<目次>
キャリアパスとは「キャリアの道筋を見える化したもの」
キャリアパスを描こう
日頃、転職サポートをしている中で、キャリアパスという言葉をよく聞きますが、この意味をしっかりと理解している方はあまりいないのではないでしょうか。
就活の面接の質問などでも、「御社に入社した場合、キャリアパスはどのようになっていますか?」といった質問がよくありますが、若い世代の方ほど、将来どのようなキャリアの選択肢があるのかを気にされる傾向が強くなっています。
自分が将来がどんな方向性に向かえるのか、どんな成長ができるのかを知りたいという気持ちは自然ですね。
ウィキペディアで「キャリアパス」について調べてみると以下のように説明されています。
要は、「キャリアの道筋を見える化したもの」ということでしょう。キャリアパスとは経営学用語の一つ。企業においての社員が、ある職位に就くまでに辿ることとなる経験や順序のこと。また個人の視点からは、将来自分が目指す職業を踏まえる上でどのような形で経験を積んでいくかという順序・計画を指す[1]。
(略)
一方で個人から見たキャリアパスには、所属企業での職務から得られる経験以外に自己啓発等により得られるスキルが含まれる[1]。そのため状況によっては、転職により複数の企業を渡り歩くことや、必要に応じて大学等の教育機関に戻り教育を受け直すことも選択肢となりうる。ウィキペディア「キャリアパス」より
キャリアパスを立てるメリット・デメリット
そもそも、キャリアパスを立てる意味や必要性は何でしょうか?キャリアパスを立てるメリットとデメリットについて、まとめてみました。
- <メリット>
- 逆算することで自分の希望や目標通りの仕事を実現できる
- 長期的に年収・給与を上げられる可能性が高まる
- ゴールが明確なため、進捗感を感じられやすくモチベーション・やりがいが高まる
- 周り(社内外)へのアピールとなり、チャンスが増える
- <デメリット>
- 一時的・短期的に年収を落としたりリスクをとったりする必要がある
- 絞り込みすぎて、選択肢が先細るリスクがある
- 計画立て過ぎることで、偶発的な出会いや発見、選択肢をロスするリスクがある
- その道自体が閉ざされた時のショックが大きい
キャリアパス・キャリアプランはあくま自分自身の仕事や人生の満足度の高めるためにあり、それを前提として、自分のキャリアに戦略性を持つべきかどうかを一考すると良いでしょう。
私がお会いしてきた方々は、キャリアプランを明確にすることで、メリットを享受してきた方が多くいます。
キャリアパスの立て方……必要なことは大きく3つ!
それでは、実際にキャリアパスはどのように立てていけば良いのでしょうか。キャリアパスを設計するために、必要なことは大きく3つです。
- 自分なりのキャリアのゴールを設定する
- 自分の業務適性を把握しておく
- 転職市場の評価や相場を把握する
1. 自分なりのキャリアのゴールを設定する
ゴールがないと、一生そこにはたどり着けません。まず10年後など、自分なりに望ましいゴールを設定しましょう。
ここで重要なのは「自分なりの」という部分が重要です。
キャリアのゴールを戦略的につかむ際には、必ず道中で大きな苦労や努力をし、リスクをとる瞬間があります。
その際に、一般論的なゴールを設定しても、自分自身の本質的な欲求とつながらないため、躊躇したり、途中で投げ出したりする可能性が高いのです。
格好つける必要はなく、自分自身の本音でのキャリアのゴールを立てましょう。
キャリアの「やりたいこと(DOING)」と「ありたい姿(BEING)」
ゴールというと、「特にやりたいことはないんですよね」と思考停止になってしまう方が多くいます。ここでは、「ありたい姿(BEING)」という視点でも考えてみましょう。
・仲間と思える人たちと一緒に働きたい
・家族との時間を充分確保しながら働きたい
・誰かからの指示を受けずに働きたい
など、ほとんどの人は「ありたい姿」の方が思い浮かべやすいはずです。
自分が仕事上で大事にする価値観やこだわりのような「ありたい姿」を言語化してみましょう。
2. 自分の業務適性を把握しておく
自分の業務適性を知る
キャリアパスを立てるために重要なポイントの2つ目は、自分の業務適性をしっかりと把握しておくことです。
仕事を選ぶ際に、多くの方は
- 年収が高い
- 会社の規模が大きい
- 華やかな業界
など、一般論的な見栄えを重視しがちです。私は日ごろ多くの転職希望者と面談してますが、こうした点は必ずしも仕事のやりがいに直結しないことを感じます。
誰もが知る大企業に勤め、高い年収を得て、華やかな業界にいるように見える方の中にも、現状に不満を抱える人はたくさんいます。
それは、なぜでしょうか?
それは、自分の業務適性を把握しておらず、業務適性に合わない会社や職種を選んでしまっているからなのです。
業務適性の見極めのポイントは「自分なりの強みや動機付け」
では、自分の業務適性とは何なのでしょうか?私は、これを日々の業務を行う上での自分なりの強みや動機付けなどの個性と捉えています。
例えば、エクセルを触っているだけで頭が痛くなり、苦痛に耐えながら作業する人もいれば、エクセル作業を厭わず、むしろ面白いと感じる方もいます。
自分は、業務の中でどんな瞬間にやりがいを感じてきたのか?
どんな点で他の同じ仕事をしている人よりも秀でていると評価されてきたか、そこに個性があります。
これらの傾向を分析し、抽出するおくことで、やりがいを感じる適職を選択しやすくなります。
どんなにワクワクする目標・ゴールを設定しても、継続できなければ何の意味もありません。
ゴールまで継続するためには、一定レベルでその仕事を好きになる必要があり、かつ競争相手に勝てるくらいに得意である必要もあります。
意外とそうした視点で考えていない人が多いのです。
3. 転職市場の評価や相場を把握しておく
キャリアパスを考える上で、最後のポイントは、転職市場の評価を知っておくことです。なりたいキャリアパスが描けたら、そこにたどり着くためのスキルや経験はわりと簡単に定義できます。例えば、自分が希望する企業や職種の求人票を見てみましょう。その求人票の必須要件・歓迎要件を見てみると、具体的に求める経験やスキルなどが書かれています。
その求人に内定を得たいのであれば、その経験やスキルを時間をかけて身につけるしかありません。もちろん、会社によってカルチャーなど相性などもありますが、基本的に転職・中途採用市場では即戦力性を求められますので、実際の経験・スキルが評価されます。
多くの方が、「経験やスキルはないけれど、人脈や熱意などでなんとかねじ込めるんでは?」と甘く考えがちです。もちろん職種や会社規模によってはそうしたラッキーな例もなくはないですが、一定の採用力のある会社であれば求められる道筋は最初から決まっており、その道筋を通らねばなりません。
経験やスキルを積まないまま「ゴールだけ達成したいという」のは、経験やスキルを積んだ人に失礼ですし、実際、採用枠を奪い合う競争に負けてしまいます。
キャリアパスによって得たいリターンが明確になったら、それに必要なだけの努力はしなければなりません。
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