税法の改正
1.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等の延長・拡充(贈与税)住宅取得環境が悪化する中、足下の住宅着工を下支えするとともに、消費税率10%引上げ後の反動減等に対応する観点から、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等を延長・拡充し、住宅取得に係る負担の軽減及び住宅投資の喚起を図ることが目的の改正です。
(1)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について、適用期限が平成31年6月30日まで延長されました。
(2)非課税限度額が拡充されました。
消費税率8%の適用を受けて住宅を取得した場合、または、個人間売買により中古住宅を取得した場合で、平成27年に契約を行った場合は、質の高い住宅であれば1,500万円まで非課税となります。
なお、平成28年10月から29年9月に契約を行い、かつ消費税率10%が適用される場合は、質の高い住宅で3,000万円、それ以外の住宅でも2,500万円まで非課税となります。
【予想問題】
直系尊属である両親から住宅取得資金として贈与を受けた場合の贈与税について、一定の良質な住宅用家屋がその対象のときは1,500万円までが非課税となり、相続時精算課税制度と併用適用できる。
<解説>
⇒〇 その通りです。相続時精算課税制度と併用できる点も重要です。
2.買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置の創設(不動産取得税)
中古住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進め、国民の住生活の向上を図るとともに、市場規模の拡大を通じた経済の活性化に資するため、買取再販事業者が中古住宅を買取りし、住宅性能向上を図るための改修工事を行った後、住宅を再販売する場合、買取再販事業者に課される不動産取得税の特例措置が創設されました。
買取再販事業者が中古住宅を買取りし住宅性能の定の向上を図るための改修工事を行った後、住宅を再販売する場合、買取再販事業者に課される不動産取得税が軽減されます。具体的には、平成9年4月1日以降に建築された住宅であれば課税標準から1,200万円が控除されます。
【予想問題】
平成10年に建築した中古住宅を平成27年10月に取得した宅地建物取引業者は、一定のリフォームを施した上で再販売する目的であっても、中古物件である以上、不動産取得税の課税標準の算定について当該住宅の価格から1,200万円が控除されることはない。
<解説>
⇒× 一定のリフォーム工事を行った後に再販売する場合、買取再販売事業者に課される不動産取得税が軽減されます。
3.空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置(固定資産税等)
空家の全国的な増加が懸念される中、空家の除却・適正管理を促進し、市町村による空家対策を支援する観点から、空家の存する敷地に係る固定資産税等について必要な措置が講じられました。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」の規定に基づき、市町村長が特定空家等(周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態にある空家等をいいます)の所有者等に対して周辺の活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、当該特定空等に係る敷地について固定資産税等の住宅用地特例(※)の対象から除外されました。
※住宅用地の特例
・小規模住宅用地⇒固定資産税の課税標準が6分の1に
・一般住宅用地⇒固定資産税の課税標準が3分の1に
押さえておくべき優先順位
以上が平成27年度の宅建試験に出題が予想される改正点です。以下、出題の可能性の高い順に並べます。1.宅建業法における免許欠格事由と登録欠格事由
2.不動産鑑定評価基準の改正
3.土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律
4.空家対策における固定資産税の特例の除外
テキストで基本事項を学んだ上で改正点をしっかりと暗記して試験会場に行きましょう。宅建試験は1点に泣く試験です。改正点の1点は確実にゲットして下さい。
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