サキコーポレーション 代表取締役社長 秋山 咲恵 さん 62年奈良県生まれ。87年京都大学法学部卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。94年サキコーポレーション設立。首相の諮問機関「政府税制調査会」の委員を務める。 参考記事「2度の転機」が器を育てた
市場参入は最後発ながら大手メーカーとの競争を勝ち抜き、プリント基板検査装置で世界シェア第2位となったサキコーポレーション秋山咲恵社長の後編  <前編「世界で勝負する女性経営者」>


Contents
1.夫婦で二人三脚
2.世界を駆け回る経営者のタイムマネジメント
3.遊びのある空間が生む創造性

相手との『壁』を切り崩す
1.最大のピンチ
2.膝詰めで熱い議論を繰り返す
3.「なぜなに問答」の効能


夫婦で二人三脚


プリント基板検査装置メーカーであるサキコーポレーションは、社長を務める秋山咲恵さんが、技術者である夫・秋山吉宏さん(取締役・最高技術責任者)と立ち上げた会社です。よくある夫が社長兼営業部長で、妻が経理兼アシスタントという中小企業とは異なり、同社はコンサルタント出身の秋山咲恵社長が経営全般を担当し、技術者である吉宏さんは技術面に特化するという具合に、それぞれの強みを生かす役割分担がなされています。夫婦で起業するメリットとは?

「一番お互いの人となりをよく知っていますから、報告・連絡・相談がしやすいという面は大きいですね。相手に厳しいことも安心して言えるし、本気で自分の思いをぶつけることができます。夫婦以外でこういうビジネスパートナーを見つけるのは、かなり難しいことではないでしょうか」

ガイドが聞いた印象的なビジネス名言の1つに、『ビジネスは何をやるかよりも、誰とやるかが大切だ』という言葉があります。確かにビジネスの内容よりも、パートナーとの相性がビジネスの成否を握っていたりしますが、何でも本音で話し合える夫婦であれば、間違いは少ないというのは納得できます。

「本音で話し合えるとお互い遠慮がなくなり、ビジネスのスピードも加速します。当社の役員会は本当にスピーディーですよ。短時間でズバズバを意見を言い合い、『分かった。それで行こう』ですからね(笑)。企業経営においては最初の人間から順に、そうした分け隔てのない関係を築いてゆくことが大切なんです。当社にはもう1人役員がいるのですが、彼とも姉弟のように接しています。よく役員同士で遊びに行きますし、彼も言いにくいことも遠慮なく言ってくれます」