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麿赤兒が語る『白馬舞踏合宿』

舞踏家・麿赤兒率いる大駱駝艦の『舞踏合宿』。毎年夏、長野県白馬村で開催する合宿には、日本全国はもちろん世界中から参加希望者たちが集まります。彼らはどんな動機で参加し、何を得ようとしているのか……。ここでは、主宰の麿赤兒さんにインタビュー! 合宿の経緯と参加者たちの変遷、その狙いについてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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Q:毎年恒例となっている大駱駝艦の夏合宿。
そもそも、合宿を始めたきっかけは何だったのでしょう?

麿>最初は遊びでした(笑)。“夏だから海水浴にでも行こうか”という感じで、みんなで海に行って泳いだり……。でもやっぱりそれだけじゃつまらなくて、海岸を走ってみたり、何となく稽古をやり始めた。だから、当初は内輪のメンバーだけ。

一般から人を集めて合宿をしだしたのは、70年代のはじめから。下田の山の方にある剣道場を借りて、そこは10年くらい続きましたね。その次は長野の木曽福島で、もう熊が出るようなスゴイ山の中(笑)。木曽福島合宿は5年くらい続いて、2002年から現在の白馬合宿になりました。

白馬は設備もしっかりしてるし施設的にもかなり広くて、全部で100人は
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合宿所の室内。二段ベッドで、束の間の学生気分に

泊まれるくらい。冬はスキー場の従業員宿舎として使われている建物で、夏になると閉鎖されるんですけど、我々のために合宿期間だけ解放していただいてます。あと白馬村観光局に協力してもらい、役場の講堂を借りて稽古に使ったり……。

合宿の最後に公演を開催するようになったのも白馬に移ってからですね。村の人たちに“何かヘンな団体が来たぞ!”なんて言われるのもイヤだし、きっと“集団で何やってるんだろう?”と不審に思ってるだろうから(笑)、“こういうことをしてますよ!”とお見せしようと始めたのがきっかけです。

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白馬の合宿所。冬はスキー場の従業員宿舎として使用されている



Q:合宿で学ぶ内容とは?

麿>合宿生には、いつもウチで稽古しているメソッドを教えてます。内輪でやってた頃は半分遊びでしたけど、外から来た人はやはり何かを習得したいという気持ちがあるだろうし、我々としてもそれに応えなきゃいけない。

基本となるのは野口体操で、身体の基礎的な認識法を少しずつアレンジし
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合宿中のスケジュール。朝から晩までみっちり!

て駱駝体操にしています。体操といっても、“イチ、ニイ、サン”という動きではなく、身体を知る方法。あとは身振り手振りの採集とか、宇宙体や鋳型、大駱駝艦の基礎的な振付けなど。合宿中は朝6時起きで、午前3時間・午後3時間・夜2時間の一日8時間、一週間みっちり稽古します。

Q:合宿生の内訳は? みなさん、どんな動機で参加するのでしょうか?

麿>学生や会社員、学校の先生、外国からはダンスの先生とか……。下は16歳から、上は50代・60代 の人もいますよ。今年も外国から65歳と63歳の人が参加する予定です。

動機にしても、“舞踏なんて知らないけど身体を動かしたい”とか、“夏休み
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メニュー表。食事は合宿生たちが当番制でつくります

の暇な時にちょっと合宿で過ごしてみようか”なんて感じで様々。もちろん、舞踏を学びたいという人もいます。みんなどこか訳アリで、いろんな問題を抱えてる。といっても、まぁたいした訳じゃないけどね(笑)。それぞれの立場で、それぞれのストレスを抱えてる人もいるでしょう。

ただこちらとしては、何か道を示すという訳ではなく、ただ“踊りをやる”だけ。どんな相手も分け隔てなく、“もっと足を上げろ!”なんて、小学生みたいに教えてますよ(笑)。

Q:海外の人たちは合宿の開催をどのように知るのでしょう?

麿>大駱駝艦のHPを見たりするんでしょうけど、外国人同士のネットワークがあるのか、みんな情報が早いですよね。それに長いことやってると大駱駝艦の合宿自体が知られているらしく、ひとつのメッカみたいに思ってる部分があるみたいです(笑)。

オーストラリアからグループで来たり、アメリカ、フランス、韓国、ノルウェー、ドイツ、イスラエル、イタリア、トルコ、メキシコ、ハワイからも来る。外国のダンスカンパニーから15人くらいの団体で来たりもするし、その年
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国際色豊かな合宿生たち。食事はみんなで輪になっていただきます

によっては海外からの生徒の方が多いときもある。

いつも大駱駝艦のメンバーが通訳しているんだけど、最初の頃はプレッシャーで帯状疱疹ができたことも(笑)。最近の大駱駝艦は意外と高学歴で、英語や中国語、韓国語ができるメンバーもいたりして、本当に昔とはエライ違いですよ。いい大学卒業したのにもったいない、親は嘆いてるぞ、なんて思ったりしますけどね(笑)。

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