ガーデンピックをワイヤーワークで手作り……簡単な作り方を紹介!
ワイヤーワーク(ワイヤーアート)とは、ワイヤーを成形して様々な雑貨などを作るクラフトのことです。使用するワイヤーによって、実用品やインテリア雑貨、精巧なアクセサリーまで作れてしまうので、近年人気のクラフトとなっています。今回は、このワイヤーワークの手法を使って、植物の名前を忘れないように書いておくプランツマーカー(ネームプレート、ネームタグ)や、庭の彩りにもなる可愛いガーデンピックの作り方をご紹介します!
お手本はアンティーク風プランツマーカー
まずはこちらをご覧ください!ワイヤー成形した土台にアルミ板を留めつけてアンティーク風に塗装をしたプランツマーカーは、フレームワークアーティストの原嶋早苗さん(sanae garden)に教えていただきながら製作したものです。 土台にはアーティスティックワイヤーを使い、アンティークの風合いを出すため下地材「ミッチャクロン」、アクリル絵の具、保護用のトップコートを塗り重ねて仕上げています。このエイジング塗装によって、オシャレ度も耐久性も抜群のプランツマーカーができあがりました!記事ではこのアンティーク風プランツマーカーをお手本にしながら、誰でも手軽にチャレンジできるよう百均で揃えられるような材料でアレンジしましたので、是非チャレンジしてみてください!
ワイヤーのお話
一口にワイヤーといっても、その材質によって違いがあります。例えばポピュラーなスチールワイヤー(いわゆる針金)は、細いものは容易に曲げられますが、材質が鉄なので太くなると固く重くなる上に錆びやすいです。一方アクセサリー作りでは、高価なシルバーワイヤーが使われたりします。今回のプランツマーカーでは、主にアルミワイヤー、カッパーワイヤーを使用しています。アルミワイヤーはその名の通りアルミ素材で、柔らかくて扱いやすいのが特徴です。また入手も容易で、ホームセンターでは盆栽用として、ダイソーには線径1ミリと2ミリのカラーアルミワイヤーがありました。しかし1ミリ程度の細いワイヤーは、クニャクニャして形が決まりにくいという面もあります。 銅素材のカッパーワイヤーはアルミよりも固めですが、太さ0.9ミリ~1.2ミリくらいなら扱いやすいでしょう。
お手本のアンティーク風プランツマーカーでは、「アーティスティックワイヤー」という製品のカッパーワイヤーを使用しています。こちらは一般的なものに比べて高価になりますが、張りがあって形が決まりやすいです。
そのほか、芯となるワイヤーをナイロンなどでコーティングした「被覆ワイヤー」というものもあります。芯材により硬さは異なりますが、被膜によりカラーバリエーションが豊富なので、工作などにも使われます。作業中にコーティングが破けてしまうことがあるのが難点です。
それぞれの特徴を掴み、作るものに合わせてワイヤーを選びましょう。
準備するもの
それでは前述のワイヤー以外で、ワイヤーワークで作るプランツマーカーに必要なものを準備しましょう。
- 工作用ハサミ
- 油性マジック
- ラジオペンチ…用途により種類がありますが、握りやすいものを。プレス部分にギザギザがあると、ワイヤーに跡がついてしまうこともあるので注意が必要です。
- ニッパー…ラジオペンチがニッパー兼用の場合は不要です。
- アルミ板…厚み0.1mm程度のもの。今回は、アルミの空き缶を使用しています。
- 綿手袋…アルミ缶を切り開く際など、ケガ防止のため着用します。
- キッチン用アルミテープ…百均でも販売されている、流し台やガス台の隙間をふさぐためのシール状のテープです。
- 型紙…あらかじめ作りたいプランツマーカーの実寸大で作っておきます。
お手軽アレンジのプランツマーカーを作る
それでは、冒頭のアンティーク風プランツマーカーをアレンジした「お手軽版」の作り方を見ていきましょう。まずは、型紙です。右はサンプルですが、名前を書き入れたい植物に合わせて、思い思いに描いてみましょう。ポイントは、「一筆書きできるように」という点です。
型紙ができたら図柄に紐を這わせて、使用するワイヤーの大体の長さを測ります。軸となる部分はワイヤーを捻るので、紐の1.5倍くらいの長さでワイヤーをカットします。今回は、花型には1ミリのアーティスティックワイヤーを、葉っぱ型には1.5ミリのアルミワイヤーを使用しました。柔らかいアルミワイヤーで丈の長いものを作る場合、線径が細いと支持しきれないので、太めのワイヤーにしました。
