小規模企業ならマイナンバーの準備は大変ではない
マイナンバーに関するセミナーが全国各地で開かれ、セミナーに申込しようと思っても、いずこも満席。何をどう準備したらよいか分からず、不安になってしまいます。大手なら準備は大変ですが、従業員が20名程度の会社であれば、そう気にすることはありません。ただ2016年1月にはスタートしますから、ちょっとした準備は必要です。
毎年、税務署や年金事務所に対し、会社から従業員にいくら給与を払ったか、そのうち源泉した税金や社会保険料などはいくらだったかを報告します。これが源泉徴収票ですが、報告の時、従業員氏名の横にマイナンバー(個人番号)の記載が必要になります。
記載項目が増えるので源泉徴収票の様式がA6サイズからA5サイズに変更になります。従業員のマイナンバー(個人番号)が増え、今までは配偶者や子供など扶養親族の人数だけだったのが名前&マイナンバー(個人番号)まで記載しなければなりません。
準備:9月、従業員に個人番号通知カードを捨てないように注意
2015年10月からマイナンバー(個人番号)の通知がはじまりますが、個人番号通知カードは簡易書留で、住民票の家族ごとにまとめて郵送されます。つまり住民票を登録している住所になりますので、10月前後に引越を考えている従業員には、郵便局に転居届を必ず出しておくなど、確実に郵便が自宅に届くように注意しておきます。また子供が親元を離れて一人暮らしをしていて下宿先などに住民票を移している場合や老親の面倒をみているが老親が離れて暮らしをしている場合、確実に通知カードを受け取るように言っておかなければなりません。
本人および家族を含めて、変なDMと間違えて捨ててしまうことがないようにクギをさしておきます。でないと再発行のために本人が役所に行かなければなりませんので、マイナンバー(個人番号)収集に影響が出てしまいます。
準備:年末調整でマイナンバー(個人番号)を集める
12月になると従業員から扶養控除申告書を出してもらいます。この時に従業員本人と扶養家族の個人番号通知カードを会社に持ってきてもらいます。マイナンバーを集める利用目的を通知しなければなりませんので、年末調整など税務署と社会保険庁へ出す書類に記載するためと伝えます。長年、勤めている社員であれば顔も分かっているので本人確認は顔パスですませます。
扶養家族については従業員が本人確認することになっているので、会社が家族の本人確認する必要はありません。アルバイトや入社したばかりの社員は本人確認が必要となりますので、運転免許証など身分証明書で確認します。
扶養家族などの個人番号がどうしても分からない場合や本人が病気療養などで個人番号を受け取れないことも起こりえます。その場合は、個人番号の提供を求めた経過(いつ依頼して、どんな理由で手に入らなかったか)などを記載して、記録しておきます。
源泉徴収票に個人番号がなくても税務署が書類を受け取らないことはありません。個人番号の記載は、法律で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出が必要ですが、個人番号を記載しなかった場合や誤りがあった場合の罰則規定は特にありません。
従業員が個人番号通知カードをなくしてしまったら、2016年1月以降であれば住民票に個人番号が記載されるので、住民票の写しでも分かります。