マイナンバーを求められる行政手続き
行政手続き以外ではマイナンバーは求められません
逆に、法律で定められた行政手続き以外でマイナンバーを求められることはありません。民間事業者が行政手続き以外の目的で、従業員や顧客などにマイナンバーの提供を求めたり、マイナンバーを含む個人情報を収集し、保管したりすることは禁止されています。
個人としては、行政手続き以外でマイナンバーの提供が求められても拒否できます。
マイナンバーが行政手続き上必要となるのは、2016年1月からです。2016年1月以降に会社を辞めたり、新たに職につく場合は、雇用保険の手続きのためにマイナンバーの提示を求められるようになります。一方、健康保険・年金といった社会保険関係については、1年遅れの2017年1月からマイナンバーが適用となります。
年末調整で自分自身のマイナンバー、家族のマイナンバーが必要になるのは、2016年に行う年末調整からになります。今年の年末調整では不要です。年末調整後に、会社からもらう「源泉徴収票」には本人と扶養家族のマイナンバーが記載されることになっていましたが、「給与などの支払を受ける方に交付する源泉徴収票などへの個人番号の記載は行わない」という方針が10月2日に国税庁から出されましたので、源泉徴収票の様式は、あまり変わらなくなりそうです。
会社はマイナンバーの厳格な管理が求められる
まず会社がマイナンバーを従業員から取得する場合は、雇用保険手続きや源泉徴収などの利用目的を通知・公表して取得しなければなりません。複数の利用目的をまとめて示すことは可能ですが、利用目的を後からかってに追加することはできません。また新規採用者などからマイナンバーを取得する場合は、特に厳格な本人確認が求められます。なりすまし防止のためです。マイナンバーと個人の属性情報などをセットにした情報を特定個人情報といいますが、この特定個人情報は個人情報保護法(16条)が適用となりますので、本人の同意の有無にかかわらず、目的外の利用はできません。
さらに取得したマイナンバーは、外部に流出させることがないよう、厳格に保管・管理する必要があります。これを怠り、マイナンバーを外部に流出させた場合は企業も罰則の適用を受けます。社会保険の手続きなどを外部にアウトソーシングしている場合も同様です。委託先の業者に対する適切な監督が望まれます。
とりわけマイナンバーの保管・廃棄に気を使いたいものです。たとえば扶養控除等申告書は7年間の保管義務があるので、従業員が退職したとしても、すぐにマイナンバーを廃棄することはできず、7年後まで保管しておかなければなりません。
今後企業としては、マイナンバー対応の各種ソフト(給与計算ソフトなど)を導入する、マイナンバーが保管されたパソコン等へのアクセス履歴をチェックするなどの対策が最低でも必要となります。
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