近年ブームの「酵素」。実は誤解だらけでした……
酵素のこと、ちゃんと知らずに摂っていませんか
そんな酵素ですが、実は色々な誤解も多い成分だったのです。今回は、酵素とその効果の正体に迫ります。
そもそも酵素とは、一体何なのか?
同じ酵素でも、形が違えば機能も違うのです。
たとえば金属も、部品になるものもあれば工具になるものもありますよね。これと同じように、タンパク質も形によって使われ方や働きが違っているのです。
酵素は化学反応を助ける触媒(特定の化学反応がおこりやすくする物質。反応がおこってもそれ自身は変化しない)として働いています。
酵素は、それぞれの形によって助けることができる反応の種類が決まっているので、1種類の酵素が体の中で起こる反応を全てサポートしているわけではありません。そのため、体内で働く酵素の種類は数千種類。そして、特定の酵素が足りないからといって、他の酵素が代わりに働けるものではないのです。その代り、1つの酵素が1回化学反応を助けたら役目が終わりというわけではなく、同じ反応を繰り返し助けてくれます。
酵素は、生物の体の中だけで働いているわけではありません。野菜や果物にもいろいろな酵素が含まれていますし、「酵素パワーで皮脂を分解」というのを売りにした洗濯洗剤や洗顔料もありますよね。
私たちの体で働く酵素には、消化器官で(吸収される前に)働く「消化酵素」と、体の中(吸収された後)で働く「代謝酵素」があります。まずはそれぞれの働きを確認しておきましょう。
次ページでは「消化酵素と代謝酵素」について、説明します。