空間を可動収納とキッチンユニットで
ライフステージに応じてレイアウトを変える
なぜ、そうした工夫をしたのでしょう?開発を担当した 長戸早紀子さん
家族の人数が増えたり、子どもが成長して個室が必要になったりして、ライフステージが変わると、間取りを変えたり室内のレイアウトを変えたいと思うようになります。「ライフステージの変化に応じて、空間をレイアウトできれば、リフォームするよりコストパフォーマンスがよいですし、より気軽にやってみようということになると思います。」(長戸さん)
空間のレイアウトを変えるために、採用したのが可動間仕切収納です。設置時には、収納下部のキャスターをロックして、上部を天井に密着させて突っ張ることで、しっかりと固定されますが、ロックを解除すれば簡単に移動させることができます。収納の形態や厚みにバリエーションを持たせているので、組み合わせることも可能です。
可動収納で間仕切るのでレイアウトを変えられる。昇降ハンドルを回して収納本体を下げることで下部内蔵のキャスターが回り、女性の力でも動かすことができる。昇降ハンドルを回して本体を上げると天井に突っ張って固定される仕組み
間取りフリーにするためには
設計上のさまざまな工夫が必要
このほかにも、空間をレイアウトできる工夫がさまざまあります。まず、レイアウトできる空間が広くて、天井や床がフラットであること。柱や梁などの出っ張りがあると、思うようにレイアウトする妨げになるので設計上の工夫をしています。さらに、浴室、洗面室、トイレのサニタリーゾーンを一カ所に集約させることで、レイアウトできる空間を専有面積の約80%まで確保しています。
写真の左側に居室2つと水回り(浴室、洗面室、トイレ)が納まり、リビングを中心としたリビングとダイニング、土間空間が広がるモデルルーム
スイッチひとつでグルーピングした照明のオンオフが可能
上部に情報分電盤、下部にインターホンや床暖房コントローラー、給湯リモコン、照明全体のスイッチなどを集約している
キッチンが動かせるから
間取りのバリエーションが増える
長戸さんに、キッチンを動かせるようにすることの意味を伺いました。「キッチンはリビングダイニングと隣接するので、レイアウトを決める重要な要素になります。キッチンは動かせるだけでなく、シンク部分とコンロ部分が分かれるセパレートタイプになっています。キッチンの配置と可動間仕切収納を組み合わせることで、間取りのバリエーションが広がります。」(左)3LDKのベーシックな間取り (中)モデルルームにしている、玄関からバルコニーまで広がる、土間付き2LDKの間取り (右)子どもの成長を見守れるように、バルコニー側にファミリーベッドルームを設けた間取り
施錠可能なポーチ扉(三井不動産レジデンシャル提供)
玄関脇が履き出しサッシとなっている
気になる耐震性については、すでに長い実績のある可動間仕切り収納をアレンジして使っていること、可動キッチンの耐震性が十分確保されていることを京都大学で実験したことなどで、確認されているといいます。
「パークホームズ赤羽西は、主にファミリー層が対象になります。ライフステージが最も変わる方々なので、Imagie導入の第一号物件としました。お客さまの声を参考にして、よりニーズに合うものへと進化させたいと思っています。」(長戸さん)
すでに第二号物件として、「パークホームズ世田谷豪徳寺 翠景邸」での採用が決まっているそうです。
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家族の暮らし方が変わったのに、リフォームをすると時間も手間もかかって大変と、我慢している人も多いかもしれません。ライフステージはもちろん、ライフスタイルを変えたいという場合でも、リフォームより気軽にレイアウト変更ができるのですから、『住まいに暮らしを合わせるのではなく、暮らし方に住まいを合わせる』ことが可能になります。
住まいにこだわりのある人、ライフステージが大きく変わる可能性のある人などには、興味深いことではないでしょうか。