「成功は運によるもの」と考える人の思考パターンとは?
「成功は運のせい、失敗は才能のせい」と口走っていませんか?
ワイナーの「成功・失敗の原因帰属」理論によると、達成動機が低い人は、成功は「運」によるものだと考え、失敗は「才能の差」によるものだと考えます。運は外的なものであり、それらは一貫性がなく不安定であるため、セルフコントロールが不可能です。一方、才能の高低は生まれつきの特性であるため、これもまたセルフコントロールが不可能です。
つまり、達成動機が低い人は、成功してもそれを「運のおかげ」だと感じ、努力ではどうにもならないものだと感じるため、「努力を続けて、次も成功しよう」という意志をもちにくくなります。すると努力を怠り、現実に失敗してしまいますが、その失敗は「才能がないせい」だと捉え、「才能の高低は努力してもどうにもならない」と考えてしまうので、ますます達成動機が低くなり、成功への道が遠のいてしまうのです。
がむしゃらに努力して「努力の効果」を体感してみよう
このように、成功・失敗の原因の捉え方ひとつで、その後の成長は変わってしまいます。もし、日本ラグビー代表の五郎丸選手が、南ア勝利後のインタビューで「運が良かった」などと口走っていたら、誰も日本チームの実力を信じられなかったでしょう。相当の努力をしている人は、そもそも成功を「運」のせいだとは思わないのです。「運」をよく口にする人は、自分は十分に努力しているだろうかと振り返ってみましょう。成功を運だと感じるのは、努力がもたらす成功への効果を、まだ十分に実感できていないからではないでしょうか? 一度、がむしゃらに努力して成功をつかみ、成功後もさらに努力を継続してみませんか? 「努力の効果」を体感すると、「運」を気にする自分の傾向が変わっていくかもしれません。