マヤの民族衣装と欧州建築の街アンティグア

世界には、すごしやすさと文化のすばらしさから、旅人の交差点となっている街がいくつかある。そんな街では現地の人たちが自分たちの文化に誇りを持って生き生きと暮らし、一方で国内はもちろん国外からも長期休暇をとった人々が訪れ、日常を忘れて癒しにひたる。

アンティグアは小さいながらとてもかわいらしい街。街並みは美しく、民族衣装に身をまとった人々と旅人たちが、空と大地を愛し感謝しながら共に暮らしている。今回はそんなグアテマラの世界遺産「アンティグア・グアテマラ」をご案内しよう。

ヨーロッパ建築と民族衣装が混在する古都アンティグア

パステル・カラーが美しいアンティグア・グアテマラ。典型的なコロニアル風の街並み ©牧哲雄

パステルカラーが美しいアンティグア・グアテマラ。典型的なコロニアル風の街並み ©牧哲雄

アンティグアは「色彩の街」。

空の色は深い青。アンティグアは標高1,530mの高原にあるので風が涼しくとてもすごしやすいが、高原の周囲は熱帯雨林、ジャングルだ。だから空の色も一層深く、濃い。青い空の向こうには富士山のような三角形が美しいアグア火山が、少しもやがかった薄いグリーンに色づいている。

石畳の道脇に建つ家々はパステルカラーに塗られているのだが、古都らしく、所々崩れたり錆びたり欠けたりして、その壁はなんとも味わい深い趣がある。それはちょうど日本の古い寺社の苔むした石垣のようで、「いとをかし」。

ラ・メルセー教会。キリストやマリアの像が数多く祀られている ©牧哲雄

ラ・メルセー教会。キリストやマリアの像が数多く祀られている ©牧哲雄

マヤの血を引き継ぐ人々が着ているのはウイピルという民族衣装。幾何学模様のもの、鳥柄、草木模様、あるいは動物で埋め尽くされていたりと、その種類は多彩でとにかくカラフルで派手。

市場に行くと、熱帯から高地、海から湖沼まで、あらゆる気候・地形でとれた野菜や果物、香辛料、動物に魚であふれかえっていて、原色に満ちた色彩がまた美しい。

世界中を歩いてみても、これほど「絵になる街」はそうはない。それゆえか、度重なる大地震にもかかわらず人々はこの街を愛し続け、いまに引き継がれている。