400万円(認定長期優良住宅および認定低炭素住宅は500万円)に拡大されます。また、それと同時に住民税からの控除上限額も引き上げられます。
住宅ローン控除の改正
ただし、平成26年4月以降に引き上げられた最大控除額が適用されるのは、取得した住宅に含まれる消費税が8%または10%の場合だけです。消費税が課税されない中古住宅を取得した場合、あるいは今年9月30日までに契約をして特例により5%の消費税が課税された新築住宅の場合には、来年4月以降の入居であっても最大控除額は200万円のままとなります。消費増税の実施が見送られた場合も同様に、最大控除額の引き上げは行なわれません。

なお、消費増税に伴う負担緩和策として「給付措置」の導入が検討されています。こちらは今年の夏頃までに具体的な内容が明らかにされる予定です。


投資型減税の延長および拡充

認定長期優良住宅の場合には、住宅ローンを借りなくても所得税の控除が受けられる措置が講じられています。こちらも今年12月31日までの適用期限だったものが4年間延長されるとともに、来年4月からは控除限度額が引き上げられます。それと同時に、認定低炭素住宅も投資型減税の対象に加わります。いずれにせよ、住宅ローン控除と同じく今年は従来の制度のままです。
投資型減税の改正
なお、住宅ローン控除の場合と同様に、平成26年4月1日以降の入居であっても課税された消費税が5%だった場合には、控除限度額の引き上げが適用されず50万円のままとなります。


特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の延長および拡充

既存住宅で一定の省エネ改修工事またはバリアフリー改修工事をした場合における特別控除の適用期限(平成24年12月31日)が5年間延長され平成29年12月31日までとなります。また、一定の耐震改修工事をした場合における特別控除の適用期限(平成25年12月31日)が4年間延長され、同じく平成29年12月31日までとなります。これらについても平成26年4月から控除限度額が引き上げられますが、課税される消費税が5%だった場合は他の特例と同様に従前の控除限度額が適用されます。

なお、平成26年4月の控除限度額引き上げに伴い、控除額の計算方法などについていくつかの変更が加えられます。
改修工事にかかる特別控除の改正
【追記】(2013年6月1日)上記のうち「バリアフリー改修工事」における控除限度額について、財務省による条文改定作業で前代未聞のミスのあったことが発覚しました。その結果、誤った規定を優先することになり、控除限度額は平成25年1月1日に遡って「20万円」に引き上げられます。平成25年1月1日から平成29年12月31日まで、改修工事限度額が200万円、控除率が10%、控除限度額が20万円となります。


特定の改修工事における住宅ローン控除の延長および拡充

一定の省エネ改修工事またはバリアフリー改修工事を行なった場合、前記の税額控除あるいは通常の住宅ローン控除のほかに、独自の基準による住宅ローン控除制度(5年間)があり、要件に当てはまれば、そのうちいずれか有利なものを選択して適用することができます。この特定の改修工事における住宅ローン控除についても、当初の期限(今年12月31日)が4年間延長されるとともに、来年4月から若干の拡充が行なわれます。
改修工事にかかる住宅ローン控除の改正
なお、平成26年4月の最大控除額引き上げに合わせ、費用の額(補助金などの交付がある場合はそれを除いた後の金額)の要件が、50万円(現行30万円)を超える場合に改められます。平成26年4月以降であっても、消費税率5%が適用された場合は現行の規定のままとなります。


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