第 4 部
『白鳥の湖』第 2 幕より振付:レフ・イワーノフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
出演:ウリヤーナ・ロパートキナ、ダニーラ・コルスンツェフ
マリインスキー・バレエのプリンシパル ウリヤーナ・ロパートキナと、ダニーラ・コルスンツェフのペア。どこまでも華奢で儚いロパートキナの白鳥と、憂いを湛えたコルスンツェフのジークフリート。ともにハマリ役で、ドラマティックなステージは圧巻のひとこと。
『トゥギャザー・アローン』
振付:バンジャマン・ミルピエ/音楽:フィリップ・グラス
出演:オレリー・デュポン、エルヴェ・モロー
2015年8月にパリ・オペラ座バレエ団を引退したオレリー・デュポンと、現役エトワールのエルヴェ・モローによるペア。デュポンは今回で連続6回出演、モローは初出場となる。『トゥギャザー・アローン』は、パリ・オペラ座バレエ団新芸術監督バンジャマン・ミルピエがデュポンとモローのために手がけた小品。ジーンズにタンクトップ、バレエシューズと簡素な衣装で踊るエトワールの姿は実に新鮮で、オペラ座の新たな息吹を感じさせた。
『オネーギン』より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
出演:アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル
シュツットガルト・バレエ団プリンシパルのアリシア・アマトリアンと、フリーデマン・フォーゲルのペア。フォーゲルは今回が5回目の登場となる。高い柔軟性で魅せるアマトリアンと、難しいリフトも軽々とこなすフォーゲルの迫真の演技にため息。着実に定位置へと押し出すフォーゲルのサポートテクニックも目を見張る。今年11月に控えたシュツットガルト・バレエ団の日本公演では、このふたりの『オネーギン』と『ロミオとジュリエット』を上演されるとのことで、こちらもますます楽しみに。
『ドン・キホーテ』
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
出演:ヴィエングセイ・ヴァルデス、オシール・グネーオ
プログラムのラストは恒例の『ドン・キホーテ』。Aプロでは、キューバ国立バレエ団のヴィエングセイ・ヴァルデスと、キューバ国立バレエ団からノルウェー国立バレエ団に移籍したオシール・グネーオがトリを務めた。バランス感覚に優れたヴァルデス、グネーオが差し出す手に頼ることなくサポートなしでアラベスクをキープ。ブレないフェッテ、アチチュードからポワントのままでのパッセと、芯の強さを見せつけた。今回が初登場となるグネーオもテクニシャンぶりでは負けず劣らず、柔軟なバネが光るジャンプ、コントロールをきかせた回転技を披露。クローズに相応しい演技で会場を沸かせた。
ドン・キホーテ (C)Kiyonori Hasegawa
大いに盛り上がった初日ステージに、会場はスタンディングオベーションの渦へ……。
第14回『世界バレエフェスティバル』は、まだまだ続きます!