西湖龍井の魅力はこうばしい炒り豆の香り!
龍井茶の最大の魅力はその独特の味と香りにあります。概して、小さな芽だけでお茶を作ると雑味のない品の良い甘さが生まれます。西湖龍井はその茶葉を釜で炒って仕上げるので、上品な甘さに炒った豆のようなこうばしい香りが合わさります。その他に類をみない絶妙なバランスがこのお茶を中国茶の最高峰と言わしめていて、沢山の中国茶好きを虜にしているというわけです。温度を加減しながら釜で炒っていきます。
釜に押し付けて茶葉を扁平にします。
※釜炒りの様子をご覧になりたい方はこちらもどうぞ(動画:Facebook)
よいお茶の見本のような茶葉。色、形を覚えておかれると良いと思います。
龍井茶はガラスのコップで飲むのが美味しい
農家での定番の飲み方です。
飲む前にお湯を少量、茶葉が浸るぐらい注ぎ、まずは香りを楽しみます。釜炒りのこうばしい香りと緑の甘い香りが一気に立ち上り、一息で春の到来を感じる事ができます。それが中国茶好きがこのお茶を待ちわびる理由なのだと思います。
グラスで飲むのが通。香りが高く、美味しい龍井茶
のどかな梅家塢の村
龍井茶を買い付けにくる高級車。私が訪れた時は少し早かったのですが、こういった茶楼が軒を連ねお茶や食事を振舞ってくれます。
今年の初摘みは3月8日頃と、とても早かったです。ここ数年、初摘みは早まる傾向にあるのですが、それでも特に早かったと言えるでしょう。価格については、私が訪れた時は、まだお茶が市場に出回っていなかったので予想でしたが、例年並みの高値にはなるだろうということでした。
中国緑茶の最高峰という意味は、美味しさだけではなく値段にも言われていることで、本物の西湖龍井は産地の価格でも一斤(500g)で数万円の値が付きます。市場に出れば倍以上とも言われています。それでも、このお茶を求めて中国全土からお茶好きが産地に集まってきます。農家さんの話によると、中国では春先に西湖龍井を飲むことが一種のステイタスになっていて、自宅用だけではなく贈答用にと大量に注文してくる人もいるそうです。これも近年の中国経済の影響だとか。でも、昨年あたりから少し落ち着いてきてもいるようです。
日本で飲めるようになるのは、早くて4月の中旬ぐらいからでしょうか。お値段は少々高いと思いますが、もし出会う機会がありましたらぜひグラスで飲んでみてください。中国茶好きを魅了して止まない西湖龍井、きっと春を感じられることと思います。