運用:個人番号をしっかり管理

マイナンバーを紙で管理するなら会社の金庫や施錠できるキャビネットなどに保管

マイナンバーを紙で管理するなら会社の金庫や施錠できるキャビネットなどに保管

氏名、住所、生年月日、性別とマイナンバー(個人番号)のセットを特定個人情報と呼んでいます。特定個人情報がサイバー攻撃などで流出したり持ち出されたりすると大変なのでしっかり管理を行います。

紙で管理するなら会社の金庫や施錠できるキャビネットなどに保管しておきます。エクセルなどで管理するなら、ファイルは暗号化しておきUSBメモリーなどにいれておきます。できたらインターネット接続されていない端末を使って作業するようにしましょう。氏名、個人番号以外に個人番号収集年月日を記録しておきます。

もし源泉徴収票などをエクセルから帳票印刷している場合、源泉徴収票の様式が変わりますので、変更を準備しておかなければなりません。

運用:源泉徴収など法定調書に個人番号を記載

税務署などに出す法定調書に集めたマイナンバー(個人番号)を記載

税務署などに出す法定調書に集めたマイナンバー(個人番号)を記載

2016年1月以降、税務署や年金事務所に出す法定調書(源泉徴収票など)に集めたマイナンバー(個人番号)を記載します。手書きで記入する場合は間違えないようにしましょう。

まずは1月以降に退職する人や就職する人が対象になります。最初は慣れないので、いろいろとトラブルなども発生しますが、最初から完璧を目指さなくても大丈夫。

国も3年先の平成28年1月以後からはしっかり個人番号を記載してくださいと言っていますし、個人番号が記載されていなくても、書類を受け取らないことはありません。ただ全員の個人番号が記載されていないと、さすがに受取拒否されるでしょうから程度の問題です。

個人番号は正確に記載してください。間違えると名寄せでエラーとなって税務署から問い合わせなどがきて、わずらわしいことになります。もっとも、先日、日本年金機構の個人情報流出で、問い合わせに対して、本当は流出しているのに流出していないと誤った回答をしていた原因は基礎年金番号のデータ入力ミスだったので、年金事務所に誤入力を言える資格はありません。

運用:外部のライター、駐車場、不動産の大家さんも必要

駐車場を借りている相手が個人の場合、個人番号が必要

駐車場を借りている相手が個人の場合、個人番号が必要

社内報の原稿を外部の個人ライターに依頼しているような場合、セミナー講師やコンサルなどを個人事業主に依頼しているような場合、支払調書(「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」)を税務署に出さないといけませんので個人番号を集めなければなりません。ですのでAll Aboutのようにたくさんのガイドと契約しているところは、けっこう大変な作業になります。

ちょっと忘れがちなのが駐車場と不動産。駐車場を借りている相手が個人の場合や不動産の使用料が15万円を超える場合は支払調書(「不動産の使用料等の支払調書」など)を発行しなければなりません。

大家さんが近くなら出向いて、遠方なら返信用封筒を入れた依頼文を送って、免許証のコピーなどと共に返送してもらい、個人番号を収集します。

株主配当が10万円を超えて相手が個人の場合、支払調書(「配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書」)に個人番号が必要です。社長が100%の株式を持っておらず親戚などで分散して株を持っている場合は株主から集めないといけません。株主総会招集通知を送る時に返信用封筒で集めます。

運用:退職して7年たったら廃棄

小さな企業でも特定個人情報の事務取扱担当者と責任者は明確にしておきます。実質的には経理・総務を担当している社員が事務取扱担当者になります。社長の奥さんなら会社と一心同体なんで問題ありませんが、社員なら教育が必要です。

特に盗み出したりすると4年以下の懲役または200万円以下の罰金になることを、きちんと教えておきます。

マイナンバーを、いつ参照して何の法定調書に記載したかも記録できればベストです。あと1年に1回でよいので退職した社員や外部の個人事業主に頼んで仕事が終わってから7年が経過した個人番号については抹消し、廃棄年月日を記載します。

グレー企業は身辺整理が大切

マイナンバーは税と社会保険の共通番号。税と社会保険との間で今までは連携できていませんでしたが、マイナンバー導入によって連携できるようになります。

法人には社会保険への加入義務がありますが、知らずに会社を作る場合もあります。法人税の支払いをもとに社会保険を支払っているか調査すれば社会保険に未加入の法人を簡単に見つけられます。個人も同じで、給与所得がありながら社会保険に加入していない人や個人所得がありながら国民年金を支払っていない個人事業者も簡単に見つかります。また個人事業でも常時5人以上の従業員を使用している場合、社会保険に加入しなければなりませんが、未加入がすぐ分かるようになります。

建設業には、昔、社員がたくさんいましたが公共工事の削減とともにリストラ。また工事単価の削減などから社会保険の会社負担に耐えられなくなり、社員に会社をやめてもらい、一人親方として契約する形が多くなっています。一人親方は個人事業主ですので自分で国民健康保険と国民年金を支払います。ただし一人親方が行っている業務の内容は、現実には労働基準法がいうところの労働者と全く変わりません。国土交通省では建設業の社会保険未加入対策をしており、マイナンバーによって、あぶり出されるかもしれません。

マイナンバーには個人番号以外に法人につけられる法人番号があります。個人番号は秘匿されますが、法人番号は公開されます。法人との取引には法人番号の記載が必要になりますが、同じ経営者なのに2つの会社をうまく利益操作している場合や迂回融資などを見つけやすくなります。

下請企業の取引に着目し、売上や税金の流れを追うと、大手企業による買いたたきなど下請法違反の証拠も集めやすくなりますので、大手はさらにコンプライアンス経営をしないと、えらいことになりそうです。

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