「松崎煎餅 松陰神社前店」オープン!
2016年4月9日に、創業200余年の老舗和菓子店「銀座 松崎煎餅」による新業態「松崎煎餅 松陰神社前店」がオープンしました。新店舗オープンに際し、思い切って店名から「銀座」の地名を外した理由を、伺ってきました。創業200余年「銀座 松崎煎餅」
1804年(文化元年)創業の、老舗和菓子店「銀座 松崎煎餅(まつざきせんべい)」。創業当時から作られている、小麦粉を原料にした甘く香ばしい「瓦煎餅」に、焼印や砂糖蜜で花鳥風月を描いた、美しい「三味胴(しゃみどう)」が、代表銘菓として知られます。
大正時代から作り始めたという、もち米が原料の「あられ」や、うるち米が原料の「煎餅」も含め、同店の煎餅は、日常のおやつというよりは、ちょっと特別な贈答用という印象ですが、200余年前の創業当時は、町の人が気軽に立ち寄る「街のせんべい店」として親しまれていたのだそうです。
カフェ併設の「松崎煎餅 松陰神社前店」
その原点に立ち返り、地域密着をコンセプトに、松陰神社通り商店街(東京都世田谷区)に開いた新業態、「松崎煎餅 松陰神社前店」。「お客さまと、お煎餅のことをお話しできるような」店づくりを目指し、物件を探す中で出会ったという現在地。新旧のお店がよいバランスで共存し、歩いている人たちが楽しそうな松陰神社通り商店街の雰囲気に、社長で7代目の松崎宗仁さん、副社長の宗平さん、お2人共にピンときたそう。
「銀座 松崎煎餅」は、最初から銀座にあったのではなく、元々は芝の魚籃坂で創業し、銀座へは1865年に移転しました。
そのため、「原点回帰」を掲げる新業態、松陰神社前店では、店名から「銀座」の文字を外し、「松崎煎餅 松陰神社前店」としています。その結果、街並みに溶け込みやすくなり、内覧会の時点で既に商店街の風景に馴染んでいました。
商店街に面した全面がガラス張りで、カフェを併設した店舗は、一人でも立ち寄りやすい、カジュアルな雰囲気です。
ベビーカーなどでも、気軽にお煎餅を選べるようにと、物販のスペースは段差がなく、広々としています。
物販では、銀座 松崎煎餅の主要商品やおすすめの煎餅のほか、限定品も並びます。
「松崎煎餅 松陰神社前店」のロゴが付いたものは、この店舗の限定品。ここで人気が出たものは、本店での商品化も検討されるそうです。
「松崎煎餅 松陰神社前店」おすすめメニュー
カフェスペースでは、オーガニック・ケータリングユニット“MOMOE”がプロデュースする2種類のランチが数量限定で楽しめるほか、「あんみつ」や「おしるこ」などの甘味、夏季限定の「かき氷」、瓦煎餅と相性ぴったりの、ハンドドリップコーヒーなどが楽しめます。野菜がたっぷり使われている7種盛りの定食は、酸味、旨み、香ばしさなど、メリハリの効いた味付けで、オーガニック野菜のおいしさが存分に楽しめる、満足度の高い内容。
艶やかに炊かれた北海道産小豆の粒餡と、宇治抹茶を使った香り高いシロップを惜しげもなく使ったかき氷は、宗平さんが、「氷の削り方は本店の喫茶とは変えています。こちらでは、スムージーのような口溶けになっています」と話すとおり、キメが細かくふんわりしっとりしています。
卵と小麦粉を使った甘い瓦煎餅は、元々コーヒーととてもよく合うと、副社長の宗平さん。この機会に、その相性の良さをぜひ知ってもらおうと、満を持して提供するのは、葉山のTHE FIVE BEANSのコーヒー豆を使ったハンドドリップコーヒー。
ギリギリまで調整したというコーヒーの、程よいコクと酸味は、瓦煎餅の香ばしい甘さに、すっと馴染みます。
街のコミュニティの場になればと、今後は、親子で楽しめる瓦煎餅の絵付けワークショップも開催する予定があるそう。
人々の暮らしと、日常に寄り添う煎餅店の誕生です。
<店舗情報>
■「松崎煎餅 松陰神社前店」
所在地:東京都世田谷区若林3-17-9
電話:03—6884-3296
営業時間:11:30~19:00(L.O.18:30)
定休日:水曜日
地図:松崎煎餅 松陰神社前店