ストレス/ストレスフリーの思考術

臨床心理士が教える!1日5分で始めるマインドフルネス(2ページ目)

怒り・落ち込み・不安などの感情にとらわれてしまうとき、私たちの頭の中で何が起こっているのでしょうか? 今回はこれらの感情の対処方法として、新しいタイプのストレス・マネージメント方法「マインドフルネス」をご提案いたします。1日5分でできる練習もご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

矢野 宏之

執筆者:矢野 宏之

臨床心理士 / 心の健康ガイド

マインドフルネスを実践するには?

マインドフルネスは、瞑想を通して練習することが最も一般的です。瞑想では、まず呼吸に集中することが求められます。しばらく時間が経つと呼吸から注意がそれ、様々な感情や考えが湧いてきます。このとき、この感情や考えにとらわれはじめていることに気がつき、呼吸に注意を向け直すことを何度も練習していくのです。

これを長らく行っていくと、今自分にどのような感情があるか、どのような考えが浮かんでいるかに気がつきやすくなります。しかし、瞑想の時間をとることは難しいかもしれません。そこで、日常生活の中でできるマインドフルネスの練習を紹介します。どちらも、1日に5分程度行うだけでよいです。

■歩行瞑想
歩行瞑想とは、歩きながら行う瞑想のことです。通常の瞑想では、「呼吸」に集中しますが、歩行瞑想では、「歩行」に集中します。足の裏が地面を離れ、再び地面につくまでの足の感覚に集中をします。しばらく歩いていると、足から注意がそれると思います。その時に、また足に注意を向けなおすのです。

■音を用いた瞑想
音は音楽、生活音のどちらでもよいです。耳から聞こえてくるものにたえず集中します。これも音から注意がそれるたびに、聞こえてくる音に注意を向け直します。
 

マインドフルネスを実践するとどうなる?

まず、「自分がイライラしている、不安になっていることに早く気がつくようになった」という感想が多いです。毎日続けていると、集中できない日やよく出てくる感情・考えがあることに気がつき、自分のコンディションが細かく分かるようになります。

また、自分の感情を観察することを通し自分の感情を受け止められるようになります。そうすると、怒り・落ち込み・不安などの感情にとらわれずに、目の前のことに集中できるようになっていくのです。

マインドフルネスは、頭で理解していくものではなく、体験を通して理解していくもの。これらの練習をやり続けていくと、ある時に「こういうことか」と分かるものです。ぜひ、毎日の日課に取り入れてみてください。


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