ワイヤーをカットしたら、ゆるく二つ折りにしてスタート地点を決めます。小さい方の花型の場合は一筆書きは花の先端からスタートするので、ワイヤーの片側を葉っぱを作る分だけ長く取っておきましょう。 スタート地点が定まったらラジオペンチでプレスして、しっかり曲げます。ここを起点に、型紙に合わせながらワイヤーを折り曲げる位置を決めてプレスします。 花型ができたら、左右のワイヤーを葉っぱの位置まで捻じり合わせて行きます。このとき、あまり丁寧に捻っていると、途中でパキンとワイヤーが折れてしまうことがあります。捻じりすぎに注意しましょう。
はじめに長く取っておいた方のワイヤーで輪を作り、葉っぱ型に成形したら再びもう一方のワイヤーと捻じり合わせていきます。下部先端から7センチ位は残して、二股に分けます。これは、「一本だと土に挿した時に安定しないから…」と、原嶋さんに教えていただいたワザです。
これで、花型プランツマーカーの土台ができあがりました。同様にして、葉っぱ型のも作ってみましょう。大きい葉っぱの先端をスタート地点にするので、やはり片側を少し長めにとっておくと良いでしょう。
プレート部分の作り方
記事冒頭のアンティーク風プランツマーカーでは、土台の葉っぱ型に3ミリほどの折り代をつけてアルミ板をカットし、ラジオペンチを使ってアルミ板でワイヤーを包み込むように折り込んでいます。着色してあるのでわかりにくいと思いますが、ぶきっちょなガイドはここで時間が掛かってしまいました。今回ご紹介するのは、この折り込み作業を手軽にしたバージョンです。 まずは、アルミの空き缶を切り開いて一枚のアルミ板にしましょう。トップの部分は固いので、底辺近くに目打ちを突き刺して、そこから工作鋏で切り開いていきます。一枚の板状にしたら、怪我防止のために端のギザギザも切り取っておきましょう。クルンと丸まってしまって扱いにくい場合は、麺棒や空き瓶などを逆向きに巻いてクセを取ります。
次に、先ほど作ったワイヤーの土台をアルミ板に載せて、マジックで葉っぱの型をとります。これを型通りに鋏で切り取って…。ここで登場するのが、ガス台の目地を塞いだりするのに使われるアルミテープです。このテープを切り取ったアルミ板に貼り、ワイヤーを包み込むように折り込んで留めつけてしまおうというわけです。
これならラジオペンチと格闘しなくても指先で折り込むことができますから、ペンチを持つ手に力の入らない方でも作ることができます。 アルミテープの剥離紙を剥がして葉っぱ型に切り取ったアルミ板に貼り付けます(アルミ缶を使用した場合は、表・裏に注意)。 その上にワイヤー土台を載せて、アルミテープを折り込みます。
裏面の折り込んだところが気になる方は、更にアルミシートを裏張りしてもいいでしょう。
さあ、あとは名前を書き入れればお手軽アレンジしたプランツマーカーの完成です! さきほどはアルミ板にアルミテープを貼ってプレートを固定しましたが、今度はプレート部分を細いワイヤーで縫い留めていく方法です。
1.の作り方同様にアルミ板を切り取って土台のワイヤーを載せ、ワイヤーの内側を縁取るように等間隔に目打ちで突いて穴を開けます。そこに細いワイヤーを通して、かがり縫いの要領でプレート部分を留めつけていきます。
画像のサンプルは土台に0.9ミリのカッパーワイヤーを、プレートを留め付けるのには0.22ミリのカッパーワイヤーを使用しています。
子どもと一緒に作るなら
子どもと作ってみたいけどアルミ缶を切るのはケガしそうだし…という方は、プレート部分にプラバンを使ってみてはいかがでしょう。ワイヤーは大人が、花や葉っぱの形を描いたり色を塗るのはお子さんと役割分担してもいいですね。プラバンは好きな形に切り取ってオーブントースターで1~2分焼けば、あっという間にオリジナルのネームプレートができます。これにワイヤーを通してぶら下げれば、揺れるプランツマーカーのできあがりです。またガーデンアクセサリーとして、可愛いガーデンピックも人気がありますよね。こちらもお子さんの描いた絵を型紙にして、ワイヤーワークでピックにしてみては? 使用するワイヤーでも印象が変わりますし、太めのワイヤーに細いワイヤーを蔦のように絡ませて強度を増すこともできます。画像右側、ペラルゴニウムのマーカには、先端にビーズを下げて…。また、画像のヒヨコ型と渦巻きのガーデンピックには、ダイソーで購入したガラス絵の具を塗ってみました。耐久性は使用する環境によりますが、アレンジ次第でいろいろ楽しめそうですね。
ワイヤーワークのプランツマーカー、いかがでしたか?材料さえ揃っていれば、初めての方でもどれも1時間かからずに作ることができるので、ぜひ作ってみてください!
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