華城の見所 1. 華城行宮と門楼、博物館

長安門

華城はもちろん韓国全土でも最大となる長安門。「長安」が首都を示すことから正祖は華城への遷都も考えていたといわれるが、完成後まもなく死去してしまったため遷都は実現しなかった

華城列車

竜をかたどった華城列車

華城は城壁に据えられた41の施設と華城行宮、水原華城博物館などが見所となる。一般的なツアーでは名所数か所を回るのみだが、個人で訪ねるのであればグルリと一周することも可能だ。その場合、歩いて1時間半~2時間、見学しながらだと3時間以上はかかる。

西の八達山から東の東将台にかけて観光用トローリーバス=華城列車が走っている。城壁沿いに回るのでさまざまな施設が外から見学できるほか、華虹門や長安公園でも降車もできる。徒歩と華城列車を組み合わせると華城一周の負担もずいぶん減るはずだ。以下では主要な施設を紹介する。

 

■華城行宮
華城行宮、奉寿堂の展示

朝鮮王朝時代の様子が再現されている華城行宮、奉寿堂

正祖が顕隆園を参る際に訪れた王の宿泊施設だが、普段は役所としても使われていた。もともと600弱もの部屋があったが、再建されたのはその一部。正殿である奉寿堂、寝殿である長楽堂、科挙や会食が行われた洛南軒、正祖を生きているように祀る華寧殿など多数の部屋が見学できるほか、武芸の公演なども行われている。

■長安門
華城の正門で、韓国最大を誇る門。城門の外側に半円状に甕城(おうじょう)と呼ばれる城壁を張り出させた鉄壁の門楼で、楼閣は二層構造で重厚かつ優美な姿を見せる。

 

■八達門
南門。甕城や二層の楼閣は長安門と同様だ。「八達」は、ここより四方八方に道が伸びていくことを示している。左右に突き出している施設は城門を攻撃する敵を撃つもので、敵台と呼ばれる。

■華虹門
華虹門

華虹門。この辺りには名物・水原カルビの名店も多い

現存する華城唯一の水門。7つのアーチからなる石橋で、水門・橋・休憩所・望楼の役割を果たしていた。ライトアップが非常に美しいことでも知られている。

■暗門
「暗門」は、城壁の陰に隠すなど外から見えにくく設計された小さな門のこと。華城は5つの暗門を備えていたが、現存するのは東暗門、北暗門、西暗門、西南暗門の4つ。

 

■水原華城博物館
長安門と八達門を結ぶ大通りの中央付近に位置する博物館。華城の築城の過程や正祖の行幸の様子などを詳細に知ることができる。築城の際に使われた挙重機のレプリカなども見学できる。

華城の見所 2. 城壁と防御施設

東北空心敦

石造りの重厚な姿を見せる東北空心敦。「敦(とん)」は本来土偏がついた漢字で、鼓状の望楼を指す。華城には他に西北空心敦と烽敦がある

東北角楼

地形をうまく活かした東北角楼

華城の見所は、華城行宮を除けばほとんどが城壁と関連の軍事施設となる。ここでは門楼を除く主な施設を八達門の西側より時計回りに紹介する。

■西南角楼
山の峰に沿って南に張り出した望楼。別名、華陽楼。円形の城壁の外に飛び出しており、ここより南と西に睨みを利かせた。

■孝園鐘閣
高さ4m、口径2m、重さ12.5tの鐘を収めた施設。正祖の孝行心を称える鐘で、3回打つことで願いがかなうといわれている。

 

■西将台
八達山の頂上に建設された華城最高所の建物。将校のための望楼・指揮台で、西に40kmほど見渡すことができる。

■西北空心敦
西北空心敦

西北空心敦。上下で素材が異なっているのがわかる

上部から鉄砲、下部から大砲を放った望楼・攻撃施設のひとつ。石とレンガを組み合わせたユニークな構造になっている。

■東北角楼
別名、訪花随柳亭。華虹門近くの望楼だが、竜淵という池のほとりに建っていて眺めがよいことから休憩所としても利用された。正祖もここでたびたび宴会を開いたという。

■東将台
別名、錬武台。将校のための望楼・指揮台だが、兵の訓練施設でもあった。近くに弓道場が設置されていて、韓国弓道を体験することができる。

 

■東北空心敦
楕円形の独特な建物で、中央の空洞部分に兵士を収容した。らせん階段が設けられており、建物のあちらこちらに銃眼が空いている。

なお、水原市近郊の華城市には荘献世子の陵墓である隆陵や正祖の健陵があり、これらは世界遺産「朝鮮王朝の王墓群」に登録されている。同時に訪ねてみるのもおもしろい。