乳児育児/言葉の発達

赤ちゃんの言葉を育てるためにママ、パパができること

まだ言葉を話せない赤ちゃんの頃から、日々お世話をしてくれる人たちとのコミュニケーションの中で、言葉は育まれていきます。赤ちゃんと楽しくコミュニケーションするための声がけのコツをまとめてみました。生後すぐからできることが色々ありますよ。

執筆者:千葉 美奈子

ねんねの頃から言葉は育っている

生まれてまだ間もなく寝てばかりいる赤ちゃんにも、ママやパパは自然に声をかけたり、抱っこして目と目を合わせて微笑んだりするでしょう。0歳代の頃の身近な信頼できる人とのコミュニケーションの蓄積が、赤ちゃんの情緒を豊かにし、言葉が育まれていきます。赤ちゃんと楽しくコミュニケーションをとるコツをまとめてみました。
 

言葉を育てるために生後すぐからできること

0歳代前半は、お世話をしてくれる人たちとの信頼関係を急速に築いていく時期です。声がけや遊びを通して、家族は自分に関心を持ってくれ、自分と遊んでくれる存在だということを知らせてあげましょう。
ママと赤ちゃん

月齢の低い赤ちゃんも声がけをちゃんと聞いています



■声をかけながらお世話をし、赤ちゃんの遊びをまねする
まだ声がけに対する反応がない新生児~1ヵ月ぐらいの頃から、お世話の度に「おむつ替えるよ」「おっばい(ミルク)飲もうね」などと積極的に声をかけてあげましょう。2ヵ月前後になると、表情や喃語が出てきます。赤ちゃんがにっこり笑ったら、にっこり笑い返し、「あー」と言ったら「あー、って言ったの?」とまねをしながら語りかけてみてください。

■赤ちゃんの気持ちを言葉にしてあげる
赤ちゃんが泣いていたら「おなかすいたね」「眠いね」「これ食べたいの?」「おしっこしたのかな?」。何かに笑っていたら「これ、おもしろいね。楽しいね」。その時の赤ちゃんの気持ちをぴったり当てなくてもいいのです。こうなのかな、ああなのかな、ちゃんと気にかけているよ、という気持ちが赤ちゃんに伝わります。
赤ちゃんを着替えさせるママ

おきがえしようね



■ママ、パパがしていることを話す
泣いたり声を発している赤ちゃんを気にかけてあげたくても、すぐに応じてあげられないときもたくさんありますよね。そんなとき、相手がまだおしゃべりができない赤ちゃんでも、「無言」はNG。「ママは○○していて抱っこしてあげられなくてごめんねー!」など、実況中継をするのもよいでしょう。

■着替えをする時にも声をかけながら
急いでいる時など、無言で手足を引っぱったりしながら着替えをさせてしまっていることはありませんか?  (袖に手を通すとき)「おててをトンネルから出すよ。出たー!」、(シャツに頭を通すとき)「いないいない、ばー!」。こんな声がけや動作も、楽しい遊びのひとつです。動きも豊かになる0歳代後半、遊びやしつけの中でできること
 

0歳代後半、遊びやしつけ中でできること

少しずつ自分で移動できるようになり、探索活動が盛んになっていく0歳代後半。好奇心もグングン育ち、信頼できる相手とのかかわりを自分から築こうとします。ただたくさん声をかけるということではなく、「こちらに注目してくれている、ちゃんと聞いていてくれる」という気持ちをたくさん感じさせてあげましょう。それによって、自分で気持ちや要求を伝えたいという気持ちがどんどん育っていきましす。
 
ごはんを食べる赤ちゃん

あーん、あむあむ。上手に食べているね

■発した言葉に補足して投げ返す
離乳食やおやつに手を伸ばして「あっ、あっ」と言ったら、「まんま、食べるの?」「おせんべい、欲しいの?」。お散歩中、赤ちゃんが犬を見て「オーオー」と声を発して興味を示したら、「ワンワンだね。かわいいね。○○ちゃんのこと見ているね」などと補足して返してあげましょう。最初は意味がわからなくても、赤ちゃんの中でイメージが広がっていくきっかけになります。赤ちゃんが何を見て何を感じているか想像しながらおしゃべりするのが、とても楽しい時期ですね。

■言葉に仕草を添えて示してあげる
ハイハイやつかまり立ち、伝い歩きと行動範囲が広がっていくと、様々な危険にも遭遇する機会が増えます。口で「ダメ」「危ない」と言うだけでなく、手を添えたり抱っこして移動させるなどし、言葉と行動が赤ちゃんの中で少しずつ結びつくようにしていきましょう。危険や禁止は、短い言葉で繰り返し伝えるようにします。

■擬音語もたくさん使って遊ぶ
「ブオーン(車)」「ガタンゴトン(電車)」「チュルチュル(うどんを食べる)」「パシャパシャ(水)」—。遊びや生活の中で、擬音語をたくさん使って様子を表現してあげましょう。言葉を使う楽しさを体験していきます。身近な素材、新聞紙を使った遊びも楽しいですよ。ビリビリ引き裂いて放り投げてヒラヒラ落としたり、グシャグシャ丸めてテープで留めて、コロコロ転がさしたりと、色々な楽しめます。 押したり叩くと音が出るような、応答性のあるおもちゃも、赤ちゃんの心を刺激します。 言葉と一緒に音の楽しさも味わっていけるといいですね。

■赤ちゃん言葉は訂正する?
1歳前後になって言葉が出てきた赤ちゃんが、例えば「ワンワン」と言ったときに、「犬だね」と正しい名称を早く教えた方がいいのか、少し悩んでしまう方もいるようです。正しい言い方を伝えるのは、意味のある言葉がたくさん出るようになってからで十分。赤ちゃんも、「ワンワン」と言う度に「犬だね」と返されるよりも、「ワンワンだねー!」と一緒に言ってもらえる方が楽しいでしょう。この時期は正しい言い方にあまりこだわる必要はありません。
 

言葉の出方は十人十色

信頼できる人とのコミュニケーションが言葉を育んでいきますが、その言葉がいつ音を伴って口から出ておしゃべりに発展していくかは、十人十色。環境、経験、その子の持つ発達のスピード、性格など、色々な要素が絡んでいます。たくさん語りかければ早くしゃべりだすということでもありません。

また、0歳代から保育施設に預けだし、なかなか一緒の時間がゆっくり取れないというママ・パパもいるかもしれません。長さや声がけの量ではなく、1日5~10分でも、簡単な遊びやスキンシップを通した濃い赤ちゃんと一緒に楽しんでください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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