ホークとプレズはどっちがすごいのか、スタート!
1、ホークチーム立論
「今回は、コールマン・ホーキンスこそがジャズ界一の影響力をもったテナーサックス奏者だということを、
- ジャズテナーの父と呼ばれた由来
- 亡くなる直前まで新しいジャズに貢献
- ホーキンス派という多くのフォロアーを生んだ
以上の3つの点から証明したいと思います。
1、ジャズテナーの父と呼ばれた由来
ジャズにおいて、テナーサックスをソロ楽器として、一番最初に奏法を確立したのがホークです。それゆえに、あらゆる「ジャズテナーの父」と呼ばれるようになりました。そして、初期に録音した「ボディ・アンド・ソウル」はいまだにこの曲の決定盤として有名なほど、現代につながる奏法を開発しました。
2、亡くなる直前まで新しいジャズに貢献
いち早くビ・バップを取り入れ、セロニアス・モンク、ジョンコルトレーンと共演した「モンクス・ミュージック」やソニー・ロリンズとの共演「ソニー・ミーツ・ホーク」など、モダンジャズ期にも活躍しました。
ソニー・ミーツ・ホーク
「ソニー・ミーツ・ホーク」
共演当時のソニー・ロリンズは、オーネット・コールマンの影響を受け、フリー・ジャズがかっていた時期。不良に片足突っ込んだ息子を、堂々とまっとうな話で説得する親父のような演奏。この時期においても、ホークの吹奏、説得力はすごい。
3、ホーキンス派という多くのフォロアーを生んだ
スウィング時代には絶大なる影響力を誇り、モダンに入ってからもラッキー・トンプソン、デクスター・ゴードン、ソニー・ロリンズなど、ホーキンス派と言える影響力を誇りました。
以上の3点からホークこそが、ジャズ界NO.1の影響力を持ったテナー奏者だと断言できます。」
2、プレズチーム立論
「プレズチームは、レスター・ヤングこそがジャズテナー界で最も重要なプレイヤーだということを、多くの根拠をもって証明できます。しかし、今回はあえてたった1つの根拠で、それを証明したいと思います。それは、アメリカにおいて、一番の称号、プレジデント(大統領)と彼が呼ばれたということです。この呼び名は、ビリー・ホリデイによる命名です。ビリー曰く、この国ではキング(王様)やデューク(公爵)、カウント(伯爵)は何の意味もない、一番なのはプレジデント(大統領)なのよということです。ジャズ・ベーシストのビル・クロウの著書「ジャズ・アネクドーツ」にそう書いてあります。そして、そのあだ名は敬意をもってジャズ界に広がりました。この一点をもってしても、プレズ(プレジデントが縮んでプレズになった)こそが、ジャズテナー界においての第一人者だということは明らかです。」
ジャズ・アネクドーツ
「ジャズ・アネクドーツ」
ジェリー・マリガン、スタン・ゲッツ、チェット・ベイカーなどとの共演歴があるベーシスト「ビル・クロウ」によるジャズへの愛情にあふれたこぼれ話集。村上春樹氏の訳文も、さすがの一言。専門的なエピソードも多いが、ジャズを知らなくてもきっと好きになること請け合い。
次のページでは、いよいよ反論タイム。どんどん白熱していきます